JR大阪駅近くの「梅田墓」で見つかった埋葬人骨(大阪市文化財協会提供)=共同
上の写真を見て、
何年か前に訪れた西安の兵馬俑を思い出しました。
もちろん、あちらは作り物の兵士たちでしたが、
死のオーラが生きて見学している私たちを包み込み、
兵士像の身体の一部が破損している様子は
実際の人物の姿と重なり、厳かな気持ちになったものです。
今回、梅田北地域で発見されたのは
江戸末期から明治にかけて
屈葬された子供や病人を含む人骨1500体以上で、
庶民階級の人々と推定されるとのこと。
現代日本人に愛想が尽きかけている私としては
なんで日本人はこうなんだろう、昔からだろうか、と
意識がどうしても昔へ、昔へと向かっていく今日この頃です。
今は息子の店の見習い厨房スタッフで
「ちょっとお姐さん、水ちょうだい」などと呼ばれ、
ヘロヘロなんですが
落ち着いた暁には日本古典文学を読む会を開こうと
思いを募らせてもいます。
私が横目に見ながら何十回と通り過ぎていたあの梅北の土の下に
江戸期から明治時代に生きた大阪の庶民が、
150年~200年ほどもずっとひっそり横たわっていたと思うと、
「昔」と「今」が実感として繋がります。
ただいまこの時の時間の切り取りだけで生きてしまうのは
人生を損しているも同様だと思えます。
半世紀前、高校の世界史の先生が授業で言った通り、
「全ての歴史は現代に繋がっている」のですから。
今回発見された人骨の分析研究で、
江戸末期から明治にかけての庶民がどのような様子だったのか
明らかにされるのを楽しみにしています。
大和和紀の『天の果て地の限り』は中国の学生たちに表紙の絵だけ紹介しました。額田王や持統天皇が登場する歴史ドラマですね。歴史漫画は中国の子たちにとって新鮮だったようです。平安期の『浅きゆめみし』も何十年も前に読みましたが面白かったです。
実は大和和紀は北海道出身なんですよ~。それだけで嬉しいです。