札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

札幌の建築探訪 中央区④

2021-01-24 00:00:57 | 札幌市中央区

*写真は「真宗大谷派札幌別院本堂」

 

 

 

㊲「三浦印刷」 旧三浦仁朗宅  

 

所在地 中央区南9条西6丁目

建築年 昭和25年(1950)年

指定等 

開館時 会社のため無し    

休館日 会社のため無し

入館料 会社のため無し

 

9条通り(菊水・旭山公園線)を車でよく走るんですが、以前から変わった会社だなぁと思って見ていた

石造りの蔵や倉庫はいくつも見たが、これだけ大きな会社としては見たことが無かったと思う。

 

気にして見ると石造りは正面と壁面の一部だけかと

 

あれ?でもよく見たら石を青色に塗っている?

石に見えるけど違うかな?

 

あ、こちらの東側は普通の工場なんだ どういう建物なんだろう……

旧名があったので元々三浦さんの住宅兼務だったかも

 

この時はかなりの件数を見て廻ったので、じっくりと見ていなかったようだ

機会があればゆっくり拝見して来ます。

 

2020年8月撮影

 

 

 

 

㊳「真宗大谷派札幌別院本堂」   

 

所在地 中央区南8条西7丁目

建築年 明治24(1891)年

指定等 さっぽろ・ふるさと文化百選

開館時 無し    

休館日 無し

入館料 無し

 

ススキノの外れでもあり札幌の中心部にある広大な敷地の寺院です。

札幌市内、道内でも大規模だと思う。

 

山門は本堂の正面に配置されてあります。

 

こちらが元禄8年の建築と言われる旧御堂

明治4年に越後の光円寺にあった古堂を札幌別院の本堂として移築したものです。

すごいですね~明治初期にこれだけの建物を越後から移築したなんて!

 

左が現在の本堂で明治25年竣工、平成17年修復されました。

 

奥は大谷幼稚園です

私もその昔、別の大谷幼稚園に通いました。

確かにお寺もあったし園長先生はお坊さんでしたね。

 

 

これも見事な鐘楼堂です

 

グーグルマップで見るとここはボーイスカウトのスカウトハウスになっていました

隣には見事な巨木があります。

 

 

歴史を物語る建築物が多いです 他にも巨木など見どころがあるお寺ですね

前記した大谷幼稚園を思い出したりして有意義なひと時を

ありがたくいただきました。

 

2020年8月、9月撮影

 

 

 

 


 

㊴「豊平館」   

 

所在地 中央区南9条中島公園

建築年 明治13年(1880)年

指定等 国指定重要文化財

開館時 9:00~17:00(入館は16:30まで)    

休館日 毎月第二火曜日(祝休日の場合は直後の平日)年末年始(12/29~1/3)

入館料 高校生以上300円

 

札幌のレトロモダン建築では横綱クラスですね

開館当時は中央区の北1条西1丁目。現在の札幌市民ホールからNHKあたりに洋風ホテルとして建設されました。

当時は池もあって中島公園に移転後はしばらく子供たちの遊び場になっていたらしいですよ?

実際に池で遊んだ方はいるかな

 

 

さて豊平館は現存する木造ホテルとして我が国最古の建物です。

また明治、大正、昭和と3代にわたり天皇家が訪れた由緒ある建物なのです

細かい造作が見事です。

 

昭和33(1958)年に中島公園に移築され、平成23年まで結婚式場として活用されました。

こちらで式をあげた人も多いでしょう。

 

 

広い中島公園の北西側に位置しています。

この特徴的な色はウルトラマリンブルーで瑠璃から取った色らしい

看板にあるように8月は「無料開館」でした!

私はこの素晴らしい建物も初めて入りましたよ。

 

中がまた素晴らしい

それでは

 

 

一番最初に目が行くのが階段です。

ココ特にいいなぁ

 

 

美しい……

 

 

次に照明を見てください

 

このシャンデリアはすごいね

メダリオンの造作も見ものですね

 

ここのは色が入っていますねぇ

 

 

 

 

部屋は2階が中心になります

「薄と女郎花」(ススキとオミナエシ)

 

「梅」

 

「芍薬」(シャクヤク)

 

「芍薬寝間」

当時のホテルの雰囲気を再現しているので洗面台なども配置されています

 

「椿」

 

 

1階「芙蓉」

 

こちら以外にも小部屋があるので、ぜひ全室の見学をお薦めします

3代の天皇がご使用になられたとされる品々などを展示している部屋もありますよ。

 

2階「広間」

カーテンも美しい

 

三条実美の書いたものです!

