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歴史模擬授業(第26回 大正時代①第一次世界大戦)②-1-1  

2010年12月23日 22時34分14秒 | 歴史☆模擬授業

歴史模擬授業26回 大正時代です。

詳細はこの前の記事①をご覧ください。

大正時代は、外国の歴史も入り、内容がたいへん濃いので、

8つに分けていきたいと思います。

1:第一次世界大戦①(全体の動き)

2: 第一次世界大戦②(ロシアの動きと社会主義とは何か)

3:第一次世界大戦③(日本の動き)

4:第一次世界大戦の後①(全体の動き&ロシアの動き)

5:第一次世界大戦の後②(日本と世界の関係)

6:日本国内の話①(大正デモクラシー)

7:日本国内の話②(普通選挙制の確立)

8:日本国内の話③(大正時代の文化)

となります。

世界の国々の関係は、あくまでイメージであり、それが絶対ではありません。

各個人で当てはめたり、差別的な見解でみないようお願いいたします。

 

また、 わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

今回は、1の第一次世界大戦①(全体の動き)をみていきます。

ーーーーーーーー

「さて、では今日は大正時代を始めましょう。」

「はい!」

「明治時代に、不平等条約は改正され、良くも悪くも世界に羽ばたいていった日本。

     大正時代は、さらに世界の中に入っていきます。」

「世界の歴史にも日本が入り込んでいくのだね。」

「また、ヨーロッパは、武力を使って植民地をどんどん増やしていって、強い国になっていった

      と前に話したよね。その状態がいきすぎて、ついに悲劇がもたらされる。そして、そこに

       日本も入っていく、という状態になります。

       だから、大正時代は、世界の歴史も見ていくことになる。」

「おー。」

「で、世界の国々の名前が出てきたら、地図帳でその国々の位置も確認すること。

      そうすれば、理解しやすいから。」

「はい!」

 

「西ヨーロッパの主要な国々は、ほぼ世界中を自分たちの植民地にしました。

     なので、残り少ない独立国を植民地として確保できるかが、

    そして今まで自分が持っていた植民地をほかの国に奪われないで(独立されないで)、

   維持できるか、が焦点になってきます。

   多く植民地を持っている国は保身を、植民地が少ない国は植民地をねらっている。」

「うーん。手を広げていったために、今度は、守りに入ってきたんだね。」

「うん、そういうことのなのよ。

      で・・、それじゃあ、ヨーロッパの国々でグループをつくって、

      そのグループ内では植民地を奪い合わない、もしそのグループ内のどこかの国が  

    戦争を始めたらその国を応援(もしくは敵には回らない)しよう、というような

    形をつくりはじめるんだ。」

「つまり同盟を結んだってことかな?」

「そうなの。今回は、日英同盟のように2つの国同士だけで結ぶものではなく、

     3国で結びます。」

「今度は三国で。」

「では、当時、強かったヨーロッパの国をあげていくね。

    イギリス・フランス・ロシア・ドイツ・オーストリア・イタリアです。」

「あ、全部聞いたことがある国だ!」

「で、簡単な相関図を説明します。上の記事も参考にしてね。

    (わかりやすく言うので、それが絶対ではありません。)

 

まず、革命をおこし完全な民主主義の国になっているのがイギリスフランス

 

イギリスが世界中で一番近代化が進んでいました。

どこよりも早く、民主主義の国になり、

どこよりも早く工業化を済ませます。植民地も多く持っていました。

アングロサクソン族が中心となっている国です。

 

で、フランスも、イギリスに次いで民主主義の国になったところ。

歴史も古く、自分たちの歴史に誇りを持っています。とくに文化について。

イギリスのように植民地を多く持っていました。イギリスとは仲は良くは無いです。

 フランク民族が中心となっている国です。

 

 

当時の日本と同じように、民主化は或る程度しているんだけど、トップ(皇帝)を中心に

政治をしていたのが、ロシア・オーストリア・ドイツ

 

ロシアは、当時はフランス寄りの国です。イギリスに次いで植民地が多いです。

フランスから支援を受けて、工業化を進めたりしましたし、

文化もフランスから学ぶことが多いです。広大な領土をもっている国で、スラブ民族が中心となっている国です。

 

オーストリアは、今では面積が大きくない国ですが、当時は広大な領土を持っていました。

しかし、この時期にはどんどん力が弱まり、

オーストリアが支配していた国が独立運動をしたり、反乱をしたりして、混乱していました。

ゲルマン民族が中心となっている国です。

 

以上の、イギリス・フランス・ロシア・オーストリアは、国としての歴史が古く、

それについてのプライドは高かった。

 

しかし、ドイツイタリアは、国としての歴史が浅いんです。(古代ローマ時代は除く)

それぞれの都市ごとに政治をしていて、国としては都市の集まり、という意識で

国民という意志はなかった。

それが19世紀になって、1つの国としてまとまりが出てきて 、ドイツ・イタリアという

現在の国の形ができてくる。」

「日本も同じ感じだよね。

 藩ごとに政治して、それを将軍がまとめていた江戸時代から、

 天皇を中心にして、府県すべて統一した政治をして、

 国というまとまりが出てきたっていう状態。」

「どれだけ古くから、民主主義国家×中央集権国家になったり、多く植民地をもつことが、

    当時一流の証だったと言える。(その価値が正しい価値だとは言えませんが・・。)

    また、民主主義国家×中央集権国家に、はやくなればなるほど、

    植民地をつくるのがはやく、多くの領土を取れた。(若干例外はありますが・・)」

「そっか・・。ということは、ドイツとイタリアは持っている植民地が少なかったってことだね。」

「そういうことなの。」

「そうか・・。」

「で、ドイツは必死にがんばってね、がんばってね、工業化をしていった。

海軍も大拡張をはかって、イギリスをおびやかすようになっていってね。」

「え?それだとイギリスは、ずっと一位を保ってきたのでプライドが傷つかない?」

「うん。だから、海軍が強いイギリスはドイツを敵視します。」

「ほえー・・。」

「で、フランスも、ドイツを敵視します。

フランスとドイツは、これまでにも何度も対立して戦っているため、

歴史的な対立関係でもあります。(フランス・ドイツとの抗争は高校世界史で習います。)」

「そうなんだ。」

「で、イタリアからしたらドイツは憧れの存在になるわけです。

    自分だって、もっとがんばればドイツみたいになれるかもしれない!

