matasaburo3の散歩日記

日本各地を旅しながら、日本の四季を撮ります。
又、世界各地の街を巡りながらの印象記やあれこれ。

 宗教としての資本主義

2024-08-30 12:54:12 | 知の散歩道

 

 「宗教としての資本主義」は、ヴアルター・

ベンヤミン(1892-1940)が1921

年に書いた短いテキストです。

 

ベンヤミンは資本主義には宗教的な

構造として三つの特徴があるといい

ます。

一つ目の特徴は「資本主義はひとつの

純粋な礼拝宗教、おそらくはこれまで

に存在した最も極端な礼拝宗教なので

ある。資本主義においては、一切のも

のが直接的に礼拝と関わることによって

のみ意味をもつのであって、資本主義は

いかなる特別な教義も、いかなる神学も

関知しないのだ。」

 

二つ目は、資本主義は毎日が礼拝である

と。そして三つ目の特徴としてこの礼拝

は人々に罪を負わせる。(罪を救済する

のが宗教なのに、罪を負わせる儀礼宗教

が、純粋な宗教としての資本主義の特徴

だ。)

 

マーク・シェルというハーバード大学

の研究者は、「芸術と貨幣」という著書

のなかで、貨幣とキリストが非常に似て

いるということを論じています。

お札というのは単なる紙切れで、それ

自体に価値はない。紙切れを価値ある

ものたらしめているのは、千円札とし

て使えるという信頼です。そう考える

と貨幣は、信頼、もっと言えば信仰で

できている。

貨幣は物質的な形態を持った信仰の

対象なわけですから、キリストと同一

の存在様式を持っている。

毎日、私たちは宗教儀礼としての通貨

を支払って、商品世界の信仰の証を立

てているんですね。

(NHK出版新書「哲学史入門Ⅲ、p156

~p162」から引用しました。)


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