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満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

心の浄化(ナフスを清めるための方法)②

2005-01-23 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم

【Ⅱ)自分の心をしつける(鍛える)方法(タハズィーブ)】

ー「(善行を積んだ魂に言われるであろう。)おお、安心、大悟している魂よ、あなたの主に返れ、歓喜し御満悦にあずかって。あなたは、わがしもべの中に入れ。 あなたは、わが楽園に入れ。」(89:27~30)
自分を鍛えていけばこういう境地になる。

(聖クル’アーンの注:安心・大悟[ムトマインナ]は、何の悩みもこだわりも、感情による撹乱も、憂いも恐れもない完全に悟りきった安らぎで、魂が至福の最後的段階に到達した状態をいう。イスラームでは、主との会見の一瞬まで、誤りやアッラーへの奉仕に寸分の間断のないように奮闘努力していちずに主の御満悦を請い願うのである。)

付記:(イスラーム辞典:黒田壽郎氏編、東京堂出版219pから220p)
タサッウフでは
アッラーは人間を普遍的な精神(ナフス・クッリー)から創った。しかしさまざまな汚れにまみれて、地上では七種類の精神をもつに至っている。

①ナフス・アンマーラ(命令を下し、悪を導き精神)
ー「(人間の)魂は悪に傾きやすいのです。」(12:53)
これは人間にとって最も恐るべき敵である。怒り、快適、高慢、へつらい等が代表的なものである。
ハディースにもこう述べられている。
「お前の最大の敵は、お前の中に巣くっているお前の心である。」
このような悪しき影響から身を守るためには、忍耐力を培い、世俗的な事がらから心を奪われず、誠実さ、謙譲の徳を養わなければならない。たえず「ラーイラーハイッラッラー」と唱えてアッラーを想起し、警戒心を失わなければ、人間はアッラーの定めた法、シャリーアの矩(のり)を超えず、ナースートの段階に達するといわれる。

②ナフス・ラッワーマ(非難し、批判する精神)
ー「また、自責する魂において誓う。 」(75:2)
この精神のもたらす悪は、自惚れ、虚偽、瞞着、中傷、非難、冗談、嘲笑、揶揄、叱責等によってもたらされる。この悪を抑制するには、上述のものに捕らわれぬよう心掛け、「ラーイラーハイッラッラー」と声高に唱える。これにより人は預言者の行い、タリーカに準じて身を持つことができるようになり、かくしてマクラートの段階に達するとされる。

③ナフス・ムルヒマ(霊感を受けた精神)
ー「魂と、それを釣合い秩序付けた御方において、 邪悪と信心に就いて、それ(魂)に示唆した御方において(誓う)。 」(91:7~8)
この精神はあらゆる種類の影響下にあるが、善行と敬神が勝っている。悪の影響下が優勢になることはまずありえない。飢え、孤独に耐え、つねに精神を目覚めさせ、余分の断食を行う等、義務で定められた以上の勤めを果たすことにより、預言者の状態といわれるハキーカの次元での高度な状態が果たせるようになる。このような状態になればジャルバートの段階に達したといわれる。

④ナフス・ムトマインナ(平穏な精神)
この精神の影響下にあす人間は、自我を無意味なものとして自己放下する段階にある。そして森羅万象のうちに、アッラーだけを認める。
ー「おお、安心、大悟している魂よ、あなたの主に返れ、歓喜し御満悦にあずかって。」(89:27~28)
彼の心の中ではつねに「ラーイラーハイッラッラー」と祈念し、預言者の秘密に属するマアリファの段階の善行を行いうる。この水準はラーフートと呼ばれる。

⑤ナフス・ラーディヤ(満ちたりる精神)
精神は完全に満ち足りた状態である。アッラーに対する帰依が徹底し、そのさまざまな命令に満足する段階である。

⑥ナフス・マルディーヤ(嘉されたる精神)
先の状態がさらに洗練されると、アッラーのご満足が得られる状態に高められる。

⑦ナフス・カーミラ(完全な精神)
あらゆる状況、あらゆる状態、あらゆる行為において完璧な行いができる精神。


1)監視する(イフサーン)
常にアッラーを想い、アッラーから見られていると意識する。
(2:235、33:52、57:4)