    という希望の星なんです。(という見方もできる、という意味です。)」

「ほえー。」

「他にも、民族同士の対立もあります。

一番大きい対立としては、ロシアなどのスラブ民族と、

オーストリア・ドイツなどのゲルマン民族での対立です。」

「ほえー。じゃあ、ロシアと、オーストリア・ドイツも対立状態になっていたんだね。」

「そういうこと。

      じゃあ、最初の話にいきましょう。」

 

「 あ、3つの国がグループ組んでいったという話だよね。」

「さっきの国の関係から、どことどこが手を組み、どことどこが対立関係になるか想像できるかな?」

「えーと、イギリスとドイツは対立、フランスもドイツも対立。

ロシアは、ドイツ・オーストリアと対立しているよね。」

「そうだよね。で、イギリスとフランスも決して仲良くないんだけど、敵の敵は仲間、共通の敵を持つときは仲間になる、という形をとります。(敵=悪い物、という意味ではありません)」

「少年漫画で、ライバル(敵同士)が、

新たに出てきた敵が出てきたときだけ、力を合わせるみたいな感じ?」

「うーんと、そうすると、ドイツという共通の対立国を

   もっているのは・・イギリスとフランスとロシアが一緒・・!

   あ!イギリス・フランス・ロシアが同じグループ!」

「そういうこと!そうすると、残りは?」

「えーと、ドイツとイタリアは一緒だから、残りのオーストアリアも仲間になる?

ドイツとオーストリアは、同じゲルマン民族だし、共通の対立国、ロシアがいるしね。」

「そういうことです。」

「ほえー。」

「イギリス・フランス・ロシアが結んだものを三国協商と言い、

 ドイツ・オーストリア・イタリアが結んだものを三国同盟と言います。

 三国協商側が多く植民地を持っていたグループで、三国同盟側が植民地が少なかったグループ

 という見かたもできます。

 こちらはどちらも、(多少の違いはありますが)

 グループ内のお互いの植民地を奪ったりしない、もし、グループ内のどこかの国が

 戦争をおこしたら、その国の敵にはならない、状況によってはその国を援護して自分も

 戦争を始める、という約束によって成り立っています。」

「ほえー。」

「これが、後に世界を巻き込む大戦争につながります。」

「え?なんで?」

「ほら、これらの国は、(国によって植民地の数は違いますが)植民地を持っているんだよ!

    植民地というのは、問答無用で、言うことをきかなければいけない。

だから、植民地を支配している国が、戦争に兵士を差し出せ!と言ってきたら、

差し出さなきゃ行けないし、植民地自体もその国の領土だとみなすから、

敵国が、その植民地に進入して攻撃をしたりするから。」

「うわ・・、地獄絵図。」

「これは、まさに地獄ね。全世界が戦争をする、ってことなんだから。

この時代の歴史は、他人事でみないで、なぜ戦争はなくならないか、

少しでも戦争をなくすにはどうすればいいか、を学ぶ姿勢で観ていきましょう。

決して、戦争を良いものだと思ったり、茶化したりしないで、真剣にみましょうね。」

「はい。」

「では、ここからが本題です。

 今までの内容は、あまり入試に出ません。

出るとしても、三国協商・三国同盟という言葉を聞かれるか、三国協商・三国同盟の国の

内訳を聞いてくるぐらい。

でも、これを理解してないで、国だけ丸暗記していると、

これからいくつも戦争が出てくるときに、国同士の関係をしらないといちいち

丸暗記しなきゃいけなく、覚えてもすぐ忘れる。

でも、国同士の関係を理解していれば、どの国が敵同士、仲間同士になるかが予想がつく。

また、このような敵対関係、仲良し関係は、100年、200年と尾をひきます。

だから、これは未来でも役立つの。どこが手を結ぶか、と予想できるし、

もし、今まで敵対関係にあった国が仲良くなったら、それは、敵対関係にいるよりも

もっと重要なことが潜んでいる、と読めるのよ。

実際に、約10年前のイラク戦争のときに、

どこがどこと結ぶのか、で当時のそれぞれの国の姿勢が

わかったりしたのよね。」

「ほえー。そうなんだ!だったら、知っていたほうがお得だね。」

「そういうこと、ただ、1つ気をつけてほしいのは、私が話した内容は

あくまで国同士の今までの関係のことで、個人個人の関係ではありません。

イギリス人とドイツ人の恋人だっているし、

他人の国の人を馬鹿にしない人だっているからね。」

「はい!人間を国でひとくくりにはしません!

「何かあったときに、だから○○人は!という差別的な発言はしないように

気をつけることは大切だよね。」

「そうよ!よくわかっているね!」

「えへへ。」

「では、次から、入試に出る形に添って、大正時代とそのころの世界をみていきましょう!」

「はい!」

「ではでは、起立・礼!」

ーーーーーーーーーーー

わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。 

3B政策・3C政策については、今度の記事で説明いたします。

 



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