TREK&RIDE

山と自転車!

滑りもスキ

2010-05-18 | 山スキー
先日の白馬鑓の写真をホッシーさんに頂戴しました。
普段自分の滑ってる姿を写真で見ることが少ないのでとっても嬉しい。
(動画はいつも撮ってもらうんだけど…動画だとヘタクソな姿を直視しないといけないもんでショックがデカい…写真の方がええとこ撮りで救われるカモ)





ま、写真で見てみても悪いところばっかなのでありまして。
外向、後ろ乗り、一本足加重、ストック操作のマズさ、外足の遅れ…
今シーズン課題にしてたところが何一つ克服できていない。

とはいえ、そういう所を意識するようになっただけでも今シーズンの成果か。

そう。今まで滑りはそれほどウェイトが高くなく、どっちかというと登り系?
登りと滑りとどっちか、と言われると正直7:3くらいで登りを楽しんでいた気がする。
そう。登りながら景色を見て、鳥のさえずり聞いて、自然の造形美に感嘆して、写真撮って…ってので十分楽しかったのでありますが…

今シーズンはコロッと8:2くらいで滑りが面白くなっちまった。

ここ数年ゲレンデに行くこともあまりなかったが、今年はスキー場にも数回通った。
初めてスキースクールにも入った。
そして上手い人にみっちり稽古をつけてもらった。
でも…ずっと我流で滑ってきたし、運動センスも無いもんだから、なかなか上達しないわけ。
そんな自分が情けないやら腹立たしいやら…いわゆる挫折ってのも感じながらの今期だったわけですが。

白馬鑓で師匠に、ちったぁ~うまくなった、というようなことを言っていただいたので、これは正直嬉しかったのであります。
山スキーシーズンもそろそろお別れ(そろそろ自転車も始めんと再来週の富士クラかなりヤバい)ですが、来シーズンはもっと「スキーは楽しい」と思えるようになりたいなぁ~。

そう。登っても滑っても素晴らしい自然の中で「やっぱ山スキーは最高だぜぃ」と思えるようになりたい。

白馬鑓と鑓温泉/山スキー

2010-05-17 | 山スキー
2010年5月16日 白馬鑓ヶ岳

2時40分起床。コンビニでカップラーメン食べてから猿倉へ移動。
今日はホッシー師匠とakemiさんの3人で鑓温泉まったりツアー。

4時10分に猿倉をスタート。今年は藪が無くって快適ですね。
鑓温泉ツアーはシーズン最後の板納会…のようなもの。
ゆっくりのんびり歩きます。
小日向のコルから下部一帯もびっしり雪が繋がっていたのに今日もびっくり。快適快適です。



途中から信州側上空に雲が出て、日差しが遮られ寒くなる。これでは雪が緩まない。
ちょうど滑りだす頃に緩むことを期待してカチンコチン斜面をシールで上がる。

稜線に上がる頃に再び太陽が照りはじめ、雪も緩んできた。
10時40分。山頂。
今日もすばらしい360°の大展望。


ここから眺める白馬岳、杓子岳の姿はやっぱかっこいっすね。

山頂から東側には中央ルンゼ…なんかドMな沢というイメージだったが上部から覗く分には面白そうなところで「行ってみたい」という気にさせた。



今日は降雪のおかげでコンディションは良さそう。行くなら今日!という感じだったが、GUNちゃんを痛めつけるのは躊躇われる…アトミックなら?

ホッシー隊長が山頂からの滑り込みだけ行ってみるか?と言ってくれたのでワンターンだけ中央ルンゼプチ体験。
その後は温泉向かって大斜面を楽しませてもらう。
久しぶりにご一緒させていただいた☆師匠の滑りは相変わらずプロ級。
そんな師匠に滑りのアドバイスを授かりながら鑓温泉に到着する。


温泉に向かって

鑓温泉は大賑わい。
お湯がめちゃくちゃ熱いのを、先に入浴中のグループの方が雪を投げ入れて適温にしてくださる。
いつしか天気は快晴。眺望絶佳、お湯最高。
やっぱここ最高すね~。

