私がしかたなくマイナンバーカードを申請したのは今年の1月のことです。
なぜ申請したのかと言うと、確定申告のためです。
息子の店の会計を手伝い始めた私は
ちんぷんかんぷんのくせに、人生初の青色申告というものに大胆に挑戦すべく、
オンラインの確定申告サポートアプリを探しました。
するとどうでしょう、
オンラインで申請するためにはマイナカードが必須だというのです。
しかも、オンライン申請すると最大60万円税金控除があるのに、
紙申請だと最大50万円しか控除されないと。
10万円は店にとって本当に大金です。
(何それ、むかつく)と思いつつも私は即座にカードを申し込みました。
約1カ月半後、カードを受け取りに尼崎市役所の該当箇所に行くと、
そこはとんでもない数の人々でごった返し、係りの職員たちは気の毒な有様でした。
待つこと4~5時間、その間に近くの店でランチを食べました。
全然美味しくないのに950円もするとかあり得ないとブツブツ文句を言って(心で)、
でも、一人での外食は2010年のコロナパンデミック勃発以後初めてで、
改めて浦島太郎子さんだった自分を再確認しました。
何時間も待った後、臨時の窓口に呼ばれました。
カード用の写真、実は街角の写真スタンドで撮った際、
何故か画面調節が白っぽくなりドキドキものだったんですが、
市役所担当職員はま~~ったく問題なしと、約2分で発行してくれました。
「マイナカードがなかったらこんなに損するんだぞ」
「ほおら、金が欲しくないのか、金が」
と国は言ってきますし、私もお金欲しさにカードを入手しました。
さもしく卑しいです。
国が国民に下品で卑しい行いをせよと強要するんですからね。
でね、カードを返却する人がたくさんいるというので、
今回、私もそうすることにしました。
来年の確定申告前、またカードをもらいに並ばないといけなくなるかもしれません。
その時は仕方がないから並びます。
ところで、中国では日本の先を行っていて、IDカードが非常に重要です。
事あるごとに提示しなければなりません。
私の教え子が四川省成都から山東省の実家のある市まで電車で移動したあと、
地元の警察から携帯に電話があり、
「移動した後、検査機関でコロナの検査を受けていないな。早くしなさい」
と注意されたそうです。
警察が自分の動向を正確に掴んでいることに驚愕した教え子は、
「プライバシーがないですよ!」と憤慨していました。
マイナンバーカードは日本版IDカードです。
何もかもそのカードで便利にできるということは、
カードで自分の生活の動向まで掌握・監視されるということです。
ああ、だから先輩方は何十年も前から
「国民総背番号制反対!」と言ってはったんやなあ。
今、日本では運転免許証、健康保険証、パスポートなどで個人の認証ができますが、中国では全部IDカードで認証します。長距離電車に乗るにも、ちょっと値の張る買い物をするにもIDカードが必要です。
四川省から山東省に列車で移動した教え子は、その出発地、移動経路、到着地、時間など、全部当局に把握されていました。まさに監視国家です。日本政府もそれを目指しているんですね。