■人気■
ハンデ戦に変更となった05年~11年までは、儲かる儲からないは別にして的中率100%の法則が存在していた。なぜなら05年以降の7年間は、すべて1番人気~5番人気での決着だったからだ。その7年間で馬連と馬単は回収率100%は切っていたものの、三連複と三連単はいずれも100%を超えていた。
が、そんな的中率100%の法則も昨年は通用しなかった。
昨年は、それまでの傾向とは打って変わって、1番人気~5馬人気が揃って馬券圏外に飛び、9番人気→7番人気→10番人気で決まり、馬連1万2千円、馬単2万6千円、三連複22万、三連単にいたっては160万馬券と、荒れに荒れまくった。
これを何事にも例外はつきものと割り切って、今年も手堅く1番人気~5馬人気のBOXで勝負するのか、それとも去年で潮目が変わったとみて、人気薄から入るのか?ここが勝負の別れ道。
■斤量■
ハンデ戦ではあるが、軽量ハンデの52kg以下は【1-0-2-29】と不振で、良績は【5-6-3-14】の55kg~57kgに集中している。
トップハンデは【3-2-0-5】と、馬券率50%なので、トップハンデが嫌われて人気が落ちているのならば、むしろ積極的に買いを入れるべき。
■年齢■
4歳:1-0-1- 6/ 8
5歳:1-7-1- 6/15
6歳:4-1-2-20/27
7歳:1-0-4-18/23
8上:1-0-0-13/14
1着は6歳、2着は5歳、3着は7歳のフォーメーションが組めそうな、年齢構成。
8歳上で馬券になったのは、10年1着のトリックじいさん(当時8歳)1頭のみ。
■前走■
前走の着順は1着~二桁着順もあり、不問。
レース別では、【3-4-3】のステイヤーズS組が目立つ。もちろん着順は不問。
意外にも前走OP特別組は、06年1着のファストタテヤマ1頭のみで前走1600m下組が【4-2-3】と活躍している。
なお、昨年の2着マカニビスティーの前走JCD11着、3着エナジーバイオーは、フェアウェルS(1600万下・中山ダ1800m)と、ともにダート戦であった。前走がダート戦で馬券になったのは、この2頭と前出のファストタテヤマしかいない。
前走データからは、やっぱり昨年は例外扱いとした方がよさそうなのだが。
■トリックじいさん■
今年もまた、トリックじいさんが万葉Sに出走してくる。
これで3000m以上のレースは、海外を含めて31回目、万葉Sに限れば6回目の出走となる。
JRAは短距離、マイルの最優秀馬を表彰するが、長距離ホースに対する表彰はない。今年とは言わないが、せめて無事に引退となった暁には、特別功労賞くらいはあげて欲しいものである。
というわけで、トリックじいさんに敬意を表し、ここでトリックじいさんの成績をまとめておく。
★トウカイトリック…エルコンドルパサー×シルバーホーク
【全走破距離】
15万6800m
【平均勝利距離】
2689m
【全成績】*2012年12月31日時点
9-6-4-38/57 勝率15.8% 連対率26.3% 複勝率33.3%
【3000m以上】
5-3-4-18/30 勝率16.7% 連対率26.7% 複勝率40.0%
3000m以上の各率が、全成績のそれを上回っていることが、トリックじいさんが生粋のステイヤーであることを証明している。
【3000m以上レース別成績】
万葉S:2-1-0-2/5
ステイ:1-1-1-3/6
阪神大:1-1-1-4/7
ダイヤ:1-0-1-2/4
天皇春:0-0-1-6/7
メルボ:0-0-0-1/1
【万葉S成績】
07年2着/1番人気(1.8倍)/56.0kg
08年1着/1番人気(2.9倍)/58.0kg
10年1着/2番人気(4.5倍)/57.0kg
11年9着/4番人気(6.9倍)/58.0kg
12年6着/6馬人気(7.8倍)/57.5kg
