阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

短歌 その16(2018年11月~2019年2月)

2018-11-08 01:01:38 | 短歌(まとめ)

 

 

       人生不可急

  まだ少し時間あるはず落ち着いてサイド攻めたい 図書館行きたい 

 

       手打うどん妹尾

  ぶっかけは熱いぬるいともうひとつ 冷やしと言わぬ店主のこだわり

 

       徐行運転

  ギギギギとふるへつゝゆく瀬野八と本郷あたりよつきたてども

 

        思袢纏君

  霜月やはんてん着れば君のこと思い出さぬ夜はなかりき

 

       思今年夏

  苦しいと言わせてしまった暑き日はまだふた月前 さらぬ過去もある

  川内の広島菜漬つけそむる写真や夏の遠ざかりゆく

  この街を流るゝ川の純情に君触るゝことなつの夜の夢

 

        冷え性
 
  南国の果実は体を冷やすなりリンゴなら良いそりゃかばちじゃろ
  
  クリスマスケーキはいかん饅頭を食えという医者悪魔なりけり
 
  冷え性と言はれて思ふ真夏でもホットたのみし君のおもかげ

 

       手動泡立

  作るのも経済的な理由なれば手でシャカシャカと聖夜うるさき

 

       漢方心得

  食間にリラックスして湯で飲めばすでに効きたる心地こそすれ

 

       窓拭心得

  年の瀬もいい加減こそめでたけれピカピカはいやツグミぶつかる 

 

      平成三十一己亥年 歳旦
 
  平成のみそひともじの正月を歌えや但し字余りはなし
 
 
 
       辞世候補
 
  村雨やなゝつの川を思ひつゝ阿武山越えて西へ向はむ
 
 
 
      栗本軒貞国歌碑

  雪月花おしむ人さへ残らぬと青空を背に辞世の碑は立つ
  
  我もまた君を惜しまん広島の化政期負ひし貞国の歌碑
 
  貞国の二文字なつかし尾長なる瑞川霊苑入口の歌碑
 
  人の字の強く浮かびて寛政を化政を生きし狂歌師思ふ
 
  貞国の辞世うたえば子供らが戯れて打つ鐘の音ふたつ
 
 
 
      キリシタン殉教碑
 
  四百年前の河原にくれなゐの椿の花の散れば悲しも
 
 
 
      旧正月は何時かと聞かれて
 
  最近の暦に旧正月は無しちよこれいとの日は載りたるに
 
 
 
                芳香
 
  やきさんまさめたにほひはひたりてのかうよりいつるわかゝれいしふ
 
  家を出る前に納豆食うなかれマスクの中で菌の増えゆく
 
 
 
        暖冬思去年夏
 
  あたゝかな冬もおそろし水損と酷暑無縁の夏をこそ願へ
 
 
 
 
 
  
 
  
 
  
 
  

 

 

  



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