結婚後3年目で妻に家を出て行かれ
そのまま離婚してしまった、バツイチの男性、安田顕扮する『じゅんさん』
寿司屋の娘、榮倉奈々扮する『ちえさん』
2人が出会い、結婚する。
一度目の結婚の失敗がトラウマになってしまった、じゅんさんは、
自分の妻、ちえさんに言う
『3年たったら、互いが好きでいるか、離婚するのか話をしょう』と言っていた。
そして、かれこれ3年目に差し掛かるときに、じゅんさんの頭をよぎること。
妻は自分のことが好きなのか、離婚を考えているのだろうか、、、。
そうして、帰った夜
家の扉を開けた時の衝撃
ちえさんの口元から血が流れ
死んでいる、、、、。
『ちえー、ちえー!!!』
叫ぶじゅんさん
『きゅ、救急車をよばなきゃ』
その時、笑いながら足を掴む、ちえさん!
見事、死んだふりをして、
自分の夫を驚かせてみせた。
その日から
毎日、毎晩
ちえさんの死んだふりが続いていく。
ある時は、ワニに頭を喰われて死んだふりをし
ある時は、ドラキュラの棺桶の中で
胸を貫かれて死んだふり
時には、若武者の討死だったり
頭に矢が貫いた死人だったり
夫、じゅんさんは、悩んでしまう。
自分に言いたいことがあるのか
なぜ、毎日、死んだ振りをするのか?
自分のことが嫌いになったのか?
ある日、じゅんさんは妻に言う
『僕は君が好きだよ』
ちえさんは、言う
『月がきれいですね』
何を聞いても、答えてはくれない。
深い淵へおちいくように
訳がわからなくなって
相手に合わせてみたりする
『どこか、いきましょうか。ちえさんは、どこにいきたい?』
ちえは
そんな、じゅんさんの気持ちを見透かしたように答える
『わたしじゃなく、じゅんさんは、どこに行きたいのですか』
ちえは
おっとりしているが
思慮深く、言葉を一つ一つ選びながら、話をするような繊細な面をもつ。
じゅんさんは、そんな優しく
繊細なちえさんがすこしわかりづらいようだ。
とある日
ちえさんのお父さんが倒れたため
実家で数日すごしている時に
一冊の本をじゅんさんが見つける。
その中には、
ちえさんがいつも言う
『月がきれいですね』の意味が書いてあった。
じゅんさんは、意を決して
ちえさんを
初めてプロポーズした公園につれて出た。
そこで言った
『二葉亭四迷(ふたばてい・しめい)が、”I love you”を
死んでもいいゎと訳したし
夏目漱石がそれを
月がきれいですねと訳したんだね。
ちえは、僕にずっと、言ってくれていたんだね』
『やっと気づいてくれたのですね』
どうして
ずっと
ちえが死んだふりをし続けたのかは、描かれていない。
けれど
結婚、3年がきて、トラウマにビビりまくる、じゅんさんに
何があっても不思議ではないけれど、その時その時の愛しい気持ちは忘れないでいてー。
毎日、2人はこんなに楽しいじゃないのー。
そう言いたかったんじゃないか。
私の主観だけれど。
これが、ヤフー知恵袋から
投稿された実話と言うほうが
驚きかもしれない。
榮倉奈々扮する、ちえの仕掛ける死んだふりが
多才で、あまりに可愛くて
クスッと笑ってしまうが
その片鱗が小さな頃に亡くした母を亡くした時に遡っていくあたりの話は、キュンと泣けてきてしまうほどだった。
バカげた題名そのままだけど
実は、ちょっと夫婦の関係を
考えてしまう、映画でした。