まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

有川浩「ヒア・カムズ・ザ・サン」

2012-06-04 20:44:23 | 読書のすすめ
今日は 夕立もなさそうですね。
咳はすっかり出なくなりましたが 目が治らない。TT
前よりは幾分ましなんですけど コンタクトレンズ入れて半日経つと 
痛くて 涙が止まらなくなってしまいます。
明日 もう一度 眼医者さんかな~
こういうことが続くと 真剣にレーシックを考えてしまいます。

さて 有川浩の「ヒア・カムズ・ザ・サン」を読みました。

ヒア・カムズ・ザ・サン
有川 浩
新潮社



『真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。
彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。
強い記憶は鮮やかに。何年に経っても、鮮やかに。
ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。
カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。
父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。
しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた……。』


「ヒア・カムズ・ザ・サン」は 上記の7行のあらすじから 有川浩が 書き起こした小説である。
一方 「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」は 上演された舞台に着想を得て執筆されたものである。
ただし 「舞台のノベライズ」ではなく 人名や物語の大枠は共有しているが話そのものは別物になっているそうだ。

つまり おなじ7行のあらすじから 有川浩が 全く別の物語を生みだしているのである。
実際には 舞台の脚本家さんが 別のストーリーを紡ぎだしておられるのだから
3本の ストーリーがあるということになる。

これを読んでの感想は やっぱり 『有川浩はただものじゃない』ということです。
そして この作品には いい意味の語り手の『熱さ』があります。


本当に悔しいけれど 有川浩は ライトノベル作家に分類されているせいか 
一部の人たち(特に教育関係者)に いまだに 普通の小説とは差別されています。

だから 例えば 高校の面接で 有川浩の小説の感想は述べないほうがよいという指導がされているのです。

おっかしいよ~。
そう言っている先生方 本当に有川浩読んだことあるの?と 思っちゃいます。
確かに エンターテイメント性は高い作品が多いと思うけれど・・・
例えば デビュー作の「塩の街」とか読んでいたらそんなこと言えないでしょう?と思います。
それとも 面白いとは認めたうえで 差別しているのかなあ。


まあ もし 私が面接官なら
「スラムダンク(名作ですが漫画)を読んで 感動しました。」
という 生徒がいたら 
「いいよね~ スラムダンク!!」
と 意気投合しちゃうと思うので あまり参考にならないか。^^;

去年 3年生にいい本ない?と聞かれ 「詩羽のいる街」をすすめたら
やっぱり ライトノベル作家だから 面接では言えない本と忠告されたと 言われました。
(これは 言われるまで知らなかったです。)

その子が そう言われても きちんと読んでくれ
「でもね。先生 全然いいんだ。本当に 面白かったから。ありがと~
と 言ってくれたことが救いでした。

じゃあ 面接にいい本ってなんだろう?
日本人作家なら 太宰 川端 三島 芥川 夏目 森あたりですか?
小林多喜二とかだったら 下手すると面接官も読んでないかもね。
東野圭吾だったら ぎりぎりオッケーなのだろうか・・・
横溝正史はNGで 松本清張ならいいのかな。

上記作家さんたちは夏目を除いて全部好きです。
でも 夏目漱石も姉が大好きだったので ほとんど読みました・・・
(夏目が好きじゃないのは 単なる私の好みの問題です。お好きな方 すみません。

百人いたら 百通りの名作があっていいと思う。

大事なのは どんな作家の本を読んだかではなく
その本を読んで どう感じたかだと思うんだけれど。

「ヒア・カムズ・ザ・サン」
残念ながら 面接対策には向かないらしいけれど お勧めです。


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