満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

イスラームにおける結婚(妻の権利=夫の義務)

2009-05-22 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم

女性の勉強会では「妻の義務」についてだけ伝えています。男性の義務(女性の権利)については男性の勉強会で話されるのが望ましいからです。それそれが自分の義務を果たすことに熱心である社会は成功し、自分の権利ばかり主張する社会は失敗します。同様に成功する夫婦というのは自分の義務を気にしている夫婦で、そういう夫婦には愛情がめばえてきます。

今回夫の義務を日本のシスターにお話するのは、ムスリムの夫自身が自分の義務を知らないとその息子に伝えることができず、次世代の健全な家庭つくりに支障になる惧れがあるからです。

日本のシスターたちはここでお話することを夫への糾弾材料にするのではなく、次世代の育成に役立つものとして捉えて下さい。

夫の義務というのは基本的に夫婦双方にとっても義務であることが多いがとくに夫に課せられるものです。

アッラーが仰っています。夫は妻のことが好きでなくても、丁寧に扱いなさい、嫌いでもよく遇すればよいことがあると

《出来るだけ仲良く、かの女らと暮しなさい。あなたがたが、かの女らを嫌っても(忍耐しなさい)。そのうち(嫌っている点)にアッラーからよいことを授かるであろう。 》(4:19)

アッラーの命令のとりこになっている者は、現世で幸福を得て、来世でも報奨を得られる

感情のとりこになっている者は、現世では失敗し、来世でも報奨を得られない

離婚の際にも妻の権利を傷つけずに穏便に別れるように

妻を痛めつけて妻のほうから離婚を申し立てするように仕向けマハル(婚資)を放棄させるなとクルアーンにも書いてある

《あなたがたが、かの女らに与えたマハルの一部を取り戻すために、かの女らを手荒に扱ってはならない。》(4-19)

ハディースには「女性に親切にしろ」それを「言い伝えていけ」というのがある。「女性に関してアッラーを畏れなさい」というハディースもある。

〈アブー・フライラ(رضى الله عنه)によると、アッラーの御使い(صلى الله عليه و سلم)は言われた。「女性によくしなさい。 女性は肋骨から創られました。肋骨の一番湾曲した部分が 一番高い部分です。もしそれを真っすぐに伸ばそうとすれ ば折ってしまいます。放っておけば曲がったままです。で すから、女性にはよくしなさい。」〉(アル=ブハーリーによる伝承)

〈アーイシャ(رضى الله عنها)によると、アッラーの御使い(صلى الله عليه و سلم)は言われた。「最も完全な信仰を持っ た信者とは、最も性格がよく、最も家族に優しい者のこと です。」〉(ア=ッ=ティルミズィーによる伝承)


どうやって実際したらいいのか

1.妻を呼ぶとき彼女の好む呼び方で呼んで上げること

「おい」とか「のろま」とか「おデブ」とか相手の嫌がる呼び方では呼ばないこと。人前でも。

アーイシャという女性に「アイーユシュ」という呼び方もあるが本人がそれを望むならそう呼び本人が「アーイシャ」と呼ばれたいならそう呼んであげること

夫は仕事から帰ってきて疲れていても、妻の気持ちを尊重して話をきいてあげること
(妻は殆ど他の人を接触せずに家にいる場合、夫だけが話し相手や相談相手だったりするので邪険に扱わないこと)

妻がいいことをしたら「すごいね」「おいしいね」と感情を込めていってあげること→妻は励みになり更によいことをしようとする

男性はこういう細かいことを気にしないが、こういう夫の一言がどれだけ妻の励みになるかを意識すること

2.社会的に大きな責任があるからといって妻の感情を無視せずに大切にすること

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はイスラームを人類へダウワするという大きな責務があったが、妻を大切にしていた

アーイシャ(رضى الله عنها)がまだ幼い時、二人でかけっことした、その時は身軽な彼女が勝った。数年後、彼女が身体が大きくなったとき、再びかけっこをして、今度は預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が勝って、「これは数年前に勝ったお返しだ」と言われた。

かけっこという子供が喜びそうな遊びを一緒にして、かつそのことを数年経っても覚えていた。アーイシャ(رضى الله عنها)はこのことがよほど嬉しかったらしく、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)がお亡くなりなってかなり経ってからもこの話をしていた。

3.妻に相談すること

妻の意見を採用しようが採用しまいが、妻に相談し、彼女の意見も聞いてみること

フダイビーヤの誓いの際、ウムラの件で、信者達に不満があったとき、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は妻のウンム・サラマー(رضى الله عنها)に相談し彼女の助言を採用した。

妻に相談し、その意見と逆のことをしなさいというハディースがあるという人がいるが、そういうハディースはなく、間違いである。

4.間違いをしても細かいことはいわず、大きな間違いだけ正す。

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はアーイシャ(رضى الله عنها)に「あなたが怒っているときと怒っていないときは、すぐわかる。怒っていないときは『アッラーとアッラーのみ使いさまに誓って』と私の名前を言うが怒っているときは『カーバの主に誓って』というのだから」
と彼女が冷静のときに言われた。

いちいち「どうして私の名前を言わないのだ」と問い詰めたりなさならかった。

5.適度なやきもちをやく

嫉妬しすぎるのも駄目、全くしないのも駄目

アッラーが嫌う嫉妬の種類がハディースに書かれている
「男が疑う必要のないことで家族を疑うこと」
である。

6.生活費をもつ

女性は生活費を負担するべきではない。婚前は父親が、結婚後は夫が負担する。

夫の収入によって要求すること
サハーバが預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に尋ねた
あなたが食べたら同じように彼女に食べさせなさい
あなたが着たら同じように彼女に着せなさい

外食したら、妻にも同じようなチャンスを与えること。一緒に外食できないときは、その店のものを持ち帰って食べさせるなど。

ただ夫に従わないような妻の場合は、生活費を払う必要がない
いい妻に戻ったら、生活費を払うこと

7.妻にイスラームの学習ができる機会を与えること

他の女性にいい見本があるなら、その彼女に倣うように学習させる

いい見本がなく、モスクに行っても益にならない場合は、夫自ら妻を教え、他の女性のいい見本になるように妻をし、他の女性が妻の許に習いに来るようにさせる

他の誰ともあわせないで家に閉じ込めることはよくない。社会とも関わりがあるようにさせること


アッラーの同意がありますように

والسلام


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