湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

突然の雨に

2018-08-31 16:56:11 | ポエム

朝夕の日差しは優しくなったね


昼間の暑さは
相変わらずのようだけど


急いで行った花の教室は
今日は何故か閑散としていて

渡された百合の華やかさだけが際立った

街路樹のサルスベリの花には
かすかに秋の気配

最初にそこを通った時の
空は澄んで蒼かったのに


突然に
風が変わる
肌触りが違う

雲の色が変わる
時間が戸惑う


あなたの街で雨を降らせたねずみ色の雲は
もう
私の街にやって来て
これから雨を降らそうとしてる


街が一気に駆け足になっていく


流されまいと
ゆっくりアクセルを踏み込んだ

メールの返信の言葉が気になって
なんだか虚ろな感じ

ハンドルを握る手には
早く早くと急き立てられているみたいで

湖の色と
雲の色が同じ


道路の色も同じで
私の心の色も同じ

目の前の
全てが同じ色になった時

空から
ひとしずく

また、ひとしずく

絞り出すように落ちてきた雫は
その後
どうしょうもなく
手がつけられない赤子の涙のようになっていった


うなる空
ひかる雲


間一髪のところで
濡れずに済んだなんて


いつもの私なら
ずぶ濡れのはずねって笑いながら


8月も終わりの日
突然の雨


私には
友達からもらった名古屋土産の
可愛い『ういろう』が
少しだけ
明日へのエネルギー








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