これまでに5回出走して3回馬券(2勝2着1回)になっており、07年以外は、すべてトップハンデである。
前走は8番人気でステイヤーズSを完勝し、ロートル扱いしていた世間を黙らせたが、今回は結構な人気が予想され旨味は減りそう。だが、人気ウンヌンは別にして、今回に限らず、トリックじいさんが3000m以上のレースに出走してきた時は引退するまで、必ず御守代わりに押さえておくことをお勧めする。年齢を理由に切るのは、愚の骨頂であることは前走で教えてくれたのだから。
そうそう、マイネルキッツじいさんも出てくるようなので、こちらも忘れずに。
■血統傾向■*過去8年(以下同じ)
ハンデ戦に変更となった05年以降の過去8年。
リピーターは、チャクラ、アドマイヤモナーク、モンテクリスエス、そしてトウカイトリックの4頭。
そのリピーターも含めた血統傾向で目立つのは、父、母父合計でロベルト系、キングマンボ系、サドラーズウェルズ系、そしてダンスインザダークの4系統。
<ロベルト系:2-5-3>
05年2着、07年3着チャクラ…父マヤノトップガン
05年3着ハイフレンドトライ…父リアルシャダイ
07年2着、08年1着、10年1着トウカイトリック…母父シルバーホーク
10年2着、11年2着モンテクリスエス…父シンボリクリスエス
12年2着マカニビスティー…母父BT
12年3着エナジーバイオ…母父BT
<キングマンボ系:3-1-0>
07年2着、08年1着、10年1着トウカイトリック…父エルコンドルパサー
11年1着コスモメドウ…父キングズベスト
<サドラーズウェルズ系:2-1-2>
06年2着、08年3着アドマイヤモナーク…父ドリームウェル
07年1着バイロイト…父シングスピール
11年1着キングズベスト…母父サドラーズウェルズ
11年3着スリーオリオン…父オペラハウス
<ダンスインザダーク:1-1-1>
06年1着ファストタテヤマ
06年3着マッキーマックス
08年2着ダークメッセージ
以上のように、個別で血統傾向で目につく系統をピックアップしてみたが、つまるところリピーターの活躍に負うところが大きい。
もともと芝3000m以上という、今では時代遅れとなってしまった特殊な距離では、長距離血統ウンヌンよりも、ある特定の馬ばかりが走る傾向にある。
トリックじいさんの父エルコンドルパサー産駒の芝3000m以上の成績は【7-3-4-30/44】であるが、馬券になった14回のうち12回は、トリックじいさん【5-3-4-18/30】によるものだ。
また、10年、11年で連続2着になったモンテクリスエスの父シンボリクリスエスの産駒の芝3000m以上の成績は【1-2-2-14/19】で、馬券になった5回はすべてモンテクリスエスによるものである。
一方、最近は勢いが衰えてきた感は否めないが、その長距離適性の遺伝子を産駒に伝えているのがダンスインザダークだ。
芝3000m以上の産駒成績は【12-7-6-53/78】で、12勝は3頭の菊花賞馬を含む9頭によるものだ。このダンスインザダークこそが、産駒にその適性を伝えるという意味での正統な長距離血統種牡馬だと言える。ただし、何故だか春天だけは【0-0-1-16/17】と、相性が悪いのだが。
ちなみに、ダンス産駒が束になって叩きだした成績も、トリックじいさんには敵わない。勝率15.4%、連対率24.4%、複勝率32.1%は、種牡馬の中ではトップの成績だが、トリックじいさんのそれには僅かながら及ばない。恐るべしトリックじいさん。
■春天と菊花賞との関連性■
過去8年で3着以内に入った馬やその父、母父のほとんどが春天か菊花賞に縁のある馬である。
05年1着アイポッパーの父サッカーボーイからは、ナリタトップロード(99年菊花賞、00年~02年春天3着)とヒシミラクル(02年菊花賞、03年春天)。
05年2着チャクラの父マヤノトップガンは、自身が95年菊花賞、97年春天を制している。
また、トップガンの父BTからはナリタブライアン(94年三冠、96年春天2着)が出ており、昨年2着マカニビスティー、3着エナジーバイオの母父でもある。また、2着のマカニビスティーの父ゼンノロブロイは、04年の春天で2着の実績がある。
05年3着ハイフレンドトライの父リアルシャダイは、元祖・長距離砲で、ライスシャワー(92年菊花賞、93年・95年春天)が、母父としてイングランディーレ(04年春天)、アドマイヤジュピタ(08年春天)などが出ている。
06年1着ファストタテヤマ、同3着マッキーマックス、08年2着ダークメッセージの父ダンスインザダーク
は、自身が96年の菊花賞を制し、その産駒からはザッツザプレンティ(03年)、デルタブルース(04年)、スリーロールス(09年)の3頭の菊花賞馬が誕生している。また、ファストタテヤマ自身も02年菊花賞で2着だった。
ダンスと同じSS系で、09年2着マンハッタンスカイ、10年3着メイショウドンタクの父マンハッタンカフェは、自身が01年菊花賞、02年春天を制しており、その産駒のヒルノダムールが11年の春天を制した。
06年2着、08年3着アドマイヤモナークの母父トニービンからは、ジャングルポケット(02年春天2着)を経由してオウケンブルースリが08年菊花賞を制した。また、母父としては、惜しくも栄冠には手が届かなかったものの、リンカーン(03年菊花賞、06年春天2着)、ドリームパスポート(06年菊花賞2着)、フォゲッタブル(09年菊花賞2着)など、春天や菊花賞での好走馬を多く輩出している。
11年3着のスリーオリオンの父オペラハウスは、00年、01年の春天を連覇したテイエムオペラオーと07年春天馬のメイショウサムソンが出ている。
そして、トリックじいさんの父エルコンドルパサーからは、06年の菊花賞馬ソングオブウインドが出ている。
また、エルコンと同じキングマンボ系のキングズベストは11年1着のコスモメドウの父だが、このキングズベスト産駒のエイシンフラッシュが11年の春天で2着になった。
なお、昨年1着のゴールデンハインドの父クロフネだが、ゴールデンハインドがクロフネ産駒として芝3000m以上で初めて3着以内に入り、菊花賞か春天で好走した産駒は未だ出ていない。ただし、クロフネの父フレンチデピュティからは上述のアドマイヤジュピタや、同じヴァイスリージェント系のシルヴァーデピュティは、オウケンブルースリの母父である。
以上のように、春天か菊花賞で好走した馬や種牡馬が大半を占めるのだが、これは毎年の出走メンバーのほとんどに該当してしまい、絞り切れないというのがネックである。
■リボー系内包馬■
上で見たように、3着以内に入った馬のほとんどは春天か菊花賞に縁があるのだが、そのスタミナの裏付けとなるのはリボー系を内包しているということである。過去8年で3着以内に入った24頭のうち、アイポッパー、ニホンピロレガーロ、モンテクリスエス、スリーオリオン、ゴールデンハインド以外はすべて、5代以内にリボー系を内包しているのだ。
ただ、これも「春天・菊花賞好走馬」同様に、毎年該当馬がたくさんいて絞り切れないのが難点だ。
そんな中、今年はどうしても買っておきたい血統的に魅力的な馬が一頭いる。
☆タイタン…デビッドジュニア×タイトスポット
父も母父もリボー系。
父デビッドジュニアは、聞き慣れないかもしれないが、ドバイDFなどのG1を3勝したアメリカ生まれのイギリス調教馬。その父プレザントタップからはタップダンスシチーが出ている。
プレザントタップの祖父がヒズマジェスティで、母父タイトスポットの父でもある。つまり、この馬はヒズマジェスティの3×2、即ちリボーの4×3のクロスを持っているのである。
何を目指して、このような重厚な配合をしたのかは判らないが、3000mでは足りないくらいのスタミナを有していることは間違いない。
