命のカウントダウン(健康余命3605日)

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今日2枚目の死亡診断書

2022-12-24 21:35:34 | 新型コロナウィルス
なんて日だ!
昨日ベクルリー200㎎を投与した新型コロナ患者の80台男性、本日昼に亡くなってしまいました。

昨夜から状態は悪くて、救命を考えるならば、入院の上挿管→陽圧人工呼吸器を使用するか、ECMOの管理下に入るかしかないと思い、そのような説明もさせていただいたのですが、ご家族は希望されませんでした。ご本人も何度も「入院はいらん」と呟かれていましたし・・・・

今日は土曜日、クリスマスイブ 

午後は、役所はどこも休みでした。

保健所も動いていないだろうと思いながらお看取りをした午後2時過ぎに電話を掛けたら、なんと繋がりました。死亡確認した後、どうすればいいのか聞きたかったのです。

自宅でCOVID-19患者を看取ったケースは非常に稀なのだそうです。これまでは、病院か施設でお亡くなりになるケースだったので・・・と言いながら、所長以下、色々と調べて頂いたようですが・・・・管轄自治体の「町役場」には留守を預かっている守衛さんしかおられず、話になりませんとのことでした。

ご家族が頼まれたご近所の葬儀屋さんも、自宅で亡くなったCOVID-19患者さんは初だという事でした。電話で話してみると、とても物分かりの言い方で、「ご遺体は呼吸をするわけでも咳をされることもないので、接触感染さえ気を付ければ問題ないと思います。それよりも、ご家族たちは濃厚接触者なので無症状感染者の可能性があるので、そちらに気を付けてください。」と説明したら、納得していただけました。
病院や施設で亡くなった場合、ご遺体は施設で収納袋に収容してもらい、葬儀屋さんは、収納袋+棺桶に入ったご遺体を火葬場に直送する直葬なのだそうです。
今回は、葬儀屋さんの指示のもと、ご家族さんたちに収納袋に収めてもらったらどうでしょうと提案しました。どうなったかは分からないです。

兎に角、ご本人は今頃・・・・
半世紀ほどの時間をワープして、お母さんと会っておられるのではないでしょうか 苦痛など全くない、穏やかなお顔でした。


たった今、死亡確認してきました。

2022-12-24 03:17:25 | 在宅医療
先ほど、死亡確認して帰ってきました。
私、飲酒していたので、配偶者に起きてもらって、車の運転頼みました。

数時間前に状態が悪化したコロナ患者さんとは別な患者さんです。

100歳の方で、老衰と言って良いでしょう。ご家族に看取られての大往生でした。

私は、死亡確認に行き、ほんの1分ほどお邪魔しただけです。

私に連絡をくれたのは訪問看護師で、彼女は、私が到着する前から呼ばれていて、私の死亡確認を待って、死後の処置を始めます。

私が在宅医療を始めた20数年前は、私も死後の処置をしていました。
在宅医療の重要性が声高に叫ばれるようになって、訪問看護ステーションが出来始めた頃から、医師は死後の処置には関わらなくて良い様になり、最近では全く死後の処置に手を出すことはなくなりました。

昔は良かったの逆ですね。昔は大変でした。
今は、死後の処置を始め、訪問看護師のお陰でずいぶん楽に訪問診療が出来るようになりました。

在宅医療の中心は医師ではありません。訪問看護師です。
訪問看護師をサポートするのが医師の役割だと思っています。
綺麗ごとではなく、心からそう思います。

訪問看護師の訪問時間は、最低30分、長ければ1時間です。一方、私の訪問診療の平均時間は数分です。稀に30分、1時間滞在することもありますが、あくまでも例外です。医師は、効率的に患家を回って、指示を出すのが役割です。司令塔です。実際に動いて患者さんに対して医療処置をしてくれるのは訪問看護師です。

在宅医療はチーム医療、上下の関係ではなく、横並びの関係なんて馬鹿げたことを言う人もいますが、私は上下関係は明らかにあって、医師は司令塔で、訪問看護師やヘルパーさんは指令下の駒だと思っています。見下す気はありません。横並びの関係なんて口先で行っている奴に限って・・・・

ちょっと口が滑り過ぎたかもしれません。言いたいのは、訪問看護師には大いにお世話になっていて、彼女らのおかげで(男性の訪問看護師、未だ見たことが無いです)在宅医療は成り立っていると言いたいのであります。人間的には横並びは当然ですが、役割分担では横並びではない(しつこいなぁ!)

