長電話

~自費出版のススメ~

産経新聞がねじれる時

2009-06-23 | 政治
朝日新聞で左翼的主張を強く感じる記事は散見される程度ですが、産経新聞の場合はトータルに親米右翼のDNAによる思潮が網羅されており、記事のひとつひとつが「財界の作った新聞」らしいキャンペーン、プロパガンダに満ちた、政府自民党よりの主張が忍びこんでいます。

この新聞を読む事によってアレルギーを起こすと、自分の左寄りの姿勢を確認できるんじゃないか思い、定期購読した時期がありましたが、国連の官僚主義を取材した記事や、浮世絵がフランスの印象派に与えた影響を詳細に伝えた連載など、読み応えもあり、思惑はさておき、それはそれで得るところも多々ありました。

ただ読んでいてつらいのが、思慕の対象である与党自民が保守を自認しながら、小泉さんのように古き良き社会を壊すような経済政策をとったり、岸さんの孫のように北朝鮮に単純にむかついているだけで、結局拉致問題は何も解決しないどころか後退させるような姿勢をとったり、漫画さんのように北方領土は半分でも構わんよといってブレてみたり、と、毀誉褒貶が激しくちっとも保守的ではないので、その度に振り回され、マッチョな右翼を標榜するだけに、微妙に軌道修正を強いられる様子が中間管理職的で、悲哀が露わになってしまうところです。

自民支持というスタンスがなく、政権にも是々非々で臨むことができれば、根本的に錯誤があるとしても、表層的には主張は一貫しているのですから、その姿勢はよしと、堂々としていることも、もっと支持を得ることもできるでしょう。政権交代が実現したときにこの新聞がどう対応するのか、変化するのかが楽しみです。