4月中旬、再び奈良を訪れました。
1日目は「ぼたんまつり」が始まった
長谷寺へ行きました。
初瀬
長谷寺は桜井市初瀬にある、真言宗
豊山派の総本山です。
大和と伊勢を結ぶ初瀬街道を見下ろす
初瀬山の山麓から中腹にかけて伽藍が
広がっています。
(仁王門)
創建は奈良時代の8世紀前半と推定され
ています。
平安時代中期以降、観音霊場として貴族
の信仰を集め、中世以降は武士や庶民に
も信仰を広めました。
(登廊)
1588(天正16)年、豊臣秀吉によ
り根来山(根来寺)を追われた新義真言
宗門徒が入山したことにより、真言宗豊
山派が大成されました。
(五重塔)
(本堂)
本堂には本尊の十一面観音が安置されて
います。
現存の本堂は、徳川家光の寄進により
1650年に建立されたものです。
初瀬山は牡丹の名所として知られ、5月
上旬には7000株の牡丹が満開になる
そうです。
古くから「花の御寺」と称され、「枕草
紙」「源氏物語」など多くの古典文学に
も登場します。
芭蕉の句碑です。
「春の夜や こもり人床し 堂のすみ」
(堂内に点じられた一穂の灯明の光に
浮かんだ床しげな人の影、如何なるお
方であろうか。)
境内には、紀貫之・小林一茶・高浜虚子
など多くの歌碑、句碑が見られます。
(本長谷寺)
686年、天武天皇の勅願により、道明
上人がここに精舎を造営したことから、
本長谷寺(もとはせでら)と呼ばれます。
長谷寺は平安時代から大正時代までの長
い間、1夜交代で奈良と初瀬を念仏を唱
えながら行き来する修行を、1000日
以上続ける「隔夜参り」の信仰対象とな
りました。
この修行をする者を隔夜僧、隔夜聖など
と称したそうです。
隔夜僧は空也上人を開祖とする隔夜堂(
高畑町)を宿坊としたと伝えられていま
す。