立石の思い出・２

立石に住んでいたのは昭和２８年～３０年まででした。
終戦後に祖父と父が四ツ木で始めたセルロイドの加工業は隆盛でしたが、
昭和２６年に祖父が亡くなった頃から商売不振になり、倒産しました。
父、母、私、弟、妹の四人家族は墨田区梅若町（今の墨田２丁目）のアパートに移り住みました。
梅若町は隅田川沿いにあり、ひなびた寂しい処でした。
父は同業者のところへ働きに出ていました。
暗くなったころ隅田川の土手を歩いて帰ってくる父を、
私と小さかった弟が出迎えをした記憶があります。
私はここの梅若小学校に入学しましたが父の働き先が変わったので、
まもなく葛飾区本田梅田町（立石）に引っ越すことになりました。
梅若小学校の思い出は母と入学式に行ったことぐらいしかありません。

昭和２８年の春、葛飾区梅田小学校に転校しました。
今は住宅地になりましたが、当時は田んぼの中にぽつんと建つ学校でした。
新しい家は須藤さんという別家族と私達４人家族が、
一軒の家をシェアリングして住むことになりました。