今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

スパイダーマン ピーター・デイヴィッド=著 2002年4月25日 角川書店

2016-05-01 08:00:47 | その他小説
平凡な高校生、ピーター・パーカーは、ある日遺伝子操作されたクモに嚙まれたことから、スパイダーマンとしての超人的な能力を手に入れる。指先だけで壁をよじ登り、クモ糸を使いビルからビルへと飛び移る・・・・・・。そのあまりにも強大な力に戸惑うピーターだが、やがて世界の平和が彼の力にかかっているという事実に直面する。彼は殺人鬼グリーン・ゴブリンとの対決を決意するが――。
アメコミ史上最も愛されたヒーローを完全映像化した『スパイダーマン』の小説版登場!
裏表紙より・・・・・・映画「スパイダーマン」のノベライズすな。
デビッド・コープ=脚本
スタン・リー&スティーブ・ディッコ=原案
富永和子=訳
でお送り至ります。
あ、映画はテレビで半端に観た。




2 出発

 鼻の先で飛び跳ねている長方形の大きな眼鏡が、汗まみれの顔から二度ばかり滑り落ちそうになった。ツキに見放された彼のことだ、落ちた拍子に踏みつけかねない。そうなれば、彼を囃し立てているあの四年生の類人猿どもは、手を叩いて喜ぶことだろう。
 そうとも、この屈辱はのみ込むしかない。ピーターはそうした。
開幕から悲惨な『平凡な高校生』。
しかし、この日の校外見学が、彼・・・・・・ピーター・パーカーの運命を変えることに。


「ふん、とにかく弱虫パーカーはとんでもない間抜けさ。おめでたい野郎だ」
ピーターの同級生フラッシュ・トンプソン。
何もいいところが無いクズ野郎である・・・・・・「アルティメット~」では可愛げがあるのに。



 オズボーンがクラブを出ていこうとすると、ジョナが後ろから呼び止めた。「いいか、オズボーン。この時代にヒーローと呼べるような人間がいるとしたら、そいつは、タイミング悪く勇敢な行為をせざるをえない立場にいるドジな男だろうな!」
「ジョナ」オズボーンは肩越しに答えた「ヒーローとは、いつの時代もそうしたものさ」
真剣中年喋り場「ヒーローってなんだ?」。
俺たちのヒーローは最強なんだ!という単純な話なら、誰も苦労しなかったのに。




3 事故

 ツアーガイドは次のケースに移動した。「カニグモ科ミスナメ属のカニグモは、餌をとるために巣を紡ぎますが、神経伝導による一連の反射的な動きを使って、さっと獲物を狩ります。それがあまりにも速いので、このクモには獲物の動きを予知する能力・・・・・・つまり、異変が実際に起こるまえにそれを予知する・・・・・・」彼女は宇宙の神秘を伝えるように声を落とし、指をうごめかした。「・・・・・・スパイダー・センスとでも呼ぶべき特殊能力があると信じる学者もいるくらいです」
(´・∀・`)ヘー


 急いで二、三歩前に出ると、ピーターは彼女のそばにいた。「写真を撮ってもいいかな?生徒が入ってる写真が必要なんだ」
 MJは彼を振り向いた。そのとたんに彼は、‶頭でっかちの落伍者〟ピーターが住む憂鬱な挫折感に満ちた世界から、MJという素晴らしい存在で輝く楽園に飛びこんだような気がした。これは目も眩むほど幸せな場所で、彼はたとえ一瞬でも、そこにいられることを感謝した。
だが現在MJはフラッシュの彼女だ・・・・・・(´・ω・)
フラッシュには消えてもらおう(提案)


朝から悲惨だったけど、好きな子の笑顔を写真に撮れたならまぁ悪くない・・・・・・
ところが。
 自分の血が毒されているところを想像し、ピーターは低いうめき声をもらした。くそ、なんてザマだ。みんななにごともなく校外見学を楽しんでるってのに、ピーター・パーカーだけは毒グモに嚙まれるなんて・・・・・・。
遺伝子操作された『スーパースパイダー』に嚙まれた・・・・・・?
ははっ、まっさかー。




4 会議

「ミスター・オズボーン」スローカムはこわばった声で言った。「きみの社は七回も連続して納期が遅れている。このR&Dではすでに五年半にわたる開発が行われているんだ、アメリカ合衆国はきみが約束した超戦士の完成を期待する権利がある」
ピーターの親友ハリーの父親、ノーマン・オズボーン(社長)は、
仕事でちょっと困ったことになっている模様。
『超戦士』って、元の言葉なんだろう。「スーパーファイター」?
いや、話の流れ的に「スーパーソルジャー」か?