相当長い時間風呂に浸かってサッパリ気持ちよくなって下山へ。
極楽に浸っている間に雪はどんどん悪雪に…何度か派手に転んで小日向のコルへ登り返す。
前回はヤブヤブで苦労した猿倉への尾根も今日は全面滑走可能で15時00分無事下山。

今シーズンも楽しい温泉ツアーありがとうございました。
これで気分良く板を…っという季節ではありますが。
今年はまだまだ滑れそうですね。

杓子沢/山スキー

2010-05-17 | 山スキー
2010年5月15日 杓子沢

白馬大雪渓を登って清水谷を滑り、登り返して杓子沢、長走沢を繋いで滑る。
土曜日はそんな計画で行くつもりだったが…

やっぱ白馬は遠いっす。金曜深夜梓川SAで撃沈、猿倉着いたら6時まわってた…
諦めムードで6時40分猿倉スタート。林道は駐車場横から雪が繋がっていた。
今年は残雪が多いようで、驚いたことに金山沢もまだ完全に雪に埋まっていた。

この日天気快晴で気温がグングン上がる。何も考えずに冬用厚手アンダーを着てきたもんだから暑くて仕方ない。汗だくだく。
しかし、前日までの降雪で上部は真っ白冬景色。この気温上昇で雪が緩み始めると杓子沢は落石がいやらしいだろうから、先を急ぐ必要がある。
清水谷に行っていたら杓子沢通過が遅くなるので今回はパス。
とにかく稜線まで急ごう…でも暑くてスピード出ない…


大雪渓も雪の状態がすこぶる良い。ここをビューっと滑降するのもよかったかも。

9時20分。稜線。まるでGW前半頃の景色。場所によって10cmくらいの新雪ありで歩きやすい。
杓子の山腹もスキー脱がずにシールでトラバースできた。


清水谷はまたこんど…こんな雪が豊富な機会に行っておくべきだったけどまたこんど…

杓子沢への滑り込みは白馬鑓山頂からも素敵なようだが、ガリガリの様子。
岩場も多くて転倒すると怪我しそう。今日は単独なので慎重に行動すべし、滑りだしは杓子沢のコルとする。



10時10分。コルから滑走開始。
杓子沢のエントリーは緩やかに。
その後も斜度はきつくなく安心して滑って行ける。
新雪があるのは良いのだけれど、既に緩み始めてストップ雪に。
今日は杓子沢の落石帯を予想してアトミックの板に変えてきたが、細身の板ゆえに悪雪に操作が難しい。
小さめのターンで下りてゆく。
2,250mまで滑ったところで杓子沢の滑走は終了、双子尾根のコル方向へトラバースする。



落石だらけの沢という心配をしていたがこの日の杓子沢は石はほとんどなくて非常に綺麗な雪面だった。
しかし10時を回って上部の岩場の融雪が始まり、頻繁にガランゴロンと落石が発生している。
双子尾根方面へのトラバース進路上は杓子岳からのデロデロデブリがあって、ここもさっさと通過したほうが良い。
中規模の湿雪雪崩がドーッと目の前を通過する。長居は無用、尾根へと急ぐ。

双子尾根のコルへのトラバースが済むと一安心。
あとは長走沢を滑り下りて猿倉へ。


長走沢も雪が良ければビューっとイケる

滑っていると、どこかから声をかけられた。応えようと斜面を探してみたけど探せませんでした…ごめんなさい。
下部はザクザク雪と雨溝でちょっと大変だが、豊富な雪のおかげで楽ちんで猿倉に無事下山。
11時20分。あっけなく杓子沢終了の感。

時間ができたので倉下の湯に入ってから松本のブンリンさんまで走る。
直付けスキーアイゼンを買いたかったのだけれど…ディアミールはシャフトが邪魔をして装着にひと工夫必要とのことで今回は購入見合わせ。

白馬に戻って晩飯いただいて、独りささやかな宴会…してたら寝袋にビールをぶちまけた…
奮発して買ったプレミアムモルツを半分飲まれちまって就寝。

黒部五郎岳・薬師岳/山スキー

2010-05-11 | 山スキー
2010年5月8日~9日 黒部五郎岳・薬師岳

GWが終わってシーズンの終わりが見えてきた…
でも、この時期が天気は安定し日も長く、体力的にも一番動ける時。
黒五日帰りも考えてみたけど、ただ往復するだけで楽しそうではないので、ここは山中一泊。薬師もセットで残雪期の北アをゆっくり楽しむことにした。
結果は…

