◆血統リンク◆
宝塚記念はリピーターが活躍するケースが多い。そのおかげもあるのだが、毎年、前年に馬券になった馬の父か母父と同じ系統を持つ馬が、翌年に必ず馬券に絡んでいる。これが、なんと90年以後の25年間もの間、成立しているとなると単なる偶然では片付けることはできない。
今年の対象馬はもちろん、昨年、馬券になったゴールドシップとカレンミロティック。そして、ステイゴールド産駒とハーツ産駒。昨年の3着のヴィるシーナは出走しないが、ディープ産駒には要注意。とはいっても、先にあげた3頭の産駒だけで9頭もいるので、この法則で絞り込むのは難しい。
◆信頼の1番人気◆
過去25年の1番人気の成績は【11-8-2-4】で、勝率44%、連対率76%、複勝率84%と、ダービーの1番人気に匹敵する信頼度。過去25年で馬券圏外に飛び、ファンの期待を裏切ったのは95年サクラチトセオー(7着)、03年シンボリクリスエス(5着)、05年タップダンスシチー(7着)、07年ウオッカ(8着)の4頭しかいない。
2番人気【6-2-1-16】、3番人気【2-3-7-13】と、上位人気は及第点の成績だが、過去25年で1番人気⇒2番人気で決まったのは、12年のオルフェーヴル⇒ルーラーシップの1回のみで、2番人気⇒1番人気は91年のメジロライアン⇒メジロマックイーン、99年グラスワンダー⇒スペシャルウィーク、01年メイショウドトウ⇒テイエムオペラオーの3回しかない。1番人気を信じきるなら、相手は人気薄が宝塚記念の馬券のセオリー。
<1番人気が連対した時の相手馬の人気別回数>
2番人気:4回
3番人気:2回
4番人気:2回
5番人気:1回
6番人気:3回
7番人気:0回
8番人気:3回
9番人気:3回
10人気:1回
狙いは、6番、8番、9番人気だ。
なお、11番人気以下は過去25年で一度も馬券に絡んでいない。
◆安心のファン投票1位馬◆
1番人気を上回る成績を残しているのが、ファン投票1位の馬。過去25年で19頭が出走し、その成績は【7-7-3-2】。勝率36.8%、連対率73.7%、複勝率89.5%と、勝率と連対率では1番人気には劣るものの、複勝率は5.5ポイント上回る。
そして、さらファン投票1位の馬が本番で1番人気に推された場合は【7-6-0-1】となり、勝率50%、連対率と複勝率がともに92.9%と、絶大なる信頼を寄せることができるようになる。
今年のファン投票1位は、ご存知のとおりゴールドシップ。そして前日前売りオッズでは単勝1.9倍と、一本被りの1番人気。本番でも1番人気なのは揺るがない。
データ的には鉄板のゴールドシップ。やっぱり、やらかすのか?やらかさないのか?昨年同様、そこだけが気になる宝塚記念である。
◆牝馬◆
ここ5年で4頭が馬券になっている牝馬。10年と11年はブエナビスタ、13年はジェンティルドンナと、いずれも1番人気に推された当時の「最強牝馬」である。しかし、昨年は8番人気のヴィルシーナが3着になり、波乱の片棒を担いだ格好となった。
宝塚記念史上、牝馬が勝ったのは66年エイトクラウンと05年スイープトウショウの2頭しかいない。
75年以降の40年間の牝馬の成績は【1-3-7-41/52】で、勝率1.9%、連対率7.7%、複勝率21.2%となり、5頭に1頭は馬券になる計算が成り立つ。
昨年は4頭が出走しヴィルシーナが馬券になったが、今年は昨年より1頭多い5頭が出走予定。机上の計算では、今年もまた牝馬が馬券になる確率はかなり高いということになる。
また、牝馬のG1馬の成績は【1-3-5-21/30】で、勝率3.3%、連対率13.3%、複勝率30.0%となり、G1馬に限定すれば3頭に1頭は馬券になる計算。
今年は、ショウナンパンドラ、ヌーヴォレコルト、ラキシスの3頭が出走。この3頭は押さえておいたほうがいいかもしれない。
◆ダービー馬◆
ダービーで3着以内に入った馬が、宝塚記念に出走した時の成績は【6-4-5-24/39】で、勝率15.4%、連対率25.6%、複勝率38.5%と、なんとも微妙な数字である。
これをダービー馬に限定すると、【2-2-2-3/9】で、勝率22.2%、連対率44.4%、複勝率66.7%と確率は上がるが、及第点には後一歩及ばない。
しかし、これをダービー馬が「翌年に出走」した場合に限定すると、【2-2-2-1/7】で、複勝率は85.7%に跳ね上がる。
今年は、昨年のダービー馬ワンアンドオンリーが出走してくる。当時の屋根のノリはゴールドシップに乗るため、デムーロに乗り替わり。G1では、やたらテンションが高くなる外国人ジョッキーなら、3連覇の懸かるノリに遠慮はしないはず。牝馬同様ワンワンドオンリーも押さえておくべきか。
◆G1馬vsG1未勝利馬◆
宝塚記念では、G1馬が夏の北海道での放牧前に「行きがけの駄賃」ついでに出走し優勝をかっさらっていくケースと、何度もG1に挑戦するものの今一歩、栄冠に手が届かなかった馬が、ここでG1初制覇の彼岸を達成するケースの二つに大別できる。
後者では、91年メジロライアン、97年マーベラスサンデー、98年サイレンススズカ、そして01年メイショウドトウなどが思い浮かぶ。メイショウドトウにいたっては、テイエムオペラオーの2着に甘んじること実に5回と、まさにオペラオーは目の上のタンコブだった。
今年はG1馬6頭に対し、G1未勝利馬10頭の構図。
G1馬6頭といっても、ゴールドシップ以外は1勝のみで、しかも牝馬限定G1と3歳G1を勝っただけ。ゴールドシップを信じきれないなら、いっそのこと目を瞑ってG1未勝利馬から入る手もありだろう。
G1未勝利馬10頭の中で、もっとも「悲願達成」の四文字がよく似合うのはどれか?
◎06デニムアンドルビー…ディープインパクト×キングカメハメハ
初勝利に手間取り、桜花賞への出走は叶わず、オークストライアルのフローラSで権利を勝ち取り挑んだオークスでは、桜花賞馬のアユサンを押さえ1番人気に推された。しかし、後方一気の追い込みを見せるも、結果は惜しくも3着。そして、秋になりローズSを完勝し、万全の体勢で臨んだ秋華賞。ここでも1番人気に推されたが、オークス馬のメイショウマンボに屈し4着。以後、エリザベス女王杯ではファンに見限られ始め5番人気の5着に終わった。
次のジャパンカップでは人気を落とし、7番人気。だが、ファンを嘲笑うかのようにジェンティルドンナの2着に突っ込んだ。陣営もあきらめられないのか、それ以後はドバイも含めてG1ばかりに出走。だが、未だ夢は叶わず。G1成績は【0-1-1-8】と、悲壮感すら漂わせている。
また、デニムについては、こんなサインもある。
今年のプレゼンターは、元タカラジェンヌの真矢ミキ。ここにサインが隠されている。
真矢ミキ:1964年1月31日
デニムアンドルビー:2010年1月31日
そのサインとは、昨年のダービーでも炸裂した誕生日馬券だ。
でも、同じ誕生日の馬はデニムの他にラキシスがいるが、こちらは既にG1を勝っているのでパス。
というわけで、みさなん、よい宝塚記念を!!