美 going on

長野県下の小中学校の図工美術教師による,毎日の「図画工作」「美術」の授業の様子を紹介します 

My手ぬぐい作り 昨年の作品から

2014年05月22日 22時32分45秒 | 裾花中 美術の授業の時間です
裾花中,長崎です。

以前ご紹介したとおり,My手ぬぐい作りは,中一の子どもたちの最も身近な日本文化,というところからスタートしました。

そして,いくつかの市販されている手ぬぐいや書籍を参考にしながら,自分の願いをモチーフに置き換えていったのですが…。

「願いをモチーフに置き換える」と言っても言葉で説明しただけではなかなか子どもたちには伝わりません。

そこで先輩方の作品をいくつか提示するわけですが。

生徒たちに見せた作品の中でも,私自身「これはすごい!」と思った作品の中の1つを,皆さんにもご紹介します。


モチーフはテントウ虫です。
ランダムに並べられていて,中には羽を広げて飛ぼうとしているテントウ虫も見えます。

よ~くみると,1つだけバレーボールが混じっています。
「あぁ,バレーボール部の子の作品なんだな」,というところまでは分かると思います。

ではなぜテントウ虫なのか,分かりますか?

テントウ虫,てんとう虫,てんとりむし,点取り虫…。
というわけで,実はダジャレになっていました!

でもそれだけではありません。

テントウ虫を捕まえて指にとまらせると,どんどん上にのぼっていきます。
そのままひっくり返して上下を逆さまにしても,また上を目指してのぼっていきます。
そして最後に指の先にたどり着くと,そこから羽を広げて飛び立つのです。

どんなにつらくても,絶対にあきらめない。頂点を目指して最後までやり抜く。
そんな大きな意志がここに込められていました。


最後にもうひとつ。このテントウ虫の星は,黒ではなく白い星です。
黒星ではなく白星。絶対負けない!という願掛けにもなっていました。

この手ぬぐいを作った生徒は,1年生のときに秘密兵器として活躍した裾花中女子バレーボール部のスーパースターです。

こんな裏話をまじえながら作品を提示すると,生徒たちは「願いをモチーフに置き換える」ことのおもしろさが自然と理解できました。

そして,「じゃあ自分はどうしようかな~?」と,いろいろ工夫して自分のモチーフを決めだしていくことができる…というわけなのです。

【写真右の2つの手ぬぐいも参考作品で提示した先輩の作品です】



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