1日目 黒部五郎岳
出発が遅れて深夜ひるがので撃沈。和佐府の林道には6時に到着。倒木のため飛越トンネルの手前で駐車。
6時40分飛越トンネル。出だし雪は殆どなく夏道を行く。その後も雪汚くツボ足で仙人坂でようやくシールに切り替えた。



北ノ俣避難小屋に宿泊道具をデポしてから北ノ俣岳山頂へ。
ここからシールを外して大トラバース。黒五の斜面は一気に直登して山頂へ。飛越トンネルから6時間の道程だった。



GWには賑わったであろう黒五の山頂も今日はひっそり。黒五の登りに差し掛かった時に先行者の姿を見たが、僕が山頂に立った時には既に三俣方面に滑って行ったあとのようだった。

さて、まずはカールでも滑ってみようか。山頂は凄い雪庇が発達しているので少し南側のポイントから谷を覗きこむが…
イマイチ小さい。雪も固くて滑っても楽しそうではないのでパス。



この日は気温が低かった。前日は雨だったのだろう、GW中のグサグサ雪とは一転、ガチンガチンに締まったアイス。
既に13時だが一向に雪は緩まない。南面はどうだろうかと山頂から下ってゆくと…
そこには2つの大斜面が広がっていた。特に向かって右手はドデカいボウル状の谷。
うひょ~な斜面。これは行くしかないでしょう。
滑りだしは緩~い斜面だが、落ち込みから先は適度や斜度がずーっと続く。
標高差500m。ズドーンと滑ります。低温のおかげで南面なのに下部まで快適ザラメ。
不意に出合えた素晴らしい斜面に独り興奮醒めやらない。



約600mを登り返して黒五山頂に到達したのは15時。
そろそろ避難小屋に向けて帰らないといけない。
当初の計画ではウマ沢に向かって滑り下りるつもりだったが時間が無い。朝2時間出発が遅れたのが悔やまれる…
山頂から北面をウマ沢上部まで滑ったところで諦めるしかない。
相変わらず山頂直下はガチガチアイス。それでも50mほど高度を下げると、雪質がザラメに変わった。
さぁ、ここからスピード上げて斜面を一気に滑り下りる。
極上ザラメに板が切り込んでゆく感じ、めちゃくちゃ気持ちいい。



斜度が緩んだところで滑走をやめて北ノ俣方向へ登り返し始める。
ここから延々登り基調のトラバース。北ノ俣が遠い遠い。

17時過ぎににようやく北ノ俣山頂。
北ノ俣から避難小屋までのバーンをかっ飛ばした。ここも快適ザラメで快適に滑り終えた。
小屋には2名パーティーさんが既に夕餉の時間。
僕も急いで食事を済ませて日没とともに寝袋に入った。

2日目 薬師岳
今日も長丁場なので未明から行動…したい。でも早すぎても薬師山頂がガチガチでは滑走できないので遅めの出発。
っていうか過ごした。朝食済ませて5時40分に避難小屋からハイク。
昨日の疲れか、体動かず。稜線まで1時間20分かかってしまう。







太郎山まで一気に滑走、太郎小屋でシールに変えて薬師岳までひと登り。
今日は風が強い。標高2,600mを越えると西風が猛烈になって体を持っていかれる。
薬師山頂が困難に思えてきた。
南峰直下も雪は繋がっていたが氷化。風て転倒したらスリップしそうなので夏道を歩く。
南峰の避難小屋跡で一旦休憩しながら考える。山頂まで行って今日の目的地、金作谷を滑ろうか、ここから中央カールだけ滑って帰ろうか…
でも、ここまで来たからには、とりあえず薬師山頂まで歩いて金作谷を覗くだけでもやっておこう。
薬師山頂までの稜線西側は雪が繋がっていないので担ぎ(雪庇注意だがカール側は繋がっていた)
歩き始めると風は然程気にならなかったが、岩が多いのを嫌ってアイゼンを装着しなかったため時折氷に足を取られて歩きづらい。
途中、足元の雷鳥カップルに暫し癒されて、山頂の祠へ。
祠の前で手を合わせて気持ちを落ち着かせる。
そして金作谷を覗きこむと…うひょ~、な斜面。あまり大きくないけど、斜度はDルンゼくらいでイケそう。決行!



