☆史上最強の法則-海外支局☆

☆The Unrivaled Principle in History☆

春天の法則4~鬼門

2010-04-28 18:00:00 | 長距離血統の法則
 まずは、前回紹介したこちらを再掲↓
☆芝3000m以上~種牡馬&BMSランキングTOP10☆

 サイアーランキングで断トツ1位のダンスインザダークを父に、BMSランキング2位のトニービンを母父に持つフォゲッタブル

 血統的には鉄板級。否、菊2着、ステイヤーズS、ダイヤモンドSと芝3000m以上で連対率100%の実績を考えれば、ダイヤモンド級と言っても過言ではない。
いくら人気になろうとも、逆らわない方がよさそうなのだが、実はフォゲッタブルには死角がある。
 といっても、ダイヤモンドSから直行ローテで、過去に春天を制した馬はいないということではない。また、休み明けでいきなり3000mを心配しているわけでもない。ダイヤモンドSのあと疲れが出たので阪神大賞典には使わなかったらしいが、菊2着の後、ハイレベルな有馬で4着、そして年明けにダイヤモンドSを走らされれば、どんなにタフな馬でも疲れは出るというもの。あの「馬車馬」マンハッタンスカイですら音を上げるに違いない。
 そもそも、この強行ローテは、春天出走を確実とするべく予定通りのもの。長距離4連戦の後に疲れが出るのは百も承知で、春天直行も選択肢の一つとして持っていたはず。
 昔と違って、今の調教技術は格段に進歩を遂げている。ましてや、ここが最後の春天となる池江調教師の仕上げに抜かりはあるまい。

 フォゲッタブルの死角、それは休み明けでもダイヤ直行ローテでもない。それは、完全無欠の長距離型の血統構成に隠されているのだ。

 まずは、ダンスの父であるSSの分析から入る。
SS産駒の芝3000m以上の成績は次のとおり。

 現存するJRAの平地芝3000m以上のレースのうち、ダイヤモンドSを除く5レースを制覇している。
 産駒別では、05年の菊、06年の阪大、春天を制したディープインパクトは別格として、他ではマンカフェ、スペシャル、リンカーン、そして勝ち星はないもののステイゴールドの活躍が目立つ。

 次に、SS後継種牡馬のなかで、「SS系種牡馬長距離カルテット」のマンカフェ、スペ、ダンス、ステイについて調べてみた。

 種牡馬デビュー年は、ダンス00年、スペ03年、ステイ05年、マンカフェ06年と、それぞれ異なるのだが、このぶっちぎりの成績を見せつけられては、暫くはダンスの独壇場が続くと思われる。

 さて、ここからが核心部分。
まずは、芝3000m以上におけるダンスの産駒別成績を見てみる。

 ザッツザプレンティ、デルタブルースをはじめ、ズラリと長距離砲が顔を揃えた。その中で、ダイタクバートラムに続く成績を収めているのがフォゲッタブル。ここまでは何ら死角らしい死角は見当たらない。

 次に、ダンス産駒の芝3000m以上のレース別成績を見てみると、フォゲッタブルにとって、なんとも不吉なデータが浮かび上がった。

 フォゲッタブルの死角―それは、ダンス産駒は、これまで一度も春天を勝ったことがない!ということ。
 ダンス産駒は、延べ15頭が春天に挑戦しているのだが、3着以内に入ったのは03年3着のダイタクバートラムの1頭のみ。

【ダンス産駒~春天惨敗史】
●03年
 4着ツルマルボーイ(2人気)
 6着ファストタテヤマ(4人気)
 8着タガノマイバッハ(8人気)

●04年
11着ファストタテヤマ(7人気)
16着ザッツザプレンティ(3人気)

●05年
10着ザッツザプレンティ(7人気)

●06年
 6着ファストタテヤマ(13人気)
 7着マッキーマックス(3人気)
10着デルタブルース(4人気)

●07年
 8着ダークメッセージ(8人気)
10着ファストタテヤマ(9人気)
12着デルタブルース(3人気)
14着ウイングランツ(15人気)

●08年
出走馬ナシ

●09年
10着デルタブルース(13人気)

 菊花賞好走馬は春天と相性が好いことはつとに知られているが、03年1着ザッツザプレンティが2回、04年1着デルタブルースは3回挑んだものの、たとえ菊花賞馬といえども、春天というG1の最高峰の壁を打ち砕くことはできずじまい。