2)悔悟(タウバ)
*タウバとは?
・アッラーの罰を畏れて背くことをやめる
・アッラーの眼を畏れて、アッラーに見られることを恥ずかしく思って悔悟する
・アッラーの偉大さゆえに悔悟する
(66:8、2:222、42:25)

*タウバはどんな条件を満たさなければならないか?
①すぐにやめること
②やったことを後悔する
③もう二度とやらないと決意する
④人の権利に関わることは、相手に対するつぐないが必要
(言葉で傷つけた場合は相手の許しが必要、盗んだ場合は返さなければならない、心で反省するだけでなく形で表す必要あり)

(カザーリー)
・タウバは重要なことで些細な罪に対しても行わなければならない・・罪が重なっていって消せないぐらいに膨らんでいく
・人はいつ死ぬかわからない。アッラーが赦してくれる時間は死が訪れる前まで。しかし死の直前(最期の息が出るとき)はもう遅い。・・・病気や死が来た時に罪を消すための猶予がなくなる

3)ズィクルをする
・ズィクルによってアッラーからの光が与えられる、よいことをしようとする気持ちが大きくなる
・ガフラ(アッラーを忘れている状態、安楽に流されている状態)、反抗、欲望、悪への衝動から自分を遠ざける
・ズィクルに関しては聖クルアーンでも「たくさん多く(カスィーラ)ズィクルしなさい」と書かれている。”たくさん”と書かれているのはズィクルのみ。(礼拝は決められてラカーがある。)アッラーの眼からみてもズィクルは重要。
(33:41、8:45、33:35、3:190~191)

*ズィクルとは?・・・アッラーの名を唱えること(狭義)
*ズィクルの種類(広義)
①聖クルアーンを誦むこと・・・聖クルアーンに書かれていることはアッラーのこと。だから誦むこともズィクルに含まれる。
(68:52、38:87、54:17、73:473:20)
②義務を果たすこと・・・礼拝(アッラーを讃える言葉がたくさんある)、断食、ハッジなどの五行。アッラーの御満悦を願ってすることだから、崇拝行為もズィクルに含まれる。
③知識を求めること・・・人に教えること、同じレベルの人が集まって一緒に勉強すること、暗記したり暗記させたりすることもズィクルに含まれる。勉強する場所に行くこと、そこから帰ることもズィクルに含まれる(アッラーの道に中にいる。帰るまでその道を歩んでいることになる。)
④アッラーの名や性質を唱えたりする・・・タクビール(アッラーフ アクバル)、カリマ(ラー イラーハ イッラッラー)、イスティグファール(アスタグフィルッラー、アッラーの赦しを願う)、ドゥアーなど。

*唱念の種類
イ)時間や場所、行為に関わるズィクル・・・決められた時間のドゥアーがあるように(朝起きた時の唱える言葉、トイレに入ったとき、くしゃみの時など)
ロ)いつでもやってよいズィクル・・
ー「または立ち、または座り、横たわって不断にアッラーを唱念し」(3:191)
(33:42、76:25、73:8)

a)舌を動かすズィクル
b)心の中でのズィクル(7:204、13:28)
  ハディースの中に”心の中でするズィクルは最も良いズィクル”とある。

・ズィクルをはじめるときにはまず赦しを求めてからズィクルをする。(11:3、11:52、110:3)

4)アッラーに近づく方法
ファルド(義務)のものだけでなくナフル(随意・・スンナも含まれる)のものを増やす努力をしていく。
(17:79、51:15~18)深夜の礼拝(タハッジュドなど)

【Ⅲ)治療法(ムアーラジャ)】
怒り、見栄、そねみ、嫉妬、尊大、自慢、けち、その他の心の病気を治す方法
・日々繰り返していって治す
・一番大切なのはアッラーに助けを求めること
・二番目に、良いムスリムたちのそばになるべくいるようにすること

*ズィクルのやり方(参照)
・ドゥ’アー→イステゥグファール(何回でもよい)→開端章(1)→胸を広げる章(94)→預言者へのタスリーム→純正章(112)→ドゥアー
・ラー イラーハ イッラッラーを33回唱える
・スブハーナッラー、アルハムドリッラー、アッラーフ アクバルを33回唱える


ズィクルは本来は心の中で思うものです。キブラの方を向いて、唱念します。灯りは落としてください。自我は恥ずかしがりやなので、暗くしたほうがアッラーへ向かいやすくなります。但し、真っ暗にはