竹の秋

山が金色に光っています
竹の秋と呼ばれる現象です
イチョウが秋に色づくように
この季節に竹は黄色くなります

その金色に揺れる山の下には
栗の木柿の木梅の木
そしてその足元に
ねぎぼうすやいんげん、お芋たちを発見
茶畑の隙間に野菜
野菜畑の端っこに茶の木
そんな光景が続いていたのは
富士宮から少し西に向かった
山梨県南部でした

山梨県の経済茶園はこのあたりで
「南部茶」という製品を生産しています
富士川水系の良質のお茶で
隣町は静岡県なのに
「山梨県のお茶」というだけで
消費者は「お茶は静岡でなくちゃ」と言うのだそうです

個人所有の小さな茶畑が多いですから
このあたりの製茶工場は
小さな単位での製茶を何クールもすることになります
持ち込まれる茶葉を見て
一軒一軒に処方箋を作らなくてはなりません
蒸しの時間は秒単位のものです
その畑のお茶のおいしさを一番引き出すよう
揉みの強さと時間
火入れの温度と時間などを決めるのです
お茶を知り尽くした茶匠のお茶
どこのお茶かでなくて誰のお茶か
私はそこでお茶を決めています

家族で消費する一年分のお茶くらいはとれる
そんな家庭があちこちにある一方で
若いお嫁さんたちは製茶未体験だったり
せっかく素敵な環境にあるのですから
是非伝えていってほしいと思いました
みんなでわいわいと
おしゃべりしながらつまみ食いしながら
良い加減に作る茶づくりは
体に優しく心にやさしく地域にやさしく
もうお茶って本当に素敵