当局のベランダにはヤエスのATAS-100というアクティブアンテナが取り付けられており、延長エレメントを垂らして7~28MHz(24と28は同調してないけど)で使用しています。
本体の最短の長さが1.5m程度、先端から垂らしたエレメントは1.5m弱。全長約3mのアンテナとなっています。
ATAS-100はノーマル状態で7~50MHz(144と430も出れる)対応。WARCバンドもちゃんと使えます。コイルを最も縮めた状態で50MHz、1秒くらい操作して伸ばすと28MHzバンドに切り替わるように変化して、以降コイルの伸びに合わせて同調周波数が変化していくアンテナでした。
これに延長エレメントをつけると、50MHzにはエレメントが長すぎてもう同調しません。いくらコイルを伸び縮みさせても、もしや5/8λでSWRが下がるかと期待してみるものの、どこにも下がるポイントはありませんでした。
基本的に1/4λ動作のアンテナです。
最も縮めたコイル無し状態で、1/4波長を超えなければエレメントを伸ばしてもそのバンドは出られます。
今、延長して3m強。1/4λが3.5mの21MHzから低い周波数のバンドには使えます。
21MHzの場合、フルサイズ3.5mに対して、実寸3m強ならば、短縮によるロスも体感出来る程ではなく、ほぼフルサイズ並に電波が飛んでいきます。ベランダの高さも加わって、充分な飛びが体験できます。
コイルを伸ばしていくと18MHz、14MHz、10MHz、7MHzも使えます。これもコイル入りとは言え全長3m強のエレメントですからなかなかよく飛んでくれます。コイルも太いので効率がいいのかも知れません。
24と28は長すぎてダメです。別のチューナーでごまかせる範囲ですが、高いバンドが犠牲になります。
エレメントを長くしていくと、ローバンドは良いのですが、ハイバンドが出れなくなるという犠牲を伴います。
ベランダという設置条件であまり大きくならず、そこそこの効果が期待できるのが、今のサイズという感じです。
以前追加エレメントを実験で6m以上にしてみたのですが、3.5MHzの最下点は見えるもののSWRの落ちがよくなく実用になりませんでした。マッチングが全長1.8mのアンテナ用に設計されているので無理もありませんし、マッチングの構成上低い周波数がカットされる場合も考えられます。コイル入りの短縮したエレメントを追加するとうまくいくかも知れませんね。
手動式のアクティブアンテナRHM8Bではコイル入り延長エレメントで3.5MHzまでのQRVに成功しました。
また、車で使用しているSD-330では同じコイル入り延長エレメントで1.9MHzまでのQRVに成功しています。
何度も言ってますけどローバンドを強化しようと長いエレメントをつけるとハイバンドが出れなくなるのが玉に瑕。
追加エレメントを自分で付け替えればいいのですが、せっかくモーター入りのリモートアンテナ。手作業はなるべく減らしたい。何かいい方法は無いものか・・・。
そうだ、長さの異なる複数のエレメントをつけたらどうだろう。どこか1つに同調すればそこに電波は乗っていきます。
いつもこのブログにコメントしてくださる7K1JRCさん。SD-330でこの実験をやってくれました。
枝を出したエレメント。長いのだけだとハイバンドが使えなかったのが、短い枝の方にハイバンドが乗るようになって、成功したようです。
さらにJRCさんはSD-330にいろんな工夫をして骨の芯までしゃぶり尽くしています。
SD-330はノーマル状態で3.5MHz~28MHzまで出れるでかいコイルのアンテナですが6m長の延長エレメントを足して強力なアンテナとして使用中。さらにバケツサイズのどでかいコイルを巻いて1.9MHzでも良好に交信できているそうです。
本体のコイル込みで1/4λに電気的になる長さならば、(適当な)ワイヤーでエレメントを延長して良好にQRV出来る。
アクティブアンテナのもう一つの使い道と言えます。
これはもう、アンテナチューナーとも言えますね。
屋外型ATUでも適当な長さのワイヤーがアンテナとして動作し、長すぎるエレメントでも短すぎるエレメントでもSWRは落ちる点で便利ですが、長さに制約があるとはいえ、そこそこの長さがあれば、アクティブアンテナ+延長エレメントのほうが、俄然飛びます。これは間違い無いです。