 フォゲッタブルの死角―
それは、父ダンスインザダークにとって、春の天皇賞は鬼門であるということに他ならない。

=つづく=






春天の法則3~超長距離王

2010-04-28 12:00:00 | 長距離血統の法則
 まるで、時代の片隅に置き去りにされたかのような長距離血統。
スピード時代全盛の現在では、その活躍の場はごく限られている。芝2500mの番組は年間約60~70鞍組まれているが、3000m以上となると、たったの6鞍しかない。かつては、ブラッドストーンS(OP・中山芝3200m・97年で廃止)、嵐山S(OP・京都3000m・99年で廃止)、そしてドンカスターS(OP・京都3000m・03年で廃止)という、オールドファンにとっては懐かしい長距離戦が存在したのだが、時代の趨勢に逆らうことはできず、現在では、春天、菊、阪大、ステイヤーズS、ダイヤモンドS、そして万葉Sの6つになってしまった。長距離オタクとしては、もっと長距離戦を増やせとまでは言わないが、これ以上芝3000m以上のレースが減らされないことを願ってやまない。

 Over 3000m―
そこには、芝2500mとは全く違う異次元の世界が広がる。
前回、芝2500m以上の種牡馬&BMSのランキングTOP10を紹介したが、今回は芝3000m以上のレースのそれを紹介しようと思う。
尚、データ集計期間は、03年を起点とし、既に今年終了した万葉S、ダイヤモンドS、阪神大賞典の3レースは過去8年、そして春天、菊、ステイヤーズSについては過去7年である。

☆芝3000m以上~種牡馬&BMSランキングTOP10☆

 芝2500m以上では父SS系が大部分を占めていたのだが、3000m以上となるとノーザン系が躍進していることがわかる。なかでも、今年の長距離戦の流行であるサドラー系が、ここでも父方に2頭、母父に1頭が入っていることは見逃せない。
 だが、最も注目すべきは芝2500m以上でも上位にランクしていた父ダンスインザダークが父方で1位で、母父ではトニービンが2位に入っている点。
ということは、やはりアノ馬で鉄板なのか?

☆ フォゲッタブル…ダンスインザダーク×トニービン

「忘れがちな」という意味の馬名であるが、これだけの長距離適性を示す血統構成を見せつけられば、忘れたくても忘れられない。
と同時に、「競馬には絶対はない」ことも決して忘れてはならない―

=つづく=



春天の法則2~長距離王

2010-04-28 00:00:00 | 長距離血統の法則
 長距離戦に強いのは誰か?

☆芝2500m以上~種牡馬&BMSランキングTOP10☆
 まずは、08年と09年から↓

 BMSで08年3位、09年1位のトニービン。その仔ジャンポケが、種牡馬で08年4位、09年1位と、昨年は親子揃ってランキングトップに輝いた。スタミナ豊富なトニービンの血を、ジャンポケが孫にもしかっりと伝えている証拠である。このことから、トニービン、ジャンポケの血を持つ馬が好走しているコースは、スタミナが要求されるということも裏付けされる。

☆ ジャガーメイル…ジャングルポケット×SS

 母父SSは、BMSランキングで08年1位、09年2位。しかし、母父SSの場合は、その配合相手を見なければ何とも言えないのだが、まあ、とりあえず。

☆ フォゲッタブル…ダンスインザダーク×トニービン

 父ダンスは、父方で08年1位、09年3位。父も母父もともに2年続けてランキング上位に入っている。間違いなく1、2番人気になるだろうが、血統構成的には外せない1頭。

 他にもトニービンの血を持つ馬は3頭いる。出るか出ないかはわからないが、一応ピックアップしておく。
☆ コパノジングー…アグネスタキオン×トニービン
☆ フィールドベアー…フジキセキ×トニービン
☆ メインストリーム…アグネスタキオン×トニービン

 以上のように、過去2年ではトニービン親子、そしてダンスをはじめとするSS系が活躍していたのだが、果たして今年はどうなのか?

 現時点で、ダンスやトニービン親子よりも目立つのが、父方で2頭、母父で3頭を送り込んでいるサドラーズウェルズ系
☆ ジャミール…ステイゴールド×サドラーズウェルズ


☆ テイエムアンコール…オペラハウス×BT


☆ トーセンクラウン…オペラハウス×ダンシングブレーヴ

血統構成的には、07年春天1着、08年2着のメイショウサムソンと同じ。

☆ メイショウベルーガ…フレンチデピュティ×サドラーズウェルズ


 今年の長距離戦のトレンドは、サドラーズウェルズ系なのかもしれない。

 長距離戦には、血統も大事だが、騎手の腕も大いに問われるので、芝2500m以上戦の騎手ランキングTOP10を掲載しておく。


=つづく=