もう、寝ます。おやすみなさい!!

お母さんに逢いたい

2022-12-24 00:37:20 | 出来事
私、「お母さんに早く逢いたい。」と言う人の邪魔をしています。

今日12月23日(既に昨日になってしまいました)午後7時半の夜診終了寸前に「今から行くので診てください。」と言う発熱患者さんの新型コロナの検査を何とか終えてようやく帰ろうとした8時半頃、再び電話が掛かってきました。

「コロナで往診していただいている〇〇です。夕方電話をいただいた時は安定していたのですが、さっき見に行ったら息が浅くて荒くて、意識も遠ざかっている感じです。サチュレーションも80台に低下しています。

そうですか、今から行きます。酸素量は6Lに上げておいてくださいと言って、動脈血液ガスの検査が出来る準備をしてから車に乗り込みました。

もう一度電話をして、救急車を呼ぶ方が良い状態かどうか確かめたのですが、酸素を5Lに上げたら(酸素発生装置のMAXが5Lでした)サチュレーションが91~92になったとの事でしたので、先日のこともあったので、救急車は呼ばずに往診することにしました。(救急車を呼んで入院要請したのだけれど、受け入れてくれる病院がなくて、救急車は帰らざるを得なかった。)

患家に着くと、ご家族が8名ほど集まっておられました。
血圧80台触診、脈拍114、SPO2:91~95%(O2:5L/マスク)体温:37.5℃
動脈採血をしました。動脈血液ガスの値は、PaCO2:62 PaO2:62と、芳しくない値でした。

入院していただいた方が良いです。
でも、昨日も本人を交えて「入院しないで良かったねぇ」と話しておりました

そこに、これまで、強く何度呼びかけても返答しなかったご本人が「入院要らない」と、何とか聞き取れる言葉を発せられました。

そうかぁ、入院はしたくないんだ。
そうなんです。入院したら、会えなくなるし・・・

そうですねぇ、今は、コロナで入院したら、面会できませんよねぇ
だから、入院したくないだろうし、させたくも無いです

そうですか。それなら、入院しない方向で出来るだけの事をしましょうか
そうしていただけますか

そこに、違う親族から微妙な発言が・・・・

お爺ちゃん、昨日から、「お母さんに逢いたい」「お母さんに早く逢いたい」ってしきりに言っていたんです。お爺さんが小さい頃に亡くなったお母さんが迎えに来ているらしいです。
えー、それで、何も食べてくれないのかなぁ?焦らなくても、逢えるのはそんなに遠くないと思うんだけど・・・

入りにくく、入ってもすぐに漏れる血管、何とか確保して、ベクルリー200㎎とデカドロン6.6㎎を点滴静注してきました。


患家を出たのは10時過ぎてましたから、今日も、とてもレセプトの点数を引き上げてしまいました。来年3月までです。こんなことをしていられるのも。

来年4月からは、レセプトの点数を下げなければ個別指導に呼ばれるので、新型コロナ患者さんの往診には行けません。ましてや、夜間、深夜の緊急長時間往診なんてもってのほかです。ベクルリー、100㎎6万円以上。今日は200㎎使ったから12万オーバー!!!来年に向けて、大いに大いに反省せねばなりませんね!!!

それにしても、私、お母さんに早く逢いたいと言われている80台男性の邪魔をしているのですよねぇ。お母さんに早く逢いたいと食事も摂ろうとされない方を救命出来るかどうか、救命は難しいとも思います。ご本人に生き続ける意思が感じられないのですから。

明日、ステロイドとベクルリーで食欲も、生きる活力も出てくれば良いのですが・・・・・