この辺りもJRCさんがしっかりと比較実験をされています。
アクティブアンテナを工夫して使うほうがアンテナとしての素性がいい。アクティブアンテナが同調した時は全体で完璧な1/4λ(短縮)アンテナ(しか有り得ない)だからです。なにをどうインピーダンスを合わせてSWRを落としたかわからないATUよりいい。ATUだと、SWRが1.0でも全然飛ばないアンテナになることもあります(良い感じの長さのエレメントがついたATUならそれなりに良く飛びますが)。
ATUが3~4万円、アクティブアンテナも電動タイプは3~4万円。どっこいどっこいですが、アクティブアンテナかなりお勧めです。
アクティブアンテナを屋外型アンテナチューナーとして使う 新常識になるでしょうか
スクリュードライバーは可変L装置なので、オートチューナーとの違いは可変Cですが、エレメントをご紹介されているように複数というか分岐させることで、ハイ・ローバンド兼用になるのは私も実験しました。
分岐というよりもヒゲといった表現が適当かもしれません。
コイルが太いと効率が違いますね。
元々太いコイルですが、延長エレメントの上の方に太いコイルを繋げばもっと飛びますね。
メーカーさんもエレメントもセットで売ればいいのになぁって思います。
いつも勉強になる事ばかりで、参考にさせて頂いています。
今回のアクティブアンテナと屋外型ATUの違いについても勉強になりました。
ありがとうございます。
ATU(屋外型は当然として)+ワイヤーで、SWRは落ちても全然飛ばないアンテナになる時もあるんです。
またよく飛ぶアンテナになることもあります。こちらに対しても長さの異なる複数のエレメントを付けたり、枝を出したりひげを出したりすることで同じように対応することが可能です。
いずれにしてもエレメントは適当ではダメ、ということだけは言えますね。
楽しみながらいろんなことを試してみてください。
記事に取り上げて頂きましてありがとうございます!
何よりもKVSさんのアドバイスがあっての実験ですし、アクティブアンテナもKVSさんのブログで惹きつけられて行った次第です。御挨拶もしていないANIさんの記事からも勉強させていただいております。
ここ数か月で、カウンターポイズの実験を15種とエレメントやコイルの実験(実験というほど緻密ではありませんが(笑))をやってきました。
アパマンの意地とでも言いますでしょうか、小さなアンテナ、限られた環境でもアマチュア無線を楽しみたいという気持ちと、住環境で無線を諦めてしまう仲間を少なくしたいという気持ちもあります。「無線道」駆け出しの私が生意気言って笑われてしまいそうですが・・・
ATUも1/4波長に合わせれば素晴らしい働きをしてくれると思うのですが、KVSさんの素晴らしい表現!・・・つまり「アクティブアンテナが同調した時は全体で完璧な1/4λ(短縮)アンテナ(しか有り得ない)」これに尽きると思います。
アクティブアンテナの回し者かと思われそうですが、本当に素晴らしいアンテナだと感じています。私にとっては円筒状をした屋外型アンテナチューナーであって、エレメントやグランド側の創造力を掻き立ててくれる相棒です。
SD-330がもっと潜在能力を引き出してくれと語りかけてくれているように感じています。
いろいろとありがとうございます。
おかげ様でこの種のアンテナ、盛り上がりましたね。
4年前の記事に、コメントですいません。
SD330に関して参考にさせて頂きました。
19Φと15Φアルミパイプで4mに延長させたり
今のところ、5.6mのロッドエレメントでBandごとに
長さ調整して使用しております。
昨年3月末に、開局しましてATAS120Aを使っていましたが、8ヶ月ぐらいで、コントロールユニットが水没しまして、SD330を購入しました。
コメントありがとうございます。
SD330、ご活用されていますね~。このアンテナは遊べますね。よく飛びますし。
ATAS120Aは水を吸い込んでしまったのでしょうか・・・。当局のATAS-100はベランダで今も元気です。