櫛の歯が零れ落ちるかのように、早々と戦線離脱したオウケンブルースリを皮切りに、アサクサキングス、ロジユニヴァース、そしてドリームジャーニーが、次々と回避を表明。気付いてみれば、G1馬は昨年の覇者1頭のみとなった今年の天皇賞・春。
個人的には、ロジユニとドリジャニはカモと見ていただけに、出走回避は残念でならない。出てくれば、3強あるいは4強の一角に祭り上げられたのは確実で、人気をソコソコ吸収してくれたであろうこの2頭を、バッサリと切って美味しい思いをしようと目論んでいたのだが。しかし、上記の馬たちが出て来ようとも、人気は割れていたのは間違いなく、いずれにせよ、戦国模様の今年の春天なのは変わらない。1番人気はキッツか、新味を期待してフォゲッタブルのどちらか。おそらく2倍台後半~3倍付近を行ったり来たり。あとは、付かず離れずの団栗の背比べ。どこから入っても好配当にありつけそうなメンバー構成である。
そんな春天の血統傾向過去22年↓
過去22年でリピーターは、8頭。
うち、連覇を達成したのはメジロマックイーン、テイエムオペラオーの2頭のみで、ライスシャワーは、隔年で二度目の春天を制した。惜しくも連覇達成とならなかったのは、イナリワン、サクラローレル、メジロブライト、そしてメイショウサムソンの4頭。今年、連覇の期待がかかるマイネルキッツだが、上記の連覇を達成した馬に比べると、その戦績では一枚落ち、連覇を逃した4頭に比べても、また然り。どうも、キッツがV2を達成するイメージが沸いてこない。あくまでも、戦績からのイメージなのだが。
その産駒がデビューした94年以降、ことごとく重賞という名の付くレースを制覇したSSだが、この春天を制するのは99年のスペシャルウィークまで待たねばならない。ここまで、後継種牡馬を含めたSS系で括っても4-4-6と、他の重賞に比べると、その活躍振りが見劣りするのは否めない。そして、そのSSと互角の勝負をしているのが、目下3連勝中と勢いに乗るノーザン系。オペラハウスの2勝2着1回、ホワイトマズルの1勝3着1回をはじめ、所謂、欧州スタミナ血統の活躍が目に付く。
こうやって、過去22年の血統傾向を眺めると、一昔前に活躍した種牡馬が、ここに来て復活の兆しを見せていることに気付いた。
まず、00年~02年まで3年連続3着となったナリタトップロードの父サッカーボーイが、「ミラクルおじさん」で話題になった03年1着のヒシミラクルの父、05年3着アイポッパーの父、そして、昨年はマイネルキッツの母父に入った。ちなみに、99年2着のステイゴールドの母父ディクタスは、サッカーボーイの父である。
次に、1~3着を独占した95年を含め、ここまで父・母父合計で4-2-4と、SS系に比べてもなんら遜色はないリアルシャダイ。03年2着サンライズジェガーの父、まんまと大逃げを決めた04年1着のイングランディーレ、そして一昨年の覇者アドマイヤジュピタの母父と、「元祖・長距離王」未だ衰えずといった感じだ。
そして、なんと言っても春天と言えば、この馬を忘れてはならない。
惜しくも春天三連覇とはならなかったものの、親子三代制覇を成し遂げた「メジロの至宝」メジロマックイーン。
「春天を勝つ馬こそが最強馬」―
のポリシーの下に、一貫して春天制覇を目指したサラブレッド生産を行なってきたメジロ牧場。マック、ライアン、パーマーの「メジロ三羽烏」の活躍以降、ライアンがブライトを輩出し、その枝を伸ばすかと見えたのだが―
競馬に手を染め始めた頃、マックとライアンにはお世話になった。忘れられないのが、「メジロ丼」で決まった91年の宝塚記念。配当は安かったものの、生まれて初めての一点万張り勝負。以来、この2頭を追っかけ続けた思い出がある。もちろん、ライアンの仔ブライトも当然の如く出てくる度に本命にしていた。
しかし、時代は次第にスピード競馬へシフトしていく。
愚直にも、伝統の長距離血統を守り続けてきたメジロであったが、時代の趨勢には勝てず、永らくG1級の馬は出ていない。辛うじてブライトがステイヤーズSを制したマキハタサイボーグを出したが、残念ながら、同馬はセン馬である。しかも、悲しいことに、マックとブライトは既にこの世になく、ライアンは種牡馬生活を引退しており、名門メジロの枝、ひいては春天血統の枝が伸びる可能性は限りなくゼロに近い。
昨年3着のドリームジャーニーの母父に入ったマックであるが、残念ながら、そのドリジャニが、まさかの回避。父系が無理なら母系で、と思いたくなるのだが、いくら母系で活躍したからといっても、母系ではその枝を伸ばすことは出来ない。あくまでも、枝を伸ばすのは父系である。
そんな名門メジロの血が絶滅してしまいそうな中、マックの血を継ぐ馬が一頭出走する。
☆ホクトスルタン…メジロマックイーン×SS
字面では出てこないが、母系を辿ると、2代ボトムは前出の「元祖・長距離王」リアルシャダイ。そして3代ボトムには、これもまた春天と相性が好く、しかもライアン、ブライトの父系の源流であるノーザンテースト。
冠こそメジロではないものの、その中身は「準メジロ」。
