毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「ああ、されど日本の学校教育」No.2899

2019-04-19 11:39:48 | 民主主義について

   

   TWITTER/XXXISYK19 sayakaさんがTwitterに投稿した写真 -ハフポストより

 

「目玉焼きの写真が暗示する”日本の学校教育”

製作した学生が込めたおもい」というハフポストの記事を読み、

(なるほど~)と(でもね~)の二つの気持ちが交錯しました。

記事に次のような紹介があります。


【九州産業大学4年生で、グラフィックデザインを専攻しているsayakaさんが

4月14日にツイッターに投稿した。

写真内には以下のようなメッセージが書かれている。

同じ服を着せ、同じ考え方、同じ答えを求める。

「普通」になるために切り捨てられていく個性。

まず第一に「静かにする」ことを教える日本の教育。

子供の将来のためという大人のエゴ。

本当に子供たちに必要なのは自らの意思で選択できる力とそれができる環境ではないだろうか。

作品を制作したsayakaさんが18日、ハフポスト日本版の取材に答えた。

「本来、目玉焼きは同じ形になる事はない料理」とした上で、日本の学校教育は「一人一人生まれ持っている個性や考え方を『普通』という形に切り整えていくという現状がある」と作品に込めた思いを語った。】

(全文は一番下に記載したサイトでご覧になってください)。


冒頭の写真と言い、sayakaさんの言葉と言い、

まさにその通りだと思います。

「箱の中の規格品たれ」と自らを律する(笑)日本社会の風潮を

学校教育も当然のように反映しています。

私も自分自身が規格品からちょっぴりはみ出ているのを感じつつ、

日本の学校で25年間も教師を続けていたのは驚きです。

ある日、ある同僚がこどもの失敗を叱った際の言葉、

「それ、先生がやっていいと言いましたか!」

は衝撃的で、(おお、この先生は神様か!)と目を丸くしたものです。

自分の頭でものを考えるな。

・自分の判断で行動するな。

ひたすら上(権威ある者)からの指示を待て

・ただ、ただ、上(権威ある者)に従え。

こうしたメッセージが子どもに伝わらないはずはありません。

この発想は江戸時代の武士の心得を説いた『葉隠』に底流していると

私は考えます。

〈武士はいちいち自分で理屈を考えず、

いつでも主人のために死ぬ準備だけを整え、

何事にも執着せずサッパリとした生活を旨とすべし〉

みたいな。いかがでしょう。

これは民主主義(一人ひとりが主役)の考えと

真っ向から対立するものです。

しかし、どっこい戦後の社会と学校教育を担う庶民の中には

江戸時代の上意下達思想からはみ出しちゃった人も多かったんでした。

個人を大切にする民主主義教育がかなりの影響力を発揮したからです。

そして、その力がまだ子どもたちに脈々と影響を与えつつあるのを

sayakaさんの写真と言葉は示していると私は感じます。

今、戦後の民主主義教育は、

政府側の人々によって非常に激しいバッシングを受けています。

しかし、その中でもこんな写真を発表する学生が育っていることは、

(日本もいい教育が続いているじゃないか。

たくさんの先生方が現場で踏ん張っているからだな)と思うのです。

中国では、学生がこういう作品を発表することは叶いません。

アベ総理大臣が羨ましがる教育が展開されているからです。

機会があればさりげなく御報告いたしましょう(笑)。


↓下は山東省菏澤学院で毎朝9時50分から15分間繰り広げられる光景です。

1年生はこの体操に全員参加しなければなりません。

ある学生(2年生以上)に「これ、強制的?酷いじゃない?」と聞いても、

「いいえ、身体にいいですからするべきです。」と必ず肯定します。

しかし、その本人を含め、2年生以上は誰一人参加しません。

そんなに身体にいいと思うなら自主的に参加すればいいのに。

 

「目玉焼きの写真が暗示する”日本の学校教育”。製作した学生が込めたおもい」

https://www.huffingtonpost.jp/entry/fried-egg_jp_5cb7e3cbe4b081fd169302f1?ncid=newsletter-Japan%2020190419&utm_campaign=newsletter_Japan%2020190419


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2 コメント

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普通が良い・・・・・ (こきおばさん)
2019-04-19 14:52:25
1年生の体操の写真、戦時中の小学校での体操の場面とダブって見えました。
私たちは戦後すぐの民主教育を受けましたが、このところの日本の教育は、戦時中のものに近づいているというより、まるで戦時中のようになってきていると思えます。

「普通ではない」事を排除する姿勢は、国民性でもあるのでしょうね。けさのTVで、障害を持った子供を連れて日本に移り住んだ外国人が、自国では神さまに祝福された子どもだと、暖かく見守ってもらったのに、日本では普通でないことで非難されたりイジメに会うことが多いと嘆く親のことを報じていました。
普通の何がよくて、普通でないことの何が悪いんでしょうか。
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神さまに祝福された子、日本では邪魔者…… (ブルーはーと)
2019-04-19 18:50:50
こきおばさん様
確かに国民性ですね。狭い箱(村)の中の平等、親愛、認可、忠誠……。規格外は村八分。
実は、私は2002年から約1年間アメリカに滞在したのですけど、たった1年間の留守だったのに、日本に戻ったら、透明の分厚い壁があることをはっきり感じて愕然としました。まず、ヨソモノに対しては非常に厳しい審査をし、いったんその審査に通れば、身内として、多少理不尽なことをしても、めちゃくちゃ甘い態度で認可されます。意味が分かりません。
その伝統的日本人の傾向が、「美しい日本」「日本はNo.1」のアベ政権の唱える箱に喜んではまり込むのも分かる気がします。親和性があるんですね。
箱の中の一員に個性は邪魔です。私たちヨソモノがこの「国民性」をふやかしていくには、個人、個性の尊重を声を限りに訴えていくことですかね。疲れますよね、ホント。
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