湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

風と雲の行方

2018-04-15 18:18:55 | ポエム
嵐がわかっていて
出掛けるのも悪くない

大人になって
もう雨に打たれることはなくなった

けれど
雨や風やと
両手を上げて
打たれ
吹かれたあの幼い日々


その時だけのために生きていて
その時の気持ちだけで動いていた


体に浴びる雨は冷たくはなかった


手足に当たる風は
今にも何処かへ連れて行ってくれそうだった


遠く
遠く


風に吹かれて
飛んで行きそうになのに
楽しくて仕方がなかった


余計な思考が邪魔をして
不器用なまま
大人になったけど
ただ
静かに見ている方を選んだだけ


また
雨に打たれれば
幼い頃に帰れるかしら


また
風に吹かれれば
飛んで行ってしまいそうに感じるのかしら



あの雲はどこへいくのかしら
あれは、魚のような雲だねって


子供のように聞いても
雲を見もせずに

『何を言ってるのかコイツは』
って
私の見たものが
その人の目には映らない


生ぬるい風が
一気に乾いた風になった


私はまた
静かに見ている方を選んだ





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牡羊座の新月

2018-04-15 08:51:24 | ポエム

ひとり
バーにいるんだと
握っているスマホは
どんな色なのか
私は知らない


カウンターにでも
腰掛けて
癒されたい言葉を
探していたんでしょ


もう
現世では会えないからと
不思議な言葉を綴るけれど
あなたには私が必要で
私にもあなたが必要で


しかし
置かれた立場がちがうから


離れたままでも
繋がっているんだと言って
私を驚かせてしまう


外は嵐だけど
静かな場所にいる割に
あなたの心は濡れねずみのようだと思ったよ


あなたは強いけど
あなたは儚さを知っている


あなたは凛としてるけど
あなたは無邪気で可愛いことぐらい
ちゃんとお見通しだから


どうか
私の前ではありのままで


剣先を収めて
静かに目を閉じればいい


そうして
夜は更けていく


私は変わらず
同じ場所にいるから
また
お月様の話でもしましょう


ああ、そうだね
また、新月が来たよ


新しい扉が開かれて
力強い追い風が吹く


フレッシュな気持ちで
人と出逢えそうな
『牡羊座の新月』






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