ところが…ここは東面で既に雪も緩んでいると思われたが、突っ込んでみるとガチコチのアイスバーン。行けんことはないけど、これでは全然面白くない。
もうワンターンしてみるが、やはりガリンガリン。
こりゃだめ、止め!
ここでスキーを脱ぐわけにもいかず、そのまま山頂へ登り返す。残念でした。
で、隣の中央カールへ。
こちらも急斜面はガチガチで滑りにくそう。滑落注意のため北側の緩斜面からエントリーして滑った。



中央カールのど真ん中は、風もなく、音もなく。人影もない孤独な世界。
この下はどうなっているのだろう、とモレーンの先を少し下に下ってみると、黒部川に向かって斜面はまだまだ続いていた。
行ってみたいが…登り返すと2時間はかかる。今日も朝2時間の寝過ごしが悔やまれた。

カールの北側から登り返して南峰に到着し、次は薬師沢右俣の斜面を滑降。
ここは南面。時間も遅いので雪も緩んでいる感じ。最後にこの大斜面をいただきます。

しかし…滑り始めると、ここも固くて全然ダメダメ。
なんとか大回りで下ってゆこうとするがコントロールが難しい。



2,580mまで滑降したところで、これ以上滑っても無駄と考え、薬師峠方向へトラバースする。おかげで沢からの登り返しは省略できた。
薬師峠に下って、シール。ここから北ノ俣山頂までがまた遠い。
ダラダラ登って北ノ俣に着いた頃には、もうヘロヘロ。時間も無くなってきた。
足にも疲れがきているが避難小屋までの斜面をザザッと滑り下りる。ここだけは今日もホント気持ちよく滑れるゲレンデのようなところだった。

14時30分。小屋にデポしていた物を回収して下山へ。
飛越トンネルまでの長く悪い道程を思うと気が滅入る。
このところの高温で一気に雪解けが進んだのだろう、寺地山あたりは笹が出まくっていた。
小さなアップダウンが続いて登りと変わらないしんどさ。
仙人坂でスキーは終了、ここから担ぎで飛越トンネルまで、滅茶苦茶しんどい。
17時ちょうどに飛越トンネル。ここから駐車地点までまだ歩かないといけない。
車道歩きが足に堪える。もう限界、足の痛みに顔を歪めながら20分歩いて駐車地点に無事下山。

ザックを放り投げて車道に大の字になり目を閉じたまま。
暫くして目を開けて空を見たら、なんだか気持がスッキリした
体力ギリギリの限界山行でしたが、やり残し感ナシ。不思議と疲れもすぐ飛んでしまった。今日も無事、山を満喫できたことに感謝。

今回は山中1泊で黒五、薬師をゆっくり遊ぶ、そんなふうに考えたが…総延長53km実際は相当ハードな山行でした。

立山・剱/山スキー

2010-05-05 | 山スキー
2010年4月30日~5月3日 立山・剱

今年のGWは去年に続いて立山へ。
寒気が抜けるのを待つため1日出発を遅らせていざ出撃。

1日目 4月30日 入山
5時50分頃からチケット販売開始を待つ行列に並び7時10分の便をゲット。
連休中の天気予報は晴れマークが並ぶ。6日分の食糧でザックの重さは31kg。
まずは雷鳥沢のテン場に辿り着くまでが大変ですが…
室堂に着いてみると風雪舞う。こりゃ予想外。
午後からの天候回復を期待しつつ午前中はテント設営とブロック造りに費やした。
昼になっても晴れてはこないが、雪が止んだので大走り方向に出発する。
寒い。視界の悪い雪原を行く。小鳥も寒さで雪の中にうずくまっている。力尽きて雪の中に眠る命もある。

天気は一向に好転しない。標高2,470mまで上がったところで風が強くなったため行動中止。
今日はこれ以上動いても仕方なし、と一旦滑り始めるが、大日方面から雲が切れ始める。
これは…もう一度尾根を登り返す。が、やはり2,400を越えると風強し。
観念して下山。まだ明日があります。
ロッジ立山連峰の温泉に入って就寝(夜中じゅう風がテントを叩く音が騒がしく眠れず…)。

