世の中では2022年3月19,20,21日は3連休らしいのだが・・・
私は、土曜日はもともと午前中は普通に仕事をしている。2022年3月19日もいつもとの土曜と同じように午前の診療を終えた。新型コロナの検査の希望者が一人しかおられず、その方は無症状の濃厚接触者だったのでPCR検査を施行したのだが、陰性だった。久々のコロナゼロの日だった。奈良県中部では確実に新型コロナ感染が減少している印象。それが春休みの間だけの限定的なものになるのかは、新学期が始まらないと分からない。とりあえず、桜が咲くことまでは減少が続くと私は感じている。
午後からは新型コロナワクチンの個別接種が坂根医院で47人予定が入っており、それを滞りなく(3人キャンセルがあったけれども)済ませてから往診に行った。
往診に行ったのは良いのだけれど、患者さんの状態がどうもよろしくない。
患者さんは70代後半の男性で、大動脈弁人工弁置換術後の感染性心内膜炎でサワシリンを長期服用中の方。長期入院から何とか退院されたのが4日前。その患者さんの呼吸状態が3日前から悪化していた。発熱は無いのだが、黄色粘稠痰が増え、呼吸状態が急速に悪化し、SPO2が最悪時70台にまで低下した。すぐさま在宅酸素療法を開始、抗生剤(セフトリアキソン4g/日)の点滴も開始したのだが、1日経っても状態は軽度改善のみ。それで、2日前から他の在宅患者さん宅に置いてあったレボフロキサシン500㎎点滴を取りに行って、追加で使用開始した。それでも黄色粘稠痰は減らず、SPO2もO26L/minマスクで漸く95%
原因菌はMRSA(多剤耐性黄色ブドウ球菌)と考えるしかないなと考えた。それで、MRSAに有効な治療薬を求めようとしたのだが、土曜の午後、薬屋さんはどこに電話しても繋がらない。
色々と探しまわっても、見つからず、最後に病院関係に強いコネクションを持っている院外処方薬局の方にお願いした。
「ルートは聞かないでください。後日同じものを返却してくださいね」と言って、バンコマイシンを一箱(10バイアル)届けていただいた。感謝!!!それを患家に持参し、点滴をして帰ったら、21時を大幅に過ぎていた。
バンコマイシンは1日2回点滴する薬。今朝の分は訪問看護師が施行してくれた。
今日20日は、田原本町中央体育館で朝10時から12時まで新型コロナワクチンの集団接種会場で問診係と救急係を担当、昼になって駐車場で弁当を食べていたら携帯が鳴りまして「発熱患者を診てほしい」との依頼。医院に行って、数日前に小学校を卒業したばかりの12歳児に抗原検査を施行。数十秒ですぐに陽性が判明した。
話を伺うと、H小学校の6年生というか卒業生。結構感染者が出ていたらしくて、卒業式の前まで学級閉鎖していたそうだ。。それでも卒業式は開催することに決まったので 参加したらかかってしまったとの事だった。
その子は、ワクチン未接種でした。年少者のワクチン接種、難しい判断。ワクチン接種してもかかります。年少者、余程の事が無い限り、重症化なんてしない。年長者に対するワクチン接種は確実にメリットがデメリットを上回っていると判断しているのだが・・・・
午後は2時から4時まで再び集団接種の予診係。4時に解放され、バンコマイシンの点滴に訪問。昨日に比べると随分と元気になっておられた。でも、呼吸不全の改善はわずかで、02:5l/minでSPO2:95%。明日はもっとよくなっておられると期待。
連休3日目の明日も、夕方のバンコマイシンの点滴に訪問診療予定。今日の如く、発熱者がおられて、診てくれるところが無ければ、出動かもしせざるを得ないかもしれない。
休めない3連休だが、嫌なことを強いられているわけでは全くない。そして何より自分の生命を脅かされているわけでは全くない。配偶者は毎日お弁当を作って持たせてくれるし、帰る家もある。
家では、電気も付けばガスも供給されている。勿論、蛇口をひねると水も出る。なんと幸せなのだろう。
日常生活を普通に送る事が出来る幸せを噛み締めています。
世界の人々が一刻も早く日常生活を取り戻すことが出来る事を、切に願ってやみません
人は「出逢いで決まってしまうようなところもありますね。」