3大ギタリスト

ジョージ・ルーカスのようなクラプトンの首の太さ、ジミーペイジのシロナガスクジラのような顎のだらしなさ。加齢によるミュージシャンの容貌の衰えが目立つ中、ストイックな生活ぶりが偲ばれるジェフ・ベックのルックスは、いまだ音楽的イノベイションを発揮し続ける作品以前に驚愕モノです。

「ロック」とはスピリッツなんて高級なものではなく、所詮ビートであり、男性の第2次成長の通過儀礼ぐらいに思っていたのですが、縁側に座る茶飲み友達のような、あるいは落語の「八つぁん、熊さん」のように確固としたグルーブ（あるいはダンディズム）なのだとジェフベックを見聞きする度に思います。

主義を通すことによって生じる妥協点が狭さが「ロック」だと思い違いしていた幼い頃の自分が恥ずかしい。ジェフベックの音の粒の揃い方は、載せるネタによってシャリをコントロールする一流の寿司屋の大将のように華麗で、意味とコクのあることなのです。