2日目 5月1日 立山川源頭を滑る
朝4時に目覚ましをかけたが、雪で視界不良。風も強い。
その後朝食だけ済ませて二度寝する。8時頃、隣の方の「晴れた」の声に飛び起きる。
ようやく寒気も抜けてくれたか。
出発が遅いので今日は立山川源頭あたりを滑って登り返すことにしよう。
室堂乗越方向に登り適当な斜面を探すと…ありました良いのが。

北面にたっぷり溜まったパウダー。5月とは思えない、ポンツーンでもよかったかもしれないが、初めてGUNでパウダーに飛び込んでみる。
GUNもなかなか調子良い。気持ちよく回れる板だ。
ただ一発目、かなりビビっていたようで、振り返るとターンが小さい。


続いて入ったkobaさんは素晴らしい大回り。僕の前を通過する時の風切り音がジェット機のようだった。



次はカガミ谷方向に登り返す予定だったが中腹あたりはデブリでウネウネして滑降不適。
大日の北東面に綺麗な斜面があったのでそっちを狙う。


10時を回って気温が上がり斜面からデロデロと雪が落ち始める。時折ドーッと雪崩が通過…
奥大日方向に向かって行くほど良さそうな斜面になる。
奥大日から北東に向かう谷を滑走地に決めてシールを剥がした瞬間。
突然斜面上部からデロデロと雪が落ち始める。
一点からコロコロと落ちた雪はやがて斜面の雪を次々と巻き込む。
導火線で繋がっているように、別のところからも横一列にデロデロが始まる。
あっという間に谷はデブリランドに…自分たちが居る場所も安全ではない。もう一つ奥の斜面はまだ落ちそうにないのでそっちへ移動。

標高2,320のボウルの中ほどからドロップ。上部はそこそこ良かったが、下部は表層が雪崩れる状態、その下は先程の谷から落ちてきたデブリ帯に合流する。



200m強を滑ったところで南側の尾根に登り返し、別の綺麗なバーンの上に出る。
ここも滑ろうと思った矢先、デロデロが始まる。急いで滑走。
やはり降雪直後の天候急回復。照りつける太陽と気温上昇で状況は良くない。
室堂乗越まで300mをさっさと登り返してしまおう。
乗越からひと滑りしてテントに帰着、16時。
晩飯食べて温泉入って就寝。

3日目 5月2日 剱岳長次郎谷
今回のメイン、長次郎谷。テン場から雷鳥坂を越えての長丁場になる。
長次郎谷の上部はどんなところか、自分の技量で太刀打ちできるか…
3時起床、4時出発。既に剱岳にアタックする登山者が先行している。





雷鳥坂の中腹で朝を迎える。遠く薬師岳が真っ白に輝いていた。

剱御前小舎まで2時間要す。小屋で休憩を入れてから、いよいよ剣沢滑降。



新雪が固く締まってややハードだが、気持が昂っている。
少々のラフな雪面にも「おりゃ~っ!」と、かっ飛ばす。
GUNの安定した滑りのおかげか。ATOMICの軽い板ならこんな滑りは出来んかったかも。
動画を取り合いながらあっという間に長次郎谷の出合。





今まで何度も横目に見てきた、あの美しい長次郎谷に入る。
期待と緊張。
はるか前方にスキーの方が一人。他に登山者あり。八ツ峰にはたくさんの登山者が取りつく姿、凄い…
広くて斜度も適度な谷は登りやすい。熊岩まではゆっくり上がっていたが…後ろから多く上がってきたのでここから一気にアタック。
コルまでも斜度はきつくない。雪の状態が良いので意外にも直登で登れる程度の斜度。
想像していたキツイ斜面ではなかった。
標高2,880mのコルに到達したのは9時33分。稜線は風が強いため長次郎谷側に少し下って待機する。
天気はすこぶる良くて後立山が目の前に。それにしてもGWとは思えない、半月ほど季節が遅れているような景色。おかげで長次郎谷の雪の状態も良い。これは滑走が楽しみだ。



