退陣騒動と原発危機

菅が辞めるのか、辞めないのか、大騒動である。そんなことはどうでもよいことのようになってしまった。菅は死に体だから、いずれ、いなくなる運命にある。これは騒がなくとも必然である。ところが、今回の退陣騒動で辞任した政治家はいたのか。衆院議院の運営委員会理事だった松野頼久議員ただ一人が辞表を提出して辞めた。首相も岡田幹事長も辞めていない。
　　目をそむけたくなるような永田町の現実。その一方で、福島に目をやれば、原発の状況は依然として、楽観を許さない厳しい状況にある。
こんなことで良いのだろうか。

震災泥棒に義憤

　今年５月までの３か月間に福島県内で発生した侵入盗被害が、昨年の同時期より約４割増の６９５件に上ったことを警察庁が発表した。阪神大地震の折にも、全国から泥棒が震災地域に集まったと聞く。人の不幸につけ込んだ悪質なやからである。かつて北海道の有珠山が噴火した際、避難で無人となった銀行ＡＴＭ機から数千万円がなくなっいたようだ。このことは当初から予想されたことである。警戒を強めることも大切。その前に広報をやっておくべきだった。
　県警の発表によると、東日本大震災の影響で留守宅が多い福島第一原子力発電所の半径３０キロ圏内などが狙われいるようだ。福島県警では警視庁などと合同で約３００人態勢の「特別警備隊」を発足させ、重点的に警戒に当たっているというが、もう遅いのかもしれない。

ＪＲ事故と避難マニュアル

日勝線事故に際し、ＪＲの乗務員は「車外に出ないでください」とのアナウンスを繰り返したという。緊急停止後は車外の安全を確認するまで乗客を降車させない、というマニュアルを守ったようだ。その結果、ＪＲ側は乗客の避難誘導ができず、客先導で動いたようだ。
　マニュアルが通用しない複合事故や重大事故は起こり得るものだ。その場合、人命第一を原則にして、迅速・的確な対応をすることがとても大切なことだ。ＪＲしかり、大型輸送バスなど大量輸送を担う交通事業者は、想定外でも柔軟に対応できる安全管理教育の徹底が必要なことを改めて認識しておかなければならない。

ペテン師首相よ直ぐに辞任しなさい。

菅の退陣意向表明はテレビで中継された。私や国民の皆様の目の前で行われたことです。誰もが、いやほとんどの方が「菅首相は近く辞めるんだ」と思った筈です。それを夜になって、来年まで、続投する意向を表明するのは、明らかに国民を欺くペテン行為です。彼の気質を狡獪であると耳にしていたが、どうも初めからそのつもりのようであったのたろう。退陣するような演説をして不信任案を否決できたら、退陣の時期を明示していなかったことを盾に、政権を続けていけばよいと考えたのてある。極めて小ずるく、陰湿なやりかたである。もはや、政治家だけでなく、国民も菅の言葉も人物そのものも信用することはできなくなった。菅は、即刻、辞任しなければならない。

民主、この体たらく

首相は、そして側近は、首相の発言の重みを全く分かっていない。辞任を明示すると首相自身の求心力が大きく低下する。求心力を維持するため、辞任の大義と辞任の時期を示して、取り敢えず首相としての職務を続けていくことが常識的行動である。辞任を表明すると、その時期を近く、遠くはないとイメージするのは私ばかりではないと思う。これを解釈論で先送りしようとする首相や側近らの発言にただ唖然とするばかりだ。彼らの論によれば、年内続投で年明け辞任という。我々ばかりか、国際社会はこれを容認する筈がない。全くを持って、政権の体を持たない民主党政権である。