毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「一ヵ月半の苦闘後、ちょっとウルウル」No.2721

2019-12-12 22:15:53 | 教育

  ↑目撃者「夫の心が女になった~夫婦って何だろう~」より

昨日は学生たちがあるテーマについての意見文を提出する日でした。

そのテーマとは、ここ1ヵ月半「日本語視聴説」の授業で取り組んできた

《LGBTについて考える》というものです。

授業6週間目の先週は、

「LGBTについて小学生に教えるべきか否か」で討論しましたが、

その後、自分の意見を作文にまとめることを最後の課題として

長きに渡ったこのテーマの学習を終えました。

何しろ一ヵ月半前に初めてLGBTについてどう感じているか

クラスで聞いたときの3年生の反応が、

この大学に赴任して以来初めてと言っていいほど

そろいも揃って最もマイナスの回答ばかりだったので、

昨日、学習係がみんなの作文を集めて私のところに持ってきたとき

私はかなり不安で、読むのに決意を要しました。

しかし、一番上にあった作文を手にとって読み進むうちに、

思わず涙腺が緩みました。

一年前には何を書いているのか分からないレベルの日本語力だった子が、

ここまで書くようになったという感慨だけでなく、

一ヵ月半の私の精いっぱいの(且つ、押し付けにならないよう気をつけながらの)

人権についての訴えが

鋭敏で柔らかい学生の心に届いた気がしたのです。

こんな文章でした。

ーーー「LGBTの教育についての意見」 邵 紅

 小学校など初等教育でLGBTについての知識を教え、理解させるべきではないという意見がある。しかし、果たしてそうだろうか。

 小学生たちはローズさん(註)を通してLGBTについての知識と理解を深めた。自分が知ったことを他人に伝えれば偏見や差別を減らすことができる。そして、子ども自身がLGBTの場合、こうした授業によって不安や悩みを軽減することができる。だから私は、小学校など初等教育で正しい知識を教え、理解させるべきだと思っている。

 中国のLGBTの人数は膨大だが、中国伝統社会のタブーと、現行の法規定の曖昧さから、多くの国民はLGBTのことが理解できない。知っていても、多くの国民には誤解や差別がある。だから、我が国のLGBT者には社会的地位はなく、そのグループの人々は大きなストレスを受けている。

そして、この少数派のグループの生存状況は、中国では本当に厳しい。人々に理解されていないために、LGBT者は苦痛を感じ、生活や仕事に深刻な影響を与えている。彼ら・彼女らにとって「人はみな平等だ」という言葉の意味はどこにあるだろうか。

 「LGBTを理解し、尊重しよう。彼たちは普通の人と同じだ。」このような考えが多くの人に伝わるべきだ。小学生は民族の未来である。だから小学生こそ、LGBTについての知識を受けるべきだ。

 LGBTは中国で偏見を受け、多くの人が理解しかねている。私は先生のビデオを観ていなかったら、LGBTについて何も分からなかった。クラスのみんなもそうだろう。このような知識を広めないと、悪い結果になる例が色々ある。

 2015年12月30日、中国の広東省曁南大学で鬱病を患っていた10代の男性同性愛者が自殺した……。悲しいことに、LGBTの自殺は中国において唯一のケースではない。自殺、鬱病……、LGBTでは珍しくない問題だ。小学校の時に正しいLGBTについての教育を受けたら、自殺という、こんな悪い結果に至るだろうか。

 小学生は考えが未熟なので、LGBT学習は性別観念が混乱しかねないという意見がある。しかし、なぜ混乱して正しく理解できないかと言うと、それは誤った指導のためだ。授業で正しく指導すれば、子どもたちは正しい認識が深まるだけでなく、思想を成熟させることもできる。大人が計算がよく分かっているのは、小学生のときに勉強したからだ。小学生のときは頭がいいので、この段階は学ぶのに一番いい時期だ。小学生の段階を過ぎると人の計算能力は下がる。

 つまり、小学生の時期の鋭敏な知能は大人になったら強くなるとは限らない。それどころか逆に弱くなるのが一般的だ。どうしてこのような小学生がLGBTについて学ぶことができないか?では一体いつ学ぶべきなのだろうか。自分がLGBT自殺する直前か?あるいは、自分の心が鈍化し、ぼんやりする老年期にこのような知識を受けることが一番いいのか?

 以上のことから、小学生はこのような授業を受ける必要があると考える。だから、まず教師が小学生を正しく指導し、LGBTに対して正しい認識を持って理解するべきだ。そうすれば小学生たちは、自分のことだけではなく、LGBTの人が苦痛から解放されるのを助けて、みんなが自由な生活を送り、本当に平等を実現できるのではないだろうか

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註:「ローズさん」は人生の途中で女性としての自分に目覚め、自分は自分として生きようと決意して生活し始めた元男性、今女性の方です。動画、未だの方は是非ごらんください。

https://www.youtube.com/watch?v=hVvUMNTyoyI Produce3

https://www.youtube.com/watch?v=EmhoX4CK7z0 目撃者「夫の心が女になった~夫婦ってなんだろう~」

 


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