5 副作用

 クモはどんどん近づき、彼に話しかけてくるようだった。クモの声が頭のなかにがんがん鳴り響く・・・・・・だが、そのほとんどは意味不明だ。聞きとれたのは、この言葉だけだった・・・・・・大いなる力・・・・・・大いなる力・・・・・・彼がしたいこと、これまで望んだこと・・・・・・人気者になり、MJと親しくなる、そしてフラッシュの顔からあのせせら笑いを拭い消す、そのすべてが彼のものになる。だが、彼はそんな力を手にするよりも、目をさましたかった。目をさまして・・・・・・。
帰宅してから、クモに嚙まれた影響か、ベッドで気絶してしまったピーター。

しかし、翌朝・・・・・・世界が変わる。
 ピーターは悲鳴をあげ、鏡の前から飛びのいた。鏡のなかの男は、どんな状況のもとでも決してっか弱いと呼ばれるタイプではなかった。
ちょっ、『スーパースパイダー』量産して売り出そうぜ。
いや、クモ自体は売っちゃダメだな、表向きは整形手術ってことにして(ゲス)


 ごくふつうの旗と同じ素材に見えるが、指にくっついて・・・・・・。
 待てよ・・・・・・。
 いや・・・・・・違う。ぼくの指が・・・・・・旗にくっついてるんだ!
ナンダッテー

さらにー
 ・・・・・・ストンと着地した。
ナ、ナンダッテー




6 最初の戦い

 MJが、ハリー・オズボーンに叫ぶのが聞こえた。「ハリー、彼を助けて!」
「どっちを?」明らかな賛嘆をこめてハリーが訊き返す。
『最初の戦い』、それは10年分の『卑劣な行為、嘲りへの恨み』を晴らす対決!


「おい、パーカー」誰かが叫んだ。「おまえ、フラッシュをノックアウトしちまったぞ!」
m9(^Д^)プギャーwwwwwww
フラッシュざまぁ!ざまぁ・・・・・・


 学校を飛びだすと、彼は立ち止まり、クモが嚙んだところを見た。赤味も腫れもほとんどひいている。それのどこが不思議だ? 害はすでになされたのだ。ピーター・パーカーは人間のクズに成り果てた。
突然得た力は・・・・・・強力過ぎる。
※フラッシュは保健室の先生あたりが治療し・・・・・・たんじゃないの(無関心)




8 テスト

 オズボーンは確認していたページをおろし、ストロムをにらみつけた。「二週間後には、このプロジェクトばかりか、この会社も死んでいるのだ」彼は突き放すような言い方をした。「ときには自ら率先してやらねばならないことがあるんだ。さあ、そのリン酸塩バリウムをよこしたまえ」
『ときには自ら率先してやらねばならないことがある』・・・・・・
そうなんだけど、確かにそうなんだけど・・・・・・


 世界にはヒツジがあふれている。オオカミはそのヒツジの間を我が物顔にのし歩き、ヒツジをむさぼるのだ。
こうして、『オオカミ』、誕生せり。




9 運命

 だが、ベンおじさんは話をつづけた。「いまは残りの人生をどういう人間として過ごすかが決まるときだ。どんな人間になるか、注意深く考える必要があるぞ。おまえは大きな力を身の内に感じている。だが、大いなる力には、大いなる責任が伴うんだ」
はいはいくまくま
ピーターに何が起きてるかなんてわかっちゃいないのに、
ベンおじさんときたら、お説教ってやつがやりたいお年頃ねー(´・ω・)(・ω・`)ネー


 何もかもうまくいくさ。いつも最後はうまくおさまるんだから。
格闘技で賞金をゲットすれば、失言だって謝りやすいさ!
・・・・・・その考えが、甘かった。




10 戦い その二

 ベンは画面を見つめた。「こいつは頭をかち割られるぞ」
「恐ろしいわ。なんて恐ろしい」メイが言った。「自殺行為よ。いったいこの人はどういう家庭で育ったのかしら? 自分から殺されそうな状況に飛びこむなんて。あのコスチュームといい、この常軌を逸した挑戦といい・・・・・・いいこと、ベン。これは助けを求める声なき叫びよ」
※あなた方のお家で育ちました。


マスクの男スパイダーマン―またの名をピーター・パーカー―は、
見事対戦相手をぶちのめし、試合が終わった後、賞金を受け取りに行ったのですが・・・・・・
 ピーターは怒りがこみあげてくるのを感じた。彼はフラッシュ・トンプソンをあさってまで吹っ飛ばした。だが、MJはまだフラッシュのものだし、フラッシュはヒーローのままだ。リングの暴れ牛、偉大なるボーン・ソーをマットに沈めてやった。それなのにこのいけすかない男は、約束の金を払おうとしない。どうすれば敬意を払ってもらえるんだ。
それと『三〇〇〇ドル』な。
『一〇〇ドル』で誤魔化そうってんだから・・・・・・こいつもぶっとばそうぜ(提案)


 彼は怒りに燃えて、プロモーターに顔を突きだした。「ぼくは三〇〇〇ドル必要なんだ」
 プロモーターは怖気づいたように見えた。だがそれから、ピーターの目を見て、どれほど腹を立てても、暴力をふるうタイプではないと見てとった。
「おれにどんな関係がある?」彼は冷たく言い返した。
そうだな、これから死ぬヤツには関係無いな(#^ω^)
・・・・・・まぁ、ピーターはピーターな訳です。


帰ろうピーター、こんな日も、あるさ。
「誰か来てくれ! そいつが入場料を盗んだ! おれの金を盗んだ!」怒り狂ったプロモーターがわめいた。
わー強盗だー


「おい! きみ!」ガードマンがピーターに叫んだ。「そいつを捕まえてくれ!」
 ピーターはとっさに決断した。自分が言う言葉まで頭に浮かんだ。
今のピーターなら強盗の1人や2人ちょちょいのちょい・・・・・・


 まあ、よしとするか。
( ・ω・)~♪
そうとも!因果応フォー!




11 人殺し

 ピーターは遅れていた。それだけでも気が気がではなかった。
「図書館で勉強する」という名目でおじさんに送り迎えを頼んだからね。
『アルバイト』の件は、賞金をキッチリゲットするまで秘密なのサ・・・・・・。


 ピーターが嫌な予感に襲われたのはそのときだった。二台のパトカーと近づいてくる救急車、おまけにベンおじさんはどこにもいない。彼の頭の冷静で論理的な部分は、これは単なる偶然にすぎない、と言っていた。これらの事実にはどんな関連もあるはずがない、と。
パトカーや救急車なんて見ない日の方が少ないよ?
・・・・・・あれっ、もしかしてウチの周辺て治安悪い?


 一瞬、世界がにじみ、消えかけた。とそのとき、べつの警官がこう叫ぶのが聞こえた。「犯人を見つけたぞ。五番街を南に向かってる!」この言葉で、再び世界が鋭く焦点を結んだ。
 いや・・・・・・犯人を捕まえるのは、‶彼等〟じゃない。
 このぼくだ。
悲しみは怒りへと変わる・・・・・・!


その力をフル活用したピーターは、ついに憎き犯人を追いつめ・・・・・・
 ピーターは男の頭をもぎとりたいほど激しい怒りにかられて男の顔を見た。
 その瞬間、彼の魂はちぎれ、悲鳴をあげて地獄に落ちた。




 神様に言ってよ・・・・・・もうじゅうぶんだ。よくわかったって。ベンおじさんが言ったとおり・・・・・・大いなる力には大いなる責任が伴うんだ。だけど、誰に対する責任だい? なんの責任だい? ぼくの財布の中身や将来の名声とは違う。それを優先させた結果がこれなんだから。
 自分の内側と同時に、外側も見る必要があるんだ。
大きすぎる代償に、ピーターは考える。


 何かをしたいんだ・・・・・・悲しみで気が狂うまえに。
 何かを。
 でも、何を?
ピーターは答えを出せるのか。




・・・・・・分けるかな!
『アメコミ史上最も愛されたヒーロー』は、
どこまでも『平凡な高校生』で、どこまでも人間。


「アルティメット~」より全体的に重いんだなぁ。
舌戦が軽快なところは同じだけど。
「ダニー、エヴァ、ルーク、えーと・・・・・・みんないい奴だ!」
(「アルティメット~」もよろしく!)