満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

200のハディースその34

2012-05-03 | ハディース&子どものための物語
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم


満腹を避ける(さまざまなハディースより⑨)

 《アブー・カリーマ・アル=ミクダーム・イブン・マアディーカリブ(رضى الله عنه)によると、アッラーの御使い様(صلى الله عليه و سلم)が、「人にとって最もいけないことは満腹になることです。背筋を真っすぐに保つには少量の食べ物で十分です。それが無理なら、三分の一を食べ物のため、三分の一を飲み物のため、三分の一を呼吸のために空けておきなさい。」といわれるのを聞いた。》(アッティルミズィーによる伝承)




 食は生命を保つ本源でありますが、食の取り方が、体のみならず人間の生き方にも大きな影響があることが、このハディースから学ぶことが出来ます。
 腹八分目に医者要らずといわれ、満腹になるまで食べず、適量に済ませばお腹をこわすこともなく、医者にかからなくて済むことは、多くの人が知るところです。医食同源という言葉もあり、食を慎むことは健康維持につながります。
 このハディースでは、食べ物と飲み物に三分の一ずつとありますから、腹八分目より少なく、腹六分目を勧めています。その効用については、医者が、小食は健康の原点であるとして、小食療法を取り入れ、治療に応用していますから、科学的根拠があります。
 満腹により、腹の皮が張れば、目の皮がたるむ、と言うように、多く食べると眠くなります。食べすぎると、背筋がまっすぐにし、仕事をすることが難しくなります。
 そして、食べ物を頂くときですが、他のハディースに、「隣人がかたわらで空腹を抱えている時に腹一杯食べる物は、信者ではなりません。」アルバイハキー「信仰集成」)とあります。種類豊富な食べ物に囲まれているわたしたちは、アッラーに感謝すると同時に、日々ひもじい思いをしている人に思いをはせる飲食マナーが求められます。食を通じて慎み深さを養い、飽食したり、美食を追い求めることを避けなければなりません。
 また、食事の作法について、次のようなハディースがあります。「アッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)は食事をされた時には使用された三本の指をお嘗めになっていた。そして『誰のものでも一口程の食べ物が落ちた時は、付いたものを取り除いて食すがよい。シャイターン(サタン)にそれを放置してはならぬ。』と仰った。そしてわれわれに皿に付いている物もきれいに食すことをお命じになり『まことに、あなた方が食べ物のいずれの部分に祝福があるのか分からないであろう』と仰った。」(ムスリムによる伝承)
 お皿に盛られた食べ物を頂くマナーがあり、それも、盛り付け前の使われていないお皿のようにすることを聞いて、深く考えさせられました。そのあまりの謙虚さに驚くばかりです。“もったいない”の極地と言ってもよいでしょう。
 これらのハディースから、飲食の慎みによって身を正し、人格が養われることが理解できます。

アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام



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