ハンデ戦に変更となった05年~11年までは、儲かる儲からないは別にして的中率100%の法則が存在していた。なぜなら05年以降の7年間は、すべて1番人気~5番人気での決着だったからだ。その7年間で馬連と馬単は回収率100%は切っていたものの、三連複と三連単はいずれも100%を超えていた。
が、そんな的中率100%の法則も昨年は通用しなかった。
昨年は、それまでの傾向とは打って変わって、1番人気~5馬人気が揃って馬券圏外に飛び、9番人気→7番人気→10番人気で決まり、馬連1万2千円、馬単2万6千円、三連複22万、三連単にいたっては160万馬券と、荒れに荒れまくった。
これを何事にも例外はつきものと割り切って、今年も手堅く1番人気~5馬人気のBOXで勝負するのか、それとも去年で潮目が変わったとみて、人気薄から入るのか?ここが勝負の別れ道。
■斤量■
ハンデ戦ではあるが、軽量ハンデの52kg以下は【1-0-2-29】と不振で、良績は【5-6-3-14】の55kg~57kgに集中している。
トップハンデは【3-2-0-5】と、馬券率50%なので、トップハンデが嫌われて人気が落ちているのならば、むしろ積極的に買いを入れるべき。
■年齢■
4歳:1-0-1- 6/ 8
5歳:1-7-1- 6/15
6歳:4-1-2-20/27
7歳:1-0-4-18/23
8上:1-0-0-13/14
1着は6歳、2着は5歳、3着は7歳のフォーメーションが組めそうな、年齢構成。
8歳上で馬券になったのは、10年1着のトリックじいさん(当時8歳)1頭のみ。
■前走■
前走の着順は1着~二桁着順もあり、不問。
レース別では、【3-4-3】のステイヤーズS組が目立つ。もちろん着順は不問。
意外にも前走OP特別組は、06年1着のファストタテヤマ1頭のみで前走1600m下組が【4-2-3】と活躍している。
なお、昨年の2着マカニビスティーの前走JCD11着、3着エナジーバイオーは、フェアウェルS(1600万下・中山ダ1800m)と、ともにダート戦であった。前走がダート戦で馬券になったのは、この2頭と前出のファストタテヤマしかいない。
前走データからは、やっぱり昨年は例外扱いとした方がよさそうなのだが。
■トリックじいさん■
今年もまた、トリックじいさんが万葉Sに出走してくる。
これで3000m以上のレースは、海外を含めて31回目、万葉Sに限れば6回目の出走となる。
JRAは短距離、マイルの最優秀馬を表彰するが、長距離ホースに対する表彰はない。今年とは言わないが、せめて無事に引退となった暁には、特別功労賞くらいはあげて欲しいものである。
というわけで、トリックじいさんに敬意を表し、ここでトリックじいさんの成績をまとめておく。
★トウカイトリック…エルコンドルパサー×シルバーホーク
【全走破距離】
15万6800m
【平均勝利距離】
2689m
【全成績】*2012年12月31日時点
9-6-4-38/57 勝率15.8% 連対率26.3% 複勝率33.3%
【3000m以上】
5-3-4-18/30 勝率16.7% 連対率26.7% 複勝率40.0%
3000m以上の各率が、全成績のそれを上回っていることが、トリックじいさんが生粋のステイヤーであることを証明している。
【3000m以上レース別成績】
万葉S:2-1-0-2/5
ステイ:1-1-1-3/6
阪神大:1-1-1-4/7
ダイヤ:1-0-1-2/4
天皇春:0-0-1-6/7
メルボ:0-0-0-1/1
【万葉S成績】
07年2着/1番人気(1.8倍)/56.0kg
08年1着/1番人気(2.9倍)/58.0kg
10年1着/2番人気(4.5倍)/57.0kg
11年9着/4番人気(6.9倍)/58.0kg
12年6着/6馬人気(7.8倍)/57.5kg