10時20分。飯でも食ってから滑ろうか、とパンをかじりながら斜面を見ていると突然デロデロが始まった。
ヤバイ!これが始まると5分も経たないうちに斜面は全滅してしまう。すぐに行くしかない。
ヤバいヤバいと口の中のアンパンをモゴモゴさせながら板を履いてゴックンしたら滑降。
50分の間に雪の状態は変化していた。
雪は湿って重い。焦って滑り始めたもんだから、滑りは滅茶苦茶…板ブッ刺さって派手に前転した。
危ないな…雪崩起こしたらえらいことだ。潜った板を掘り起こして滑りなおす。
続いてkobaさん、どんな雪でも安定して滑る、やっぱ素晴らしい。

熊岩を上部から左手にトラバースして八ツ峰直下へ。
登山者がロープで下降している姿を見上げながら、大斜面を滑降。
このスケールはやはり…ちょっと他では味わえない。



熊岩下で一息いれて腹ごしらえ。
下部は剱沢出合までデブリ気味で面白くなかった。

剱沢から御前小屋までは800mの登り返し。ちょいと疲れたか4時間。
最後は雷鳥沢を500m滑降。既に荒れ放題の斜面だが、やはりこの斜面は滑り応えがある。
長次郎谷が雪の状態が悪くて滑りは期待外れだったため、この日は雷鳥沢が一番ガッツリ滑れた感じ…
16時00分テン場に無事帰着。累積2,200mお疲れさんです。
飯食って温泉入って、この日はビールで乾杯して就寝。

4日目 5月3日 剱御前で遊ぶ
晴れの日が2日続いており、どの斜面も既に滑り尽くされている。
前日剱沢を登り返す時に剱御前にノートラックの斜面が保存されているのを確認していた。
昨日の疲れもある。今日はのんびりと剱沢上部を滑って過ごそう。
雪が緩む時間を計って5時40分と遅めの出発。7時40分に剱御前小舎。

休憩して剱御前方向に出発しようとした時にFさんにお会いする。剱岳周回のため馬場島から立山川を登ってきたところだとか。前日は自転車で薬師というから凄すぎ…
剱御前に向かって登りながらお二人が剱沢に向かって滑り込むのを見送る。



剱御前の北方ピークにはのんびりと9時過ぎに到着。
ちょうど雪が緩んだ頃。なかなかの斜度、これは何杯もイケそうだ。
まずは1本目。東斜面へ。
上部は急傾斜、ちょっとビビってターンが小せぇ。こりゃイカン。



登り返して2本目は北東斜面。
滑り始めようとする瞬間、デロデロが始まった。魔の10時…
斜面はあれてしまったがまだ滑れる、大急ぎでドロップ。これまた急いだためにイマイチ。



登り返して最後の3本目は北面。
ここは昨年も滑った斜面。結構な斜度でおっかないバーンだ。
去年はシャラシャラのザラメだったが今年は新雪が残っている。
斜度はそれほど気にならなくなっている…不思議。
斜面がきついのでスピードが結構出る。そのためか?大回りのターンができた…



3本いただいて終了。御前小舎方向へ引き返す。
今日も最後は雷鳥沢。ちょいと暴走気味で終了。

さて…入山して4日。もう十分滑りました?はい滑りました。
めぼしい斜面も残ってないので…下山決定テント撤収。
食糧が大量に残って、来る時とあまり変わらぬ重いザック。
200円払ってTバーを使っちゃう(これが無ければ17時00にターミナルには着けなかったです…)
美女平行きが長蛇の列で2時間待ちを宣告されたが、17時に立山駅行き直行便が臨時運行されてラクラク下山。
激重装備の時にこれは大助かりだった。

下山後に温泉入ったらヘロヘロ、そうお腹がペコペコなんです。
富山の街行って旨いもん食おう、ということになったが連休中で車を停める所もない…
残念だが郊外の店に移動して食事。物足りないのですき家に移動して2回戦。
北陸道で一泊してから帰宅した。

連休中好天はまだまだ続くが…十分楽しませていただきました。
帰宅してからはのんびり後片付けして身体を休める。
体脂肪を計ったら…初めて10%を切っちまった。
4日間よく動いてよく滑った、内容の濃い黄金週間でした。