 

 

広間は豊平館で一番広い部屋です。

1881(明治14)年の明治天皇行幸の際は、謁見所(えっけんじょ)として使われました。

もしかして結婚式の披露宴もここでしたのかな

 

廊下も素敵なんです

 

 

 

ご覧の通り細かなものまで見どころがあります。

時間があれば外回りも廻ってみてください 思わぬ発見があるかもです

古い札幌の街並みの本に豊平館がまだ北1条にあったころの写真があります

中島公園内もいいけど、時計台もある市内中心部に残っていたらこの建物は

その後どういう経過をたどっていくのか

想像したら楽しくなりました。

 

2020年8月撮影

 

 

 

 

 

 

㊵「八窓庵」  旧舎那院忘筌 

 

所在地 中央区南9条中島公園

建築年 大正8(1919)年

指定等 国指定重要文化財

開館時 8:30~17:00    

休館日 冬期間(11月上旬~4月下旬)閉館

入館料 庵内は入れません

 

豊平館と同じく中島公園内の北西側にあります。

八窓庵は日本庭園の中にあり庭園の入園時間以外は見れません。

 

庭園の入口には門が北と南二つあります。

こちらは北門。

 

庭園も見事なので時間があればゆっくりしたいところ

 

こちら側の棟が八窓庵 重要文化財です

八窓庵の建築年ははっきりしないそうですが札幌市のHPには江戸時代初期の記載もありますね

大正8年に札幌に移築されました。

 

 

その後、昭和46年(1971年)北4条西12丁目から中島公園に移築。

計8窓があることから、八窓庵と呼ばれます

中には入れません。

 

「忘荃」とは

「目的を果たしたあとはそれを使った道具や手段を忘れてよい」という意味で、道具は茶道を学ぶための手段であって本来の目的を忘れてはならないという戒めの意味が込められています。

 

三分庵は後に増設された部分なんですね

なのでこの棟は重要文化財の対象外なんです。

 

私は知らなかったけど八窓庵は2005年3月にプレハブ上屋が倒壊、それに伴って八窓庵・水屋が全壊・三分庵が半壊したそうです。

プレハブ上屋は冬期の積雪による荷重から建物を守るために仮設されたんだけど仇になりましたねぇ

それにしても全壊していたとは驚きです。

その後は修復にあたって出来るだけ旧資材を補強して組み立てなおしたとのこと。

 

レトロモダンな豊平館と違い地味な建物ですが江戸時代を思わせる建物が少ない北海道内に於いて

大変貴重な建築物だと思います。

 

2020年8月撮影

 

 

 

 

㊶「札幌市冬のスポーツ博物館」  旧札幌中央放送局  

 

所在地 中央区南9条中島公園

建築年 昭和3年(1928)年

指定等 

開館時 現存していません   

 

元々はNHK札幌旧局舎でした。NHKが大通りに移転し博物館として使用していましたが

2000年に「札幌ウィンタースポーツミュージアム」として現在地(大倉山ジャンプ競技場)に移転。

跡地にNHK放送記念碑があるらしいので近々に行って来ます。

 

私は中島公園に思い出はありませんが、妻が話すのは「中島球場」「中島プール」「中島体育センター」「子供の国」

ぜーんぶ無くしたよね札幌!

と、とのことでした……

 

 

 

㊷「住友金属鉱山北泉荘」  旧天池安五郎邸  

 

所在地 中央区南14条西5丁目

建築年 昭和9年(1934)年

指定等 

開館時 現存していません

解体  2000年

 

堂々たる日本家屋の写真がネット上にありますが具体的なことはわかりません

住所的には中島公園の南端の一角です。

現在は、おそらくキタラ近くのマンションと思われます。

 

 

 

 

㊸「S氏宅亭」 旧広瀬家待合   

 

所在地 

建築年 昭和8(1933)年

指定等 

開館時 個人宅のため無し

休館日 個人宅のため無し

入館料 個人宅のため無し    

*個人宅は名前、具体的な住所の未明記と敷地内進入厳禁を守ります。

 