これまでに5回出走して3回馬券(2勝2着1回)になっており、07年以外は、すべてトップハンデである。
前走は8番人気でステイヤーズSを完勝し、ロートル扱いしていた世間を黙らせたが、今回は結構な人気が予想され旨味は減りそう。だが、人気ウンヌンは別にして、今回に限らず、トリックじいさんが3000m以上のレースに出走してきた時は引退するまで、必ず御守代わりに押さえておくことをお勧めする。年齢を理由に切るのは、愚の骨頂であることは前走で教えてくれたのだから。
そうそう、マイネルキッツじいさんも出てくるようなので、こちらも忘れずに。
■血統傾向■*過去8年(以下同じ)
ハンデ戦に変更となった05年以降の過去8年。
リピーターは、チャクラ、アドマイヤモナーク、モンテクリスエス、そしてトウカイトリックの4頭。
そのリピーターも含めた血統傾向で目立つのは、父、母父合計でロベルト系、キングマンボ系、サドラーズウェルズ系、そしてダンスインザダークの4系統。
<ロベルト系:2-5-3>
05年2着、07年3着チャクラ…父マヤノトップガン
05年3着ハイフレンドトライ…父リアルシャダイ
07年2着、08年1着、10年1着トウカイトリック…母父シルバーホーク
10年2着、11年2着モンテクリスエス…父シンボリクリスエス
12年2着マカニビスティー…母父BT
12年3着エナジーバイオ…母父BT
<キングマンボ系:3-1-0>
07年2着、08年1着、10年1着トウカイトリック…父エルコンドルパサー
11年1着コスモメドウ…父キングズベスト
<サドラーズウェルズ系:2-1-2>
06年2着、08年3着アドマイヤモナーク…父ドリームウェル
07年1着バイロイト…父シングスピール
11年1着キングズベスト…母父サドラーズウェルズ
11年3着スリーオリオン…父オペラハウス
<ダンスインザダーク:1-1-1>
06年1着ファストタテヤマ
06年3着マッキーマックス
08年2着ダークメッセージ
以上のように、個別で血統傾向で目につく系統をピックアップしてみたが、つまるところリピーターの活躍に負うところが大きい。
もともと芝3000m以上という、今では時代遅れとなってしまった特殊な距離では、長距離血統ウンヌンよりも、ある特定の馬ばかりが走る傾向にある。
トリックじいさんの父エルコンドルパサー産駒の芝3000m以上の成績は【7-3-4-30/44】であるが、馬券になった14回のうち12回は、トリックじいさん【5-3-4-18/30】によるものだ。
また、10年、11年で連続2着になったモンテクリスエスの父シンボリクリスエスの産駒の芝3000m以上の成績は【1-2-2-14/19】で、馬券になった5回はすべてモンテクリスエスによるものである。
一方、最近は勢いが衰えてきた感は否めないが、その長距離適性の遺伝子を産駒に伝えているのがダンスインザダークだ。
芝3000m以上の産駒成績は【12-7-6-53/78】で、12勝は3頭の菊花賞馬を含む9頭によるものだ。このダンスインザダークこそが、産駒にその適性を伝えるという意味での正統な長距離血統種牡馬だと言える。ただし、何故だか春天だけは【0-0-1-16/17】と、相性が悪いのだが。
ちなみに、ダンス産駒が束になって叩きだした成績も、トリックじいさんには敵わない。勝率15.4%、連対率24.4%、複勝率32.1%は、種牡馬の中ではトップの成績だが、トリックじいさんのそれには僅かながら及ばない。恐るべしトリックじいさん。
■春天と菊花賞との関連性■
過去8年で3着以内に入った馬やその父、母父のほとんどが春天か菊花賞に縁のある馬である。
05年1着アイポッパーの父サッカーボーイからは、ナリタトップロード(99年菊花賞、00年~02年春天3着)とヒシミラクル(02年菊花賞、03年春天)。
05年2着チャクラの父マヤノトップガンは、自身が95年菊花賞、97年春天を制している。
