満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

【最後の審判の日 ― 報奨その2】

2012-01-03 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم


前回まで、死後に起こることを順番に見てきました。
①死の天使が、体から魂を抜き取る。 → ②(墓の中の)バルザフの世界  → ③最初のラッパ(生きているものがすべて死ぬ) → ④2回目のラッパ(全員復活) → ⑤預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のハウド(水飲み場) → ⑥全人類の結集  → ⑦預言者さま(صلى الله عليه و سلم)の取成し → ⑧アッラーから記録書の授与 → ⑨自分の行いがはかりにかけられる → ⑩スィラート(地獄にかかる橋)を渡る → ⑪報奨 天国について


⑪ 報奨その2


質問:「ライヤーン」は、断食をしている時に亡くなった人が入る門か、常にスンナの断食をいつもたくさんしていた人が入る門か?

答:その人の人生の中でもっとも多い善行が、断食だったという人が入ります。人と比べて誰よりもたくさんしていた人が入るというわけではなく、あくまでもその人の人生の中で、どの善行が多いかによって、どの門から呼ばれるかが決まります。

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は仰いました。

≪アッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)は「アッラーの道のために一対のものを捧げた者は『おおアッラーの下僕よ』と呼ばれて天国に招き入れられます。これは素晴らしいことです。また礼拝を規則正しく行っている家族の者は礼拝の門から招き入れられます。聖戦に参加した家族の者は聖戦の門から招き入れられます。サダカを行っている家族の者はサダカの門から招き入れられます。断食を行っている家族の者はライヤーン(注)の門から招き入れられる」と申されました。
アブー・バクル・シッディーク(رضى الله عنه)は
「アッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)よ、人はどうしてもそれらの門の一から呼ばれて入らねばならないのでしょうか。
人はそれらの門だけから入るのでしょうか」と尋ねました。アッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)は、
「その通り、私はあなた方がその人々の一人であるよう願っている」と仰いました。≫ムスリム伝承

一対のもの:銀と金、牛ニ頭や馬二頭、奴隷二人など、対にしてサダカするという解釈と、全ての崇拝行為、例えば、礼拝を2回することや、断食を二日することなどという解釈もあります。

天国にあるもの

2.高く構えた部屋

【だが主を畏れる者に対しては、館の上に高楼(高く構えた部屋)があり、その下には川が流れます。アッラーの御約束である。アッラーは決して約束を破られません。】聖クルアーン 集団章 20節

この部屋というのは、高い城のことです。

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はこの城が誰のものかと尋ねられて、こう言われました。

≪良い言葉を話し、食べ物を与え、夜、人々が寝ている時に。礼拝をした人のものです。人々が寝ている時に。≫
ティルミズィー伝承

《「天国の信者は、彼らの上層に住む人々を彼らよりも秀れた人たちであるため、丁度、東や西の空の方角に輝きながら移動する星を眺めるように仰ぎ見ます。」
人々が「み使い様(صلى الله عليه و سلم)、そこは預言者たちだけの住む所で、彼ら以外には行けない場所なのですか」とたずねると、み使い(صلى الله عليه و سلم)は、「いや、私の生命を御手にされる方に誓って!アッラーを信仰し、その御言葉を信ずる者らは誰でもそこに行くことができます。」と言われました。 》
アル=ブハーリーとムスリム伝承

天国にあるもの

3.大きな木:

質問:天国にある大きな木はどのくらい大きいでしょうか??

答え:預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はこう言われました。

《天国には、乗り手がその日陰を100年旅しても踏破できないほどの距離を持つ一本の樹があります。 》
アル=ブハーリーとムスリム伝承


天国にあるもの

4.果物:
【長く伸びる木陰の、絶え間なく流れる水の間で、豊かな果物が絶えることなく、禁じられることもなく(取り放題)。】聖クルアーン 出来事章 20節

【かれらは、錦を張り詰めた寝床の上に寄り掛かり、楽園の果物は近く(手の届く所)にあろう。それであなたがたは、主の恩恵のどれを嘘と言うのか。】聖クルアーン 55慈悲あまねくお方章 54、55節

質問:天国というと必ず出て来る果樹園、この果樹園に、この世にいながら行くことができる方法があります。さて、それは何でしょうか?

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は仰いました。

≪病人を見舞う者は戻るまで、いまだ天国の果樹園に居ます。≫ ムスリム伝承

天国にあるもの

5.市場

質問:天国の市場に行って帰ってくると、人々はどうなりますか?

