弥生賞の法則

■血統傾向■

皐月賞トライアルではあるが、最近では本番に直結しなくなってきている。
過去５年、ここで権利を取り、本番でも馬券になったのはサダムパテック（１１年２着⇒皐月２着）、コディーノ（１３年３着⇒皐月３着）、トゥザワールド（１４年１着⇒皐月２着）の３頭のみで、皐月賞馬となると１０年のヴィクトワールピサまで遡らなければならない。

かつてはＳＳ系×ノーザンダンサー系の配合が活躍していたが、最近はＳＳ系×ミスプロ系が台頭してきている。
ＳＳ系では、【１－０－２】のディープインパクト、【０－２－０】のネオユニヴァース。
キングカメハメハが父で１勝３着１回、母父で３着１回で、３年連続で馬券対象を継続中。

■コース傾向■

先週の土曜日の一鞍のみ。
まずは、ＳＳ系が１着～３着を独占した。
面白いのは、３着の馬の血統構成。父ナカヤマフェスタ×母父ネオユニヴァースで、ＳＳの２×３のクロスを持つ。父も母父もＳＳ系だらけの現在。かつては、ノーザンダンサーのクロスが持て囃された時代もあったのだが、遂にＳＳのクロスを持つ馬が走り始めた。
いつかはこういう日が来ることは分っていたが、実際に目にしてみると違和感を感じざるを得ない。これも、そのうちに見慣れたものになるのだろうけど。
ＳＳ系だけが枝を伸ばしている状況下、ＳＳ系自身が、所謂「血のジレンマ」に陥ってしまい、いつかはＳＳ系の凋落が始まることは随分前から指摘されていた。社台軍団も、この状況を何とか打破しようと、ＳＳ系を持たない血統、ハービンジャー、ワークフォース、チチカステナンゴ、アカテナンゴなどを輸入はしたものの、今の所、血の転換が成功しているとは言い難い。
ＳＳ系だらけの現代の種牡馬界において、一人気を吐くキングカメハメハや、昨年、突如覚醒したグラスワンダーに期待は集まるが、如何せん、ＳＳ系のモノの数には勝てっこない。キンカメにしても、配合相手がＳＳ系牝馬ばかりでは、キンカメ×ＳＳだらけになり、いつかは自身の身、ひいてはキングマンボ系を滅ぼす運命にある。
ＳＳ系に代わる種牡馬を見つけ出すこと、これが現代のゴールドラッシュをもたらす。
社台並みにカネに糸目を付けずに、種牡馬を輸入しまくることができる存在となると、そう、あのお方しかいない。いよいよ総帥の出番が来たか？

■前走■

朝日杯ＦＳ【３－３－５】、京成杯【１－３－４】、ラジオＮＩＫＫＥＩ杯【３－２－０】、若駒Ｓ【２－１－０】、共同通信杯【２－０－０】など、ローテーションは多岐に渡り、これといった最強ローテは見当たらない。
＊ラジオＮＩＫＫＥＩ杯は、１４年から中山のホープフルＳに変更。

■人気■

０１年以降の過去１５年の勝ち馬のうち、１２頭が１、２番人気。

１番人気：８－１－０－６
２番人気：４－３－４－４

１番人気は頭あってのヒモなし。競艇で言う所の、「ピンロク」スタイル。１番人気を買うなら、頭固定で。
８番人気以下は【１－１－１－６７／７０】なので、バッサリと切っても構わない。

■１番人気の取捨■
過去１５年の１番人気は、勝率５３％、連対率と複勝率は６０％だが、単勝オッズで篩いにかければ、その信頼度はグンと上がる。

＜単勝オッズ別１番人気の成績＞
単勝１．９倍以下：７－０－０－２／９　
単勝２．０倍以上：１－１－０－４／６

単勝オッズ１．９倍以下に限定すれば、各率はいずれも７８％となる。単勝１．９倍以下で馬券圏外に飛んだのは、昨年のシャイニングレイ（１．９倍、７着）と０３年のザッツザプレンティ（１．５倍、６着）の２頭のみ。
今年の１番人気は、デムーロ人気も手伝って、おそらくリオンディーズ。ただ、単勝１倍台まで被るかというと、そこまで人気はしないはず。リオンディーズを買うなら頭、買わないのなら一切買わないスタンスで、勝負に行くかどうか。

■武豊■
かつては、武を買っておきさえすれば馬券が取れた弥生賞。近年は乗り馬に恵まれずに、往年の勢いはなくなってしまったが、昨年、６年ぶりに１００勝をクリアし、復活の狼煙を上げた武豊。直近２年は、１４年キズナ（５着）、１５年グァンチャーレ（４番人気）と馬券にはなっていないが、今年はエアスピネルというお手馬に恵まれ、久々に弥生賞を勝つチャンスがやって来た。

＜武豊の弥生賞の成績＞
７－５－０－４／１６　４４％　７５％　７５％

＜人気別内訳＞
１番人気：４－２－０－１／７
２番人気：２－２－０－０／４
３番人気：１－０－０－１／２
４番人気：０－１－０－１／２
５番以下：０－０－０－２／２

３番人気以内なら勝率５４％、連対率＆複勝率８５％で、２番人気以内なら同５５％、同９１％と、弥生賞の１番人気を上回る成績になる。
騎乗予定のエアスピネルは、３番人気以内に推されるのは間違いない。ならば、ここはデムーロよりも武ちゃん軸で勝負が正解か。