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文屋

文にまつわるお話。詩・小説・エッセイ・俳句・コピーライティングまで。そして音楽や映画のことも。京都から発信。

伊東静雄

2005年01月28日 22時15分12秒 | 
伊東静雄っていう男は、戦前。戦後に書いた詩人なんだけど
とてもまいってしまう。そのかっこよさに。
べつに詩人というのは、書きながら生きていても死んでいてもどちらでもいいのだけれど
彼は、生きているのか死んでいるのかわからない。
生きながら、死したる諦念をくぐりぬけて、ある大仰で書いている。
戦中という状況を考えたとき、この大仰はよくわかる。
でも彼の大仰は、たとえば翼賛運動なども超え出でたなにかがあると思う。
男の諦念など、誰がわかるものかというような
侠気がそこにあるし、
当然、そんな侠気を語った人などはいない。
友、蓮田善明の自刃を嘆いたその心の陰に
ぼくは、死んでも良いという伊東がいたように思う。

人は、詩によりて、生きる必要などこれっぽっちもないと。