≪天国には人々が毎週金曜日に集まる市場があります。そこでは、北風が吹いて、彼らの顔や衣服の上に芳香をまき散らし、彼らの魅力と美しさを増加させます。このような魅力や美を増した彼らが家族の許に戻ると、家族の者たちに『アッラーに誓って!あなたたちは、外出してから、一層、魅力的で美しくなりました』と言われるが、彼らはそれに対し『アッラーに誓って!留守の間にお前たちも魅力的で美しくなった』と言うことだろう≫
ムスリム伝承

天国にあるもの

6:家族

天国は、一人で住むところではありません。永遠の伴侶や子供達、家族と一緒に暖かな家庭の中で暮らします、إن شاء الله


【信仰する者たち、またかれらに従った信心深い子孫の者たち、われは、それらの者を(楽園において)一緒に
します。かれらの凡ての行為に対し、少しも(報奨を)軽減しないであろう。誰もがその稼ぎにたいし、報酬を受けます。またわれは果物、肉、その外かれらの望むものを与えよう。かれらはそこで互いに杯を交そう。その時にも虚しい話にふけることなく、乱暴も犯しません。】聖クルアーン 山章 21-24節

信仰する者と、その子孫を一緒にするという記述は、敬虔な親を持つ子供達は、彼らの善行が親の善行に届かなくとも、親のいる天国に入ることができる、という意味です。イブン・カシールのタフシール(クルアーン解説書)の中には、こうあります。「預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はおっしゃいました。≪もしある男が天国に入ると、彼の両親と妻と子供のことを尋ねます。するとこう言われます。「実に彼らは、あなたの位には追いつかなかったのですよ。」すると、男はこう言います。「ああ、主よ。私が善行を行ったのは、自分と、そして彼らのためです。」すると彼らは、彼に追いつくように命じられます。そして、イブン・アッバースは、【信仰する者たち、またかれらに従った信心深い子孫の者たち、われは、それらの者を(楽園において)一緒にします。】という節を読みました。これは、至高なるアッラーが、両親の善行の祝福によって、その子供達に与えられる恩恵です。一方、子供達の行いの祝福により両親に与えられる恩恵については、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はこうおっしゃっています。≪実にアッラーは、天国において敬虔な僕の位を高められます。そして、彼はこう言います。「ああ、主よ。本当にこれが私のものですか?」すると、こうおっしゃいます。『あなたの子供があなたのためにしたイスティグファール(アッラーにお許しを請うこと)によるものです。』」イマーム・アハマド伝承

これを裏付けるムスリム伝承の別のハディースがあります。

≪もしもアーダムの息子(人間)が亡くなったら、次の三つのもの以外の彼の行いは断ち切られます。サダカ・ジャーリア(続くサダカ。本や井戸を寄付したりして、その恩恵をまだ人々が受け続けるサダカ。)、それによって役立つ知識、敬虔な子供が彼のためにするドゥアー。≫ ムスリム伝承

 クルアーンの中には、これに限らず、様々な天国の描写があります。お給仕をする永遠の少年、サルサビールと言う泉、美しい洋服、銀のブレスレット、銀の水差しとコップ、生姜の入った飲み物、などなど。一部をご紹介します。
【 かれらが耐え忍んだので、かれは楽園と絹(の衣)でかれらに報われ、その(楽園の)中で、寝床の上にゆったりと身を伸ばし、かれらは酷暑の太陽も、凍る寒気もおぼえないであろう。(樹木の)木陰はかれらの上を覆い、(果実の)房は慎ましく垂れ下る。銀の水差しとガラスの杯は、かれらの間に回されよう。ガラス(の杯と見えたの)は銀で造られていて、かれらは好みの量をそれに満たす。かれらはそこで、生姜を混ぜた杯の飲物を与えられよう。そこに、サルサビールと名付けられる泉がある。また永遠の少年たちがかれらの間を往来し、あなたがかれらを見ると、捲き散らされた真珠であると思うであろう。あなたは視線を向けると至福の壮大な王国を認めるであろう。かれらは美しい緑色の絹と錦の外衣を纒い、銀の腕輪で飾られ、主はかれらに純良な飲物を飲ませられる。「本当にこれはあなたがたに対する報奨である。あなたがたの努力が受け入られたのである。」(と仰せられよう)。われこそは、段階をおってあなたにクルアーンを下したものである。だから(伝道に専念し)、あなたの主の審判を耐え忍んで待て。かれらの中の罪ある者や、不信心者に従ってはならない。朝な夕なあなたの主の御名を唱念しなさい。そして夜の一部をかれにサジダし、長夜のしじまに、かれを讃えなさい。】聖クルアーン 76人間章 12-26節

→ 次回は、إن شاء اللهこの天国に、真っ先に入る人と一番最後に入る人について。
アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام


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