かしこジャーニー

「日々しるし」と「難聴のこと」

ボルタンスキー展

2016-12-24 02:28:55 | 映画・本・美術館
日曜日まで開催している東京都庭園美術館のクリスチャン・ボルタンスキー展を拝観。

瀬戸内国際芸術祭で知ったボルタンスキーの作品(インスタレーション)にまだ触れたことがなかったので、その空間に身を置いてみたかった。

一階の作品は、あのすばらしい邸宅のお部屋のどこからか声がするという。
残念ながらわたしの耳では聞こえないので、係りの方に何を話しているのか訪ねると、文字におこしたプリントをみせてくれた。男女四人の声だという。会話ではなく、小説でもないという。
借りたそのプリントを手にもう一度部屋を眺めて鑑賞。
天井近くの四角い装置から声が流れており、真下に立つと補聴器がキーンという機械音を発してから単語を少し聴き取ることができた。
これまでにも何度か訪ねて知らない部屋ではないけれど、聴こえてくる男女のあいまいな言葉の音でどこか緊張している自分に気づく。すこし落ち着かなくなるような。。

二階は心臓音。ボルタンスキーといえば心臓音がまず頭に浮かぶ。
静かである書庫が命ある生きものになったかのよう。この鼓動は書庫が生きている音?
そこに椅子があるならば、しばらく座って聞いていたかった。

影絵。暗い室内を窓からこっそり覗くかのよう。覗き見?
覗くための小窓からはこちらに向かって風が吹いてきてひやっと感じる。風で部屋のなかの影絵がゆらゆら揺れる。
影絵はどこか物悲しいイメージがある。日本のものも、外国のそれも。

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