「正統派春天血統」の後継を、この馬に託す。
まずは単勝、そして馬単総流しの応援馬券。
=つづく=
個人的には、ロジユニとドリジャニはカモと見ていただけに、出走回避は残念でならない。出てくれば、3強あるいは4強の一角に祭り上げられたのは確実で、人気をソコソコ吸収してくれたであろうこの2頭を、バッサリと切って美味しい思いをしようと目論んでいたのだが。しかし、上記の馬たちが出て来ようとも、人気は割れていたのは間違いなく、いずれにせよ、戦国模様の今年の春天なのは変わらない。1番人気はキッツか、新味を期待してフォゲッタブルのどちらか。おそらく2倍台後半~3倍付近を行ったり来たり。あとは、付かず離れずの団栗の背比べ。どこから入っても好配当にありつけそうなメンバー構成である。
そんな春天の血統傾向過去22年↓
過去22年でリピーターは、8頭。
うち、連覇を達成したのはメジロマックイーン、テイエムオペラオーの2頭のみで、ライスシャワーは、隔年で二度目の春天を制した。惜しくも連覇達成とならなかったのは、イナリワン、サクラローレル、メジロブライト、そしてメイショウサムソンの4頭。今年、連覇の期待がかかるマイネルキッツだが、上記の連覇を達成した馬に比べると、その戦績では一枚落ち、連覇を逃した4頭に比べても、また然り。どうも、キッツがV2を達成するイメージが沸いてこない。あくまでも、戦績からのイメージなのだが。
その産駒がデビューした94年以降、ことごとく重賞という名の付くレースを制覇したSSだが、この春天を制するのは99年のスペシャルウィークまで待たねばならない。ここまで、後継種牡馬を含めたSS系で括っても4-4-6と、他の重賞に比べると、その活躍振りが見劣りするのは否めない。そして、そのSSと互角の勝負をしているのが、目下3連勝中と勢いに乗るノーザン系。オペラハウスの2勝2着1回、ホワイトマズルの1勝3着1回をはじめ、所謂、欧州スタミナ血統の活躍が目に付く。
こうやって、過去22年の血統傾向を眺めると、一昔前に活躍した種牡馬が、ここに来て復活の兆しを見せていることに気付いた。
まず、00年~02年まで3年連続3着となったナリタトップロードの父サッカーボーイが、「ミラクルおじさん」で話題になった03年1着のヒシミラクルの父、05年3着アイポッパーの父、そして、昨年はマイネルキッツの母父に入った。ちなみに、99年2着のステイゴールドの母父ディクタスは、サッカーボーイの父である。
次に、1~3着を独占した95年を含め、ここまで父・母父合計で4-2-4と、SS系に比べてもなんら遜色はないリアルシャダイ。03年2着サンライズジェガーの父、まんまと大逃げを決めた04年1着のイングランディーレ、そして一昨年の覇者アドマイヤジュピタの母父と、「元祖・長距離王」未だ衰えずといった感じだ。
そして、なんと言っても春天と言えば、この馬を忘れてはならない。
惜しくも春天三連覇とはならなかったものの、親子三代制覇を成し遂げた「メジロの至宝」メジロマックイーン。
「春天を勝つ馬こそが最強馬」―
のポリシーの下に、一貫して春天制覇を目指したサラブレッド生産を行なってきたメジロ牧場。マック、ライアン、パーマーの「メジロ三羽烏」の活躍以降、ライアンがブライトを輩出し、その枝を伸ばすかと見えたのだが―
競馬に手を染め始めた頃、マックとライアンにはお世話になった。忘れられないのが、「メジロ丼」で決まった91年の宝塚記念。配当は安かったものの、生まれて初めての一点万張り勝負。以来、この2頭を追っかけ続けた思い出がある。もちろん、ライアンの仔ブライトも当然の如く出てくる度に本命にしていた。
しかし、時代は次第にスピード競馬へシフトしていく。
愚直にも、伝統の長距離血統を守り続けてきたメジロであったが、時代の趨勢には勝てず、永らくG1級の馬は出ていない。辛うじてブライトがステイヤーズSを制したマキハタサイボーグを出したが、残念ながら、同馬はセン馬である。しかも、悲しいことに、マックとブライトは既にこの世になく、ライアンは種牡馬生活を引退しており、名門メジロの枝、ひいては春天血統の枝が伸びる可能性は限りなくゼロに近い。
昨年3着のドリームジャーニーの母父に入ったマックであるが、残念ながら、そのドリジャニが、まさかの回避。父系が無理なら母系で、と思いたくなるのだが、いくら母系で活躍したからといっても、母系ではその枝を伸ばすことは出来ない。あくまでも、枝を伸ばすのは父系である。
そんな名門メジロの血が絶滅してしまいそうな中、マックの血を継ぐ馬が一頭出走する。
☆ホクトスルタン…メジロマックイーン×SS
字面では出てこないが、母系を辿ると、2代ボトムは前出の「元祖・長距離王」リアルシャダイ。そして3代ボトムには、これもまた春天と相性が好く、しかもライアン、ブライトの父系の源流であるノーザンテースト。
冠こそメジロではないものの、その中身は「準メジロ」。
「正統派春天血統」の後継を、この馬に託す。
まずは単勝、そして馬単総流しの応援馬券。
=つづく=