海外短波放送を受信する趣味のことをBCLと言いますが、私が小中学生の頃一大ブームがありました。
格好のいいBCLラジオが花盛り。
でもとても手が届く品物ではありませんでした。
なんとか何ヶ月もせがんで親に一台買ってもらう、みんなそんな感じだったと思います。
だからカタログは穴が空くほど読みまくり、胸踊らせていましたね。
一年中スイッチを入れて聞いていましたから、各バンドの時間帯による伝搬、季節による変化は体で覚えています。
短波帯の電波の飛び方を知る貴重な体験でした。
日中は7MHzが国内通信の中心なのはアマチュア無線で経験できますね。夕方から近場がスキップして遠くのエリアに変わり、その後国内は聞こえなくなり海外が入ってくる。この頃、お隣の国々の放送がこのあたりの周波数で始まります。日本によく届く時間、周波数だからです。
短波放送は、これに近い6MHz台の日本短波放送が日中、競馬や株式を流すのがよく聞こえました。
4MHz近くと10MHz近くでも同時に放送していましたが、これは時間帯が変わるとよく聞こえたり聞こえなかったり。
3.5MHz帯や10MHz帯の国内伝搬と通じるものがありました。
近隣アジアの放送は、夕方から夜間、6MHz台、7MHz台がとても強く、近場の海外はこのバンド、という感じでした。
もう少し遠くの海外は、10MHz近くと、12MHz近くの夜間がメインで、10MHz近くの放送バンドはまさに銀座通りでした。
同様に12MHz付近も銀座通りだったのですが、こちらのほうが不安定でフェージングも激しく、10MHz帯より良かったり悪かったり日によって変わるのが興味深かったです。
この2つのバンド、たった2MHzしか変わらないのですが、飛び方が全く違いました。
アマチュア無線でも10MHz帯、14MHz帯、18MHz帯を比べると季節、太陽活動による飛び方が違ってとてもおもしろいですよね。放送の受信でもこれは体験できます。
その上、13MHz帯、15MHz帯、18MHz帯いろいろあるのですが、私のラジオでは聞くことが出来ませんでした・・・。
今、このバンドを聞くと、日中の中国国内向け放送がバリバリ飛んで来てますね。
このバンドでは一回の電離層反射の距離が日本国内では飛びすぎてしまうため、日本国内での放送では使われません。国土の広い中国ならではの国内放送なのかなと思われます。
海外短波放送はアマチュア無線の1000倍、10000倍くらいのパワーで送信していますから、簡単なラジオ、アンテでも伝搬を把握するには十分使えます。
IC7610のスコープを放送バンドにセッティングしてみるとこんな感じ。
9.4MHzから10Mhz に5KHz間隔でひしめいています。
以前は10KHz間隔でしたね。
7MHz帯はアマチュアバンドのすぐ上です。ここに超強力な放送波がひしめき合っているので、大きなアンテナで受信性能の弱い無線機を使うと結構抑圧を受けます。高い無線機は抑圧を極力抑えるよう設計されていて、こういうところがお値段の差なんです。
IC7610やIC7300、今流行りのIC705をお持ちの皆さん、スコープのバンド、短波放送にも合わせてみませんか?。
面白いですよ。