長電話

~自費出版のススメ~

秋葉原連続殺傷事件の軽い扱い

2009-06-09 | 政治
1年経った秋葉原連続殺傷事件の話題が薄い。被害者の声は届くのですが、本人がマスコミに口を閉ざしていることもあり、この一年、マスコミのあの事件に関する話題が、事の重さに対してあまりに少ない印象があります。多くを語るには情報が少なすぎるのでしょうか。

22日から公判前整理手続きが始まるので、今年の露出は増え、マスコミはまた「心の闇」と題した特集を組むのでしょう。犯人の捉えた解像度の低い世界をどう表現するのか興味深いところです。

事件当初、批評家達の事件の分析は、非正規雇用の問題にすりかえて、企業(敵)をあげつらうといったものが多く勢いがありましたが、景気の悪化による雇用形態の問題が独立して取り上げられるにつれ、その論調は退き、長続きしませんでした。

結局あの事件は、浅田彰の言ったとおり「どの時代にも困ったヤツはいる」程度の(中大教授刺殺事件の容疑者同様)自我の縮んだ者の奥行きのない犯罪で、事件は風化、犯人は匿名のラジオ投稿者のような扱いをされて終るのかもしれません。