まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「逆さの骨」ジム・ケリー

2014-04-07 19:49:02 | 読書のすすめ
今日は 昨日とは打って変わって暖かでしたね。
最後に桜を見に行きました。
もう葉桜になりかけていましたが、散るさまが綺麗でした。

さて ジム・ケリーの「逆さの骨」を読みました。

逆さの骨 (創元推理文庫)
玉木 亨
東京創元社


若い頃からミステリーが好きで、今も読まないわけではないのですが、
読む作家さんが固定しているこの頃。

本書の説明に「本格ミステリー」と書いてあるのに魅かれて
本をいただけるシステムに応募しました。

いただいたのにこういうことを言うのはずうずうしいのですが
本書はジム・ケリーの『水時計』『火焔の鎖』につづく三作目。
正直、いきなり三作目かあと思いました。

ちゃらんぽらんで大雑把なくせに、こういうのは順番に読みたいタイプです。
だって、伏線があったり、第1巻から続いているストリーがあったら・・・と思いませんか?

そんなことを思いながら読み始めた本書。

イギリスの田舎町イーリーで現地の新聞記者である主人公ドライデン。
遺跡発掘現場で男の骸骨が発見されるのに偶然居合わせる。
ここは、第二次世界大戦当時、ドイツ人捕虜やイタリア人捕虜の収容所でもあった場所である。
しかし男の骸骨は、収容所から外へ逃げ出そうとしていたのではなく
なぜか中に入ろうとしながらこと切れていた。
そのことに深い違和感を感じるドライデンは事件を調べ始めるが・・・

最初のうち、交錯する現在と過去に惑わされ、つぎつぎと提示される謎に?が飛び交いました。
主人公で探偵役のドライデンにいまひとつ親しみが持てないのも
きっと三作目から読んだせいだわと思いながら読み進めていく。

仕方なく、まっ暗闇の中を手さぐりで進む。
ん?この感じ懐かしい?

そして、中盤から、徐々に周りの余計な道が切り落とされていく。
そしてふと気づくと一条の光に照らされた一本の道が見える。

これよ!ミステリーを読んでいるときの醍醐味!

鶏頭の私は、女の勘(またの名をあてずっぽう?)でしか犯人を決められない。
つまり論理的な推理は無理。
しかし、ドライデンと一緒に、ぐちゃぐちゃになっている事件の糸をほぐすことはできる。

通常ホームズをはじめとする探偵たちは、奇妙だったり残虐だったりする殺人に動じない。
ある意味、非人間的なところがある。

ドライデンは、発見してしまった死体に激しく動揺する。
過去の事件で、最愛の妻が植物状態に近い状態にあり、
その妻に対する感情や行動も極めて人間臭い。

この人間臭さに魅かれ、いつの間にか一緒に道を歩いている自分がいる。

本書は間違いなくミステリーの王道です。
語られる過去や結末は決して軽くはないけれど、
お勧めです!

いがぐりおは トンネル入ったことある?
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