湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

桜の原風景

2018-04-06 09:34:25 | 日記
そう言えば、、、
昔から入学式には『サクラ』の花が
ヒラヒラ舞い落ちる道を
親に手を引かれながら
歩いている風景が定番化されている


それは、
その時関西に住んでいた私にとって
とても不思議なことだった



中学の頃
体育館の裏手には立派な桜の木が植わっていて
ヒラヒラ舞い落ちる花びらを
ほんの少ないバレー部の休憩時間に
よく見つめていたものだった


家のことも
自分の置かれてた立場も
全て忘れることのできた貴重な時間
自分の行く末に夢を抱いていたっけ


雪のように
風に舞う花びらの
その美しかったこと美しかったこと


それは
春休みの静かな校内で
唯一響き渡る体育館の裏
『さー、もういっちょー、いこー』

持ち上げた腰をもう一度
くるりとひねって
桜を見る


入学式には散ってしまうのよねー


関東に移り住み
自分が親となって
子供の手を引く


学校や幼稚園の
入学式には必ずといって咲き誇る桜は
とてもリアルタイムで美しかった
定番化された晴れがましい時間と桜のコラボレーション


関西から関東の外れに
越してきた者の寂しさを
とても癒してくれるには充分なものだった


この季節には
桜前線と呼ばれる
見えない温かな空気の層がある


もし、入学式に
桜が散ってしまっていたとしても
日本の何処かで
桜が真っ盛りの所があるのです
定番化された風景そのまま
桜は特別な花となり
思い出となり
人の心にひとひらと残るもの


晴れがましい時はことさらのように


毎年変わり続けながら
変わずにいてくれるもの


原風景がきっと
人の心に根付いているはず


入学式を迎える方々の
明るい行く末を願いながら。
桜とともに。






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