TREK&RIDE

山と自転車!

立山・剱/山スキー

2010-05-05 | 山スキー
2010年4月30日~5月3日 立山・剱

今年のGWは去年に続いて立山へ。
寒気が抜けるのを待つため1日出発を遅らせていざ出撃。

1日目 4月30日 入山
5時50分頃からチケット販売開始を待つ行列に並び7時10分の便をゲット。
連休中の天気予報は晴れマークが並ぶ。6日分の食糧でザックの重さは31kg。
まずは雷鳥沢のテン場に辿り着くまでが大変ですが…
室堂に着いてみると風雪舞う。こりゃ予想外。
午後からの天候回復を期待しつつ午前中はテント設営とブロック造りに費やした。
昼になっても晴れてはこないが、雪が止んだので大走り方向に出発する。
寒い。視界の悪い雪原を行く。小鳥も寒さで雪の中にうずくまっている。力尽きて雪の中に眠る命もある。

天気は一向に好転しない。標高2,470mまで上がったところで風が強くなったため行動中止。
今日はこれ以上動いても仕方なし、と一旦滑り始めるが、大日方面から雲が切れ始める。
これは…もう一度尾根を登り返す。が、やはり2,400を越えると風強し。
観念して下山。まだ明日があります。
ロッジ立山連峰の温泉に入って就寝(夜中じゅう風がテントを叩く音が騒がしく眠れず…)。

2日目 5月1日 立山川源頭を滑る
朝4時に目覚ましをかけたが、雪で視界不良。風も強い。
その後朝食だけ済ませて二度寝する。8時頃、隣の方の「晴れた」の声に飛び起きる。
ようやく寒気も抜けてくれたか。
出発が遅いので今日は立山川源頭あたりを滑って登り返すことにしよう。
室堂乗越方向に登り適当な斜面を探すと…ありました良いのが。

北面にたっぷり溜まったパウダー。5月とは思えない、ポンツーンでもよかったかもしれないが、初めてGUNでパウダーに飛び込んでみる。
GUNもなかなか調子良い。気持ちよく回れる板だ。
ただ一発目、かなりビビっていたようで、振り返るとターンが小さい。


続いて入ったkobaさんは素晴らしい大回り。僕の前を通過する時の風切り音がジェット機のようだった。



次はカガミ谷方向に登り返す予定だったが中腹あたりはデブリでウネウネして滑降不適。
大日の北東面に綺麗な斜面があったのでそっちを狙う。


10時を回って気温が上がり斜面からデロデロと雪が落ち始める。時折ドーッと雪崩が通過…
奥大日方向に向かって行くほど良さそうな斜面になる。
奥大日から北東に向かう谷を滑走地に決めてシールを剥がした瞬間。
突然斜面上部からデロデロと雪が落ち始める。
一点からコロコロと落ちた雪はやがて斜面の雪を次々と巻き込む。
導火線で繋がっているように、別のところからも横一列にデロデロが始まる。
あっという間に谷はデブリランドに…自分たちが居る場所も安全ではない。もう一つ奥の斜面はまだ落ちそうにないのでそっちへ移動。

標高2,320のボウルの中ほどからドロップ。上部はそこそこ良かったが、下部は表層が雪崩れる状態、その下は先程の谷から落ちてきたデブリ帯に合流する。



200m強を滑ったところで南側の尾根に登り返し、別の綺麗なバーンの上に出る。
ここも滑ろうと思った矢先、デロデロが始まる。急いで滑走。
やはり降雪直後の天候急回復。照りつける太陽と気温上昇で状況は良くない。
室堂乗越まで300mをさっさと登り返してしまおう。
乗越からひと滑りしてテントに帰着、16時。
晩飯食べて温泉入って就寝。

3日目 5月2日 剱岳長次郎谷
今回のメイン、長次郎谷。テン場から雷鳥坂を越えての長丁場になる。
長次郎谷の上部はどんなところか、自分の技量で太刀打ちできるか…
3時起床、4時出発。既に剱岳にアタックする登山者が先行している。





雷鳥坂の中腹で朝を迎える。遠く薬師岳が真っ白に輝いていた。

剱御前小舎まで2時間要す。小屋で休憩を入れてから、いよいよ剣沢滑降。



新雪が固く締まってややハードだが、気持が昂っている。
少々のラフな雪面にも「おりゃ~っ!」と、かっ飛ばす。
GUNの安定した滑りのおかげか。ATOMICの軽い板ならこんな滑りは出来んかったかも。
動画を取り合いながらあっという間に長次郎谷の出合。





今まで何度も横目に見てきた、あの美しい長次郎谷に入る。
期待と緊張。
はるか前方にスキーの方が一人。他に登山者あり。八ツ峰にはたくさんの登山者が取りつく姿、凄い…
広くて斜度も適度な谷は登りやすい。熊岩まではゆっくり上がっていたが…後ろから多く上がってきたのでここから一気にアタック。
コルまでも斜度はきつくない。雪の状態が良いので意外にも直登で登れる程度の斜度。
想像していたキツイ斜面ではなかった。
標高2,880mのコルに到達したのは9時33分。稜線は風が強いため長次郎谷側に少し下って待機する。
天気はすこぶる良くて後立山が目の前に。それにしてもGWとは思えない、半月ほど季節が遅れているような景色。おかげで長次郎谷の雪の状態も良い。これは滑走が楽しみだ。



10時20分。飯でも食ってから滑ろうか、とパンをかじりながら斜面を見ていると突然デロデロが始まった。
ヤバイ!これが始まると5分も経たないうちに斜面は全滅してしまう。すぐに行くしかない。
ヤバいヤバいと口の中のアンパンをモゴモゴさせながら板を履いてゴックンしたら滑降。
50分の間に雪の状態は変化していた。
雪は湿って重い。焦って滑り始めたもんだから、滑りは滅茶苦茶…板ブッ刺さって派手に前転した。
危ないな…雪崩起こしたらえらいことだ。潜った板を掘り起こして滑りなおす。
続いてkobaさん、どんな雪でも安定して滑る、やっぱ素晴らしい。

熊岩を上部から左手にトラバースして八ツ峰直下へ。
登山者がロープで下降している姿を見上げながら、大斜面を滑降。
このスケールはやはり…ちょっと他では味わえない。



熊岩下で一息いれて腹ごしらえ。
下部は剱沢出合までデブリ気味で面白くなかった。

剱沢から御前小屋までは800mの登り返し。ちょいと疲れたか4時間。
最後は雷鳥沢を500m滑降。既に荒れ放題の斜面だが、やはりこの斜面は滑り応えがある。
長次郎谷が雪の状態が悪くて滑りは期待外れだったため、この日は雷鳥沢が一番ガッツリ滑れた感じ…
16時00分テン場に無事帰着。累積2,200mお疲れさんです。
飯食って温泉入って、この日はビールで乾杯して就寝。

4日目 5月3日 剱御前で遊ぶ
晴れの日が2日続いており、どの斜面も既に滑り尽くされている。
前日剱沢を登り返す時に剱御前にノートラックの斜面が保存されているのを確認していた。
昨日の疲れもある。今日はのんびりと剱沢上部を滑って過ごそう。
雪が緩む時間を計って5時40分と遅めの出発。7時40分に剱御前小舎。

休憩して剱御前方向に出発しようとした時にFさんにお会いする。剱岳周回のため馬場島から立山川を登ってきたところだとか。前日は自転車で薬師というから凄すぎ…
剱御前に向かって登りながらお二人が剱沢に向かって滑り込むのを見送る。



剱御前の北方ピークにはのんびりと9時過ぎに到着。
ちょうど雪が緩んだ頃。なかなかの斜度、これは何杯もイケそうだ。
まずは1本目。東斜面へ。
上部は急傾斜、ちょっとビビってターンが小せぇ。こりゃイカン。



登り返して2本目は北東斜面。
滑り始めようとする瞬間、デロデロが始まった。魔の10時…
斜面はあれてしまったがまだ滑れる、大急ぎでドロップ。これまた急いだためにイマイチ。



登り返して最後の3本目は北面。
ここは昨年も滑った斜面。結構な斜度でおっかないバーンだ。
去年はシャラシャラのザラメだったが今年は新雪が残っている。
斜度はそれほど気にならなくなっている…不思議。
斜面がきついのでスピードが結構出る。そのためか?大回りのターンができた…



3本いただいて終了。御前小舎方向へ引き返す。
今日も最後は雷鳥沢。ちょいと暴走気味で終了。

さて…入山して4日。もう十分滑りました?はい滑りました。
めぼしい斜面も残ってないので…下山決定テント撤収。
食糧が大量に残って、来る時とあまり変わらぬ重いザック。
200円払ってTバーを使っちゃう(これが無ければ17時00にターミナルには着けなかったです…)
美女平行きが長蛇の列で2時間待ちを宣告されたが、17時に立山駅行き直行便が臨時運行されてラクラク下山。
激重装備の時にこれは大助かりだった。

下山後に温泉入ったらヘロヘロ、そうお腹がペコペコなんです。
富山の街行って旨いもん食おう、ということになったが連休中で車を停める所もない…
残念だが郊外の店に移動して食事。物足りないのですき家に移動して2回戦。
北陸道で一泊してから帰宅した。

連休中好天はまだまだ続くが…十分楽しませていただきました。
帰宅してからはのんびり後片付けして身体を休める。
体脂肪を計ったら…初めて10%を切っちまった。
4日間よく動いてよく滑った、内容の濃い黄金週間でした。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
羨ましすぎる (ヒデ)
2010-05-06 23:19:18
なんて素晴らしい4日間なんでしょ
僕も連休が欲しいよ~

まさに立山を滑り尽くした感じですね。

ところで、真砂岳から内蔵助谷は滑ったことありますか?
返信する
Unknown (bun)
2010-05-07 19:47:04
ヒデさん、こんばんは。
山籠りできることを有難いと思わなければなりませんね。おかげで日焼けしすぎて…顔がボロボロです。

内蔵助谷はまだ滑ったことがありません。地図を見るとかなり大きなカールのようで行ってみたい場所です。ヒデさんお勧めの谷なのでしょうか?
返信する
Unknown (ヒデ)
2010-05-08 21:57:02
僕もボロボロになってみたい。

僕も行ったことが無いんですよ!
もしかしたらbunさんだったら行った事があるかなと思って…。

やっぱ、日帰りでは難しいコースなのかな…。
返信する
Unknown (bun)
2010-05-10 07:31:32
ヒデさん、おはようございます。
日帰りだとあまり無理できないですね。上部は良さそうな谷なので日帰り作戦成功のレポ楽しみにしてます。

この週末は時間の許す限り行動してきました、そろそろ板納め。その前に体もボロボロになりました…
返信する

コメントを投稿