写原さんの「ちょうど100年前のフランス雑誌瞥見」ー画家ステヴァンスの死 1906年8月24日で、アルフレッド・ステヴァンスの作品"La Parisienne japonaise"(1872 画像は(c)Mamac&Ced こちらでもお借りする)を見る。
鏡の使い方が洗練されていて、不思議な魅力がある。
兄のジョゼフ・ステヴァンスについて調べた時は、アルフレッドまで注意が回らなかった(挿絵にどの犬の絵がいいか、そればかり考えていたように思う)
メトロポリタン美術館には"The Japanese robe"
としてこの絵の別バージョンが。
ジャポニスムの時代の絵画・写真で、欧米の女性が日本の着物を身につけたものを年代順に並べてみる。
James McNeill Whistler - La Princess du pays de la porcelaine 1863-1864
Claude Monet - La Japonaise 1876
George Hendrik Breitner - Meisje in witte kimono(「白い着物の娘」) 1894
Paul Burty Haviland - Japanese Lantern 1908
Guy Rose - The Blue Kimono 1909
欧米の女性が、という条件から外れるが
Ruppert Bunny - Madame Sadayakko as Kesa c.1907
これだけ?kimonoをキーワードに探すだけでは、限られてしまう。
とここで児玉実英『アメリカのジャポニズム 美術・工芸を超えた日本志向』(中央公論新社、品切れ、電子本が数種出ている)を見たら、ほんとにいくらでも例がありそうで、とたんに意欲がなくなってしまった。
外人さんが着るキモノは着付がなっていないのがほとんど(そのしどけなさも美しいのでしょうが)なので「着物」ではなく「キモノ」と言いたくなるような気がします。
>外人さんが着るキモノは着付がなっていないのがほとんど(そのしどけなさも美しいのでしょうが)
微妙なところを代弁していただきました。
ホイッスラーの絵のモデルの、ぞろっとした着方は、浮世絵に描かれた江戸の遊女を真似たものだそうです。「彼女たちは、昼間、帯をゆるく前で締め、着物の裾をだらりとさげていた」(児玉実英『アメリカのジャポニズム』)
この本に挿絵が収められたホイッスラーのSymphony in White, No. 2: The Little White Girl 1864
http://www.artchive.com/artchive/W/whistler/whistler_symphony_white2.jpg.html
はステヴァンスの絵との共通点が多いように思いました。