「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

真昼の決闘

2009-09-06 | 映画
ゲイリー・クーパー主演の西部劇の名作「真昼の決闘」を観ました。随分久しぶりです。やはり時代を超えた名作ですよね。しびれます。かっこいい! 劇中、ほとんどただ不安げにおどおどしているクーパーですが、それでもかっこいい。彼が体現する勇気や正義がそうみせるのでしょうか。法に代表される正義は所詮力が背景に無ければ絵に描いたモチ。たとえ力で劣っていても、自分に勝ち目がほとんど無くても、それでも正義に殉じようと覚悟を決める姿が痛々しくも、かっこいいのでしょう。


それにしても勝ち馬に乗る、自分が「安全」でありさえすれば少々の悪には目をつぶり、友情さえも捨てる。そんな人間の本質、直視したくは無いけれど人間の醜さ。それがほとんどの人間にとっての現実ということを突きつけられます。最後にクーパーが軽蔑しきった目で人々を見つめ、バッジを地面に無言でたたきつける姿がとても印象的です。

それにしても短い映画ですがほんとに見事な作品。折々に挟み込まれる時計の針の進み具合に、見ているこちらもハラハラし、手に汗握ります。前妻役も見事ですね。あの場面でじっと列車に座り続ける。あれもまたかっこいい、と思えました。

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