津村 節子さんの小説「紅梅」を読みました。 (文藝春秋 1200円)
これは2006年7月に亡くなった作家・吉村 昭さんの妻であり、作家の津村節子さんが、夫の発病から
闘病生活、死に至るまでをつづった私小説です。
吉村 昭さんは、延命治療を拒否し、胸に埋め込んであるカテーテルポートを、自ら引き抜いて死への道を選びます。
壮絶な死を遂げた夫と、残された妻としての気持ち。
作家として、書く気力が萎えた、と言います。
気力を振り絞った、作家・津村節子さん(83才)渾身の作品と言えます。
津村 節子さんの小説「紅梅」を読みました。 (文藝春秋 1200円)
これは2006年7月に亡くなった作家・吉村 昭さんの妻であり、作家の津村節子さんが、夫の発病から
闘病生活、死に至るまでをつづった私小説です。
吉村 昭さんは、延命治療を拒否し、胸に埋め込んであるカテーテルポートを、自ら引き抜いて死への道を選びます。
壮絶な死を遂げた夫と、残された妻としての気持ち。
作家として、書く気力が萎えた、と言います。
気力を振り絞った、作家・津村節子さん(83才)渾身の作品と言えます。
朝日新聞・天声人語でも取り上げてましたが、私もこの幼い姉妹の歌が、気になってました。
松田梨子(りこさん・13才)と、わこさん(10才)姉妹です。
あの難関とされる朝日歌壇に、掲載作が30首を越えました。
今すぐに大人になりたい妹と さなぎのままでいたい私と (姉)
走るのがおそい私は泳ぐのが 苦手な魚と話してみたい (妹)
妹は新しいフーツ欲しくって 勉強をするお手伝いをする (姉)
新しいブーツで行ったコンサート きちんと足をそろえて聞いた (妹)
ガイドブックとおんなじ抹茶パフェがきて 京都を食べた上から順に (妹)
この時でなければ詠めない歌、大人にはまねのできない感性があります。
月曜日、朝の楽しみです。 (朝日歌壇は毎週月曜日・朝刊掲載)
関西大学・後期講座のプログラムの中で、これは期待していた授業でした。
「通訳・翻訳の世界」コースの「短歌の英語翻訳~与謝野晶子と俵万智~」石原敏子・外国語学部教授の時間です。
女性として家庭を捨て、鉄幹との恋に生き、自分を表現した与謝野晶子。
「くろ髪の千すぢの髪のみだれ髪 かつおもいみだれおもいみだるる」
このみだれる、が3回も繰り返されるリズム感をどう英訳するのか。
1987年の「サラダ記念日」で短歌を身近なものにしてくれて、自らシングルマザーの道を歩む俵万智。
「男ではなくて大人の返事する 君にチョコレート革命起こす」
男としての返事をしない相手に、苦くて甘い革命を起こすという、女の気持ちをどう英訳するのか。
期待してた以上に、石原先生の講義は面白く、解りやすい解説に、改めてクリエイティブな翻訳の世界を楽しみました。
機会があればもっと石原先生の授業を受けたい、石原先生の授業を受ける学生さんが羨ましい、そう思うほどの充実した90分でした。
左:俵万智さんの短歌に、安野光雅さんの切り絵 中と右: 石原先生と講義が終わっても、先生のまわりに集まって質問する受講生でした。
婚活より「終活(シューカツ)」、身辺整理より「老前整理」、ウエディングより「エンディング」が身近な歳になりました。
そこで映画「エンディングノート」を見ました。 <ガーデンシティ梅田シネマ>
40年以上勤めた会社を67才で退職、第二の人生を歩もうとした矢先、末期ガンの宣告を受けます。
残された家族と自分を総括するために「エンディングノート」を実行していくというドキュメンタリーです。
死にゆく父を撮影し編集・監督した娘・砂田麻美さんのデビー作ですが、「死」という重いテーマをこれだけ涙と笑いで
包んで、1時間半でまとめるのは、娘だからできた事でしょう。
定年退職してまだ夫婦二人が元気なうちに、人生のエンディングについて話しあえればいいなぁと思います。
「死」をテーマにした、ドキュメンタリー映画を評価するのは失礼ですが、あえてするなら、文句なしの星☆☆☆みっつです。