また、トップガンの父BTからはナリタブライアン(94年三冠、96年春天2着)が出ており、昨年2着マカニビスティー、3着エナジーバイオの母父でもある。また、2着のマカニビスティーの父ゼンノロブロイは、04年の春天で2着の実績がある。
05年3着ハイフレンドトライの父リアルシャダイは、元祖・長距離砲で、ライスシャワー(92年菊花賞、93年・95年春天)が、母父としてイングランディーレ(04年春天)、アドマイヤジュピタ(08年春天)などが出ている。
06年1着ファストタテヤマ、同3着マッキーマックス、08年2着ダークメッセージの父ダンスインザダーク
は、自身が96年の菊花賞を制し、その産駒からはザッツザプレンティ(03年)、デルタブルース(04年)、スリーロールス(09年)の3頭の菊花賞馬が誕生している。また、ファストタテヤマ自身も02年菊花賞で2着だった。
ダンスと同じSS系で、09年2着マンハッタンスカイ、10年3着メイショウドンタクの父マンハッタンカフェは、自身が01年菊花賞、02年春天を制しており、その産駒のヒルノダムールが11年の春天を制した。
06年2着、08年3着アドマイヤモナークの母父トニービンからは、ジャングルポケット(02年春天2着)を経由してオウケンブルースリが08年菊花賞を制した。また、母父としては、惜しくも栄冠には手が届かなかったものの、リンカーン(03年菊花賞、06年春天2着)、ドリームパスポート(06年菊花賞2着)、フォゲッタブル(09年菊花賞2着)など、春天や菊花賞での好走馬を多く輩出している。
11年3着のスリーオリオンの父オペラハウスは、00年、01年の春天を連覇したテイエムオペラオーと07年春天馬のメイショウサムソンが出ている。
そして、トリックじいさんの父エルコンドルパサーからは、06年の菊花賞馬ソングオブウインドが出ている。
また、エルコンと同じキングマンボ系のキングズベストは11年1着のコスモメドウの父だが、このキングズベスト産駒のエイシンフラッシュが11年の春天で2着になった。
なお、昨年1着のゴールデンハインドの父クロフネだが、ゴールデンハインドがクロフネ産駒として芝3000m以上で初めて3着以内に入り、菊花賞か春天で好走した産駒は未だ出ていない。ただし、クロフネの父フレンチデピュティからは上述のアドマイヤジュピタや、同じヴァイスリージェント系のシルヴァーデピュティは、オウケンブルースリの母父である。
以上のように、春天か菊花賞で好走した馬や種牡馬が大半を占めるのだが、これは毎年の出走メンバーのほとんどに該当してしまい、絞り切れないというのがネックである。
■リボー系内包馬■
上で見たように、3着以内に入った馬のほとんどは春天か菊花賞に縁があるのだが、そのスタミナの裏付けとなるのはリボー系を内包しているということである。過去8年で3着以内に入った24頭のうち、アイポッパー、ニホンピロレガーロ、モンテクリスエス、スリーオリオン、ゴールデンハインド以外はすべて、5代以内にリボー系を内包しているのだ。
ただ、これも「春天・菊花賞好走馬」同様に、毎年該当馬がたくさんいて絞り切れないのが難点だ。
そんな中、今年はどうしても買っておきたい血統的に魅力的な馬が一頭いる。
☆タイタン…デビッドジュニア×タイトスポット
父も母父もリボー系。
父デビッドジュニアは、聞き慣れないかもしれないが、ドバイDFなどのG1を3勝したアメリカ生まれのイギリス調教馬。その父プレザントタップからはタップダンスシチーが出ている。
プレザントタップの祖父がヒズマジェスティで、母父タイトスポットの父でもある。つまり、この馬はヒズマジェスティの3×2、即ちリボーの4×3のクロスを持っているのである。
何を目指して、このような重厚な配合をしたのかは判らないが、3000mでは足りないくらいのスタミナを有していることは間違いない。