 

 

「亭」(ちん)とは茶室の接待準備が整うまでの待合所のことで

広瀬家の奥様が茶道を教授していたため設置されたという。

星形、丸型の窓が特徴的です。

待合所は実用的ではなく現存しているのが珍しく貴重だそうです

現施主が平成5年に修復されたとのことで、建物の価値がわかる施主さんですね。

 

2020年8月撮影

 

 

 

㊹「N氏宅」  旧南鷹次郎宅 

 

所在地 

建築年 大正13(1924)年

指定等 

開館時 個人宅のため無し    

休館日 個人宅のため無し

入館料 個人宅のため無し

*個人宅は名前、具体的な住所の未明記と敷地内進入厳禁を守ります。

 

 

元々は北大第二代学長、南鷹次郎氏の邸宅として建築されました。

並びには北大農学部教官であった娘婿の家が有名な田上義也設計で現存しています。

この地域は名士が多かったようですね。

 

広い敷地に蔵もあり、また別邸も新築されています

こちらも現施主さんが大事に使用しているのがわかります。

 

2020年8月、2021年1月撮影

 

 

 

 

㊺「S氏宅」   

 

所在地 

建築年 昭和8(1933)年

指定等 札幌景観資産国登録有形文化財

開館時 個人宅のため無し    

休館日 個人宅のため無し

入館料 個人宅のため無し

*個人宅は名前、具体的な住所の未明記と敷地内進入厳禁を守ります。

 

 

 

 

 

 

 

その一角だけ巨木がそびえ、廻りと違う雰囲気を醸し出しており

個人宅ですが国登録有形文化財に指定されている高名なお宅です。

北大理学部教授の邸宅として建築されハーフティンバーが印象的な洋館ですね

当時の札幌の住宅で初めて集中暖房と水洗方式が導入されたとのこと。

ずっと残っていてほしいね。

 

2020年8月、11月撮影

 

 

 

 

 

㊻「日本福音ルーテル札幌教会」    

 

所在地 中央区南12西12

建築年 昭和9(1934)年

指定等 景観重要建造物

開館時 教会行事がなければ見学可*許可を得てから観覧してください

休館日 

入館料 無料 

 

住宅街のそう広くはない道路に面しているのと尖塔が無いので他の大きな教会に比べると

目立たなく感じます。

 

*景観重要建造物とは

「地域の歴史や文化を物語る建築物などは、個性豊かな都市景観の形成に欠かせない、大切な景観資源です。これらの資源がまちづくりに生かされるよう、景観法に基づく「景観重要建造物」や「景観重要樹木」に指定しています。」札幌市Hより

その第一号がこちらの教会、第二号がめばえ幼稚園なんですが

平成21年に指定されて以来、他の建造物は指定されておりません。

 

 

 

最初の訪問日はあいにくの曇天で綺麗に写真を撮ることが出来なかった覚えがあります。

こちらの教会を訪れた頃はまだ「教会」というところが部外者に観覧させてくれるとは思っていなかったのです

それで外側だけの撮影になりました。

 

なんでも昭和9年にフィンランドの宣教師によって建てられたそうです

ご覧の通りの石造りは重厚、荘厳さを感じますね。

 

結婚式で新郎新婦が建物正面に立った姿が絵になりそう

 

次回こそ

中を見学させてもらおう。

 

2020年8月、2021年1月撮影

 

 

 

  

 

 

「めばえ幼稚園」    

 

所在地 中央区南12西12

建築年 昭和11(1936)年

指定等 景観重要建造物

開館時 幼稚園のため入館できません

 

 

「札幌の建築探訪」で幼稚園はここだけですね

めばえ幼稚園はルーテル札幌教会の幼稚園で

 

連絡通路で繋がっています

 

子供をこんな幼稚園に通わせたかったなぁと思わせる造り。

 

中には入れないのでズームですが、中庭に面したお遊戯場がお洒落

 

 

昔はこのような建物の幼稚園があったのでしょうが、より機能的に

新しく綺麗にしたのでしょうね。

ただ、めばえ幼稚園のように古くからの建物を治しながら永く使用するということは

物を大事に使う心を養うことができるんじゃあないかな~と

 

勝手に思っています

 

2020年8月、2021年1月撮影