3月11日の東日本大震災から7ヵ月になります。
朝日新聞の朝日歌壇から三首選びました。
「うつくしま」福島の里は いつ還る 育てし野菜 捨てつつ思う
「逃げる先どこにもねべ」と原発の 村人語る下北漁港
色もなく 汚染静かに 広がりぬ わら食(は)む牛にも 肉食(は)む人にも
10月11日現在 死亡15,822人 行方不明3,923人
気持ちだけは、いつまでも被災地によりそっていたいと思います。これから寒くなるのが、気がかりです。
あまり植物や花には興味がないのですが、万博公園のコスモスを見に行きました。(コスモスフェスタ ~11/3日)
お天気も良くて、アマチュアカメラマンやカップル、家族連れでいっぱいです。
ビールやおつまみ、お弁当を売るお店も出ています。
こんなきれいなお花畑で、ゴローンしてビールを飲むと、眠たくなっていい気持ちです。
山口百恵さんの「秋桜(コスモス)」が聞こえてきそうです。
公開された1979年、リアルタイムで見た「太陽を盗んだ男」を、32年ぶりにスクリーンで見ました。<九条・シネヌーヴォ>
冴えない理科の高校教師・沢田研二さんが、プルトニウムを盗んで原爆を作り、国家を脅すという、荒唐無稽な映画です。
要求は「野球のナイター中継を試合終了まですること」(当時は試合中でも、一方的にPM9:00で中継終了でした)
捕まえる警察側が、菅原 文太さん。他に水谷 豊さん、やせてる頃の西田 敏行さんも、ちらっと出てます。
この映画はヒットし、評価も高く、今でも熱狂的なファンも多いと聞きますが、私は当時も今回もイマイチ、のれませんでした。
前半の原爆を作るまではリアリティがあっていいのですが、後半の追っかけは雑な展開で、退屈です。
上映時間147分は長すぎます。もっとはしょって120-130分までに収めるべきでしよう。星☆☆ふたつです。
長谷川 和彦監督はデビュー作「青春の殺人者」でキネマ旬報ベストテン第1位、2作目の本作が1979年同、 第2位という快挙を遂げます。
しかし、なぜか、この作品以降、今日まで新作を発表することはありません。
朝日新聞でも取り上げてましたが、JR新大阪駅の新幹線構内に大阪のうどん、粉もん、揚げもんの
B級グルメコーナーがオープンしました。
出張や旅行の帰り、カウンターに座って、ちょっとここで串カツでビール、お好み焼きでまたビールができます。
串カツ、お好み焼き、うどん、カレーなど大阪の下町の人気店ばかりです。
中: 十三ねぎ焼きのやまもと 右: 新世界だるまと言えば、串カツです。
新大阪まで帰って来たら、寄り道せんと、はよ帰っといで、と言われそうです。
「智恵子は東京に空が無いといふ ほんとの空が見たいといふ」という書き出しで始まる
高村光太郎の詩集「智恵子抄」の映画化作品 「智恵子抄」を見ました。(1967年 中村 登 監督作品)
高村 光太郎・丹波 哲郎さん、智恵子・岩下 志麻さんです。
なんと言っても、少しずつ精神に支障をきたしていく智恵子を演じる、岩下志麻さんの鬼気せまる演技が見ものです
映画のラストで、智恵子の「切り絵作品」が紹介されます。
先日、切り絵の作品展を見ましたが、智恵子の作品はその繊細さ、完成度の高さに圧倒される思いです。
福島県・安達太良山(あたたらやま)の美しいロケーションと、岩下 志麻さんの狂気に、星☆☆☆みっつです。
四国香川県、JR丸亀駅のすぐ近くに、骨付き鳥専門店・一鶴(いっかく)があります。
自慢は、骨付きのまま焼く「おやどり(焼き)」と「ひなどり(焼き)」。
「おやどり」は、かみしめるたびに、旨みのひろがる通好みの味、
「ひなどり」は柔らかくジューシーで、定番の味、どちらもビールに良くあいます。
骨付き鳥をハグ、生ビールをゴク、ハク゜ハク゜でゴクゴク、ハグハグハグのゴクゴクゴクリです。
いやぁ、これはたまりません、と言うか、止まりません。
かたまりで出ますが、食べやすくカットしてもらいました。サービスのキャベツをタレにつけるとまた旨い。味のしみた鳥めしで、シメです。
昭和の近・現代史の参考になるかと思い「昭和天皇伝」を読んでます。 (伊藤 之雄いとうゆきお・文藝春秋 2,190円)
まったく偶然ですが、朝日新聞にも「昭和天皇の実像 分厚く迫る・生誕110年 書籍次々出版」と昭和天皇に関する
本が出てる、と特集記事になってます。(10/3日付け)
この「昭和天皇伝」も、この記事の中で紹介されています。
「分厚く迫る」というだけあって、かなりボリュームのある本で、読みごたえがあります。
秋の夜長をお酒でもいただきながら、「昭和」という時代をふりかえるのもいいでしょう。
兵庫県淡路島にある本福寺・水御堂へ行ってきました。
安藤忠雄さん設計のお寺で、以前、家族三人で見学に来たことがあり、今回は二回目の訪問です。
水御堂は安藤建築の特徴であるコンクリート打ちっぱなしで上部には水が貯められ、蓮池になってます。
お寺らしくない設計に、檀家衆からの反対意見もあったようですが、今では海外からも見学者が訪れます。
左: 高い壁は俗界と聖界の境界と言われます。中に入ると楕円形の大きな蓮池があります。 右: 蓮池の真ん中に本堂への階段があります。
本堂の内部は撮影禁止で、お見せできないのが残念です。
本堂は朱塗りの壁に囲まれ、ご本尊・薬師如来像がまつられています。
薬師如来は東を向き、背後は西方にあたり、夕方には西日が入り、本堂を真っ赤に染めて極楽浄土を表します。
さて、見学の後はおいしいものをいただきましょう。 淡路島と言えば目の前は青い海、海と言えば海鮮丼です。
明石の鯛がぷりぷり、生シラスがねっとり、いくらがプツプツ、生ビールをグビグビ、これはたまりませんね。
ぷりぷりの、ねっとりの、プツプツで、グビグビです。ああ、今日もいい一日でした。
少し、というより、かなりマイナーな映画「極道めし」を見ました。
キャッチフレーズは「忘れられないメシがある、忘れられない人がいる」です。
刑務所の雑居房を舞台に、受刑者が「今まで一番うまかった自慢のメシと、思い出を語る」映画です。
「捕まる前、母親が作ってくれた、たきたてのご飯に卵をかけた黄金メシ」とか、ひとりひとりの回想に、人生が浮かびます。
原作は「漫画アクション」の連載マンガで、見たことのある俳優さんは麿 赤児さん、勝村 政信さんくらいで、主役は誰?
と聞かれたら、「雑居房」と答えそうです。
それが面白く仕上がってるのは、監督・脚本の前田 哲の力でしょう。
下ネタで笑いを取る場面がなければ、☆ひとつふやしてもいいのですが、残念。星☆☆ふたつです。
さて、あなたにとって「忘れられないメシ」とは……。
生涯学習吹田市民大学・関西大学講座の後期講座が始まりました。
木曜日、金曜日の午前、午後、計4コースあります。
外国語学部教授・染谷先生から教えていただく、「通訳・翻訳の世界」では、ニュールンベルグ裁判(ドイツ 1945-1946年)で
同時通訳が採用され、一般に知られたのは、1969年のアポロ11号の月面着陸の実況中継だ、という話しがありました。
そういえば、TVニュースのザーザーという雑音のなかで 「こちらヒューストン」 「すべて順調です」 とか、くり返し言ってました。
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である(That's one small step f0r a man,
one giant leap for mankiind.)」 という同時通訳、名セリフは、今も印象に残っています。
今ではトレーニングを積めば学生さんでも同時通訳はできるそうで、先生の授業風景を映像と音声付きで見せてくれました。
いやぁ、面白い授業で90分が、あっと言う間に過ぎてしまいました。
どの先生がたも、難しい内容を解りやすく説明していただき、話術も巧みです。今の学生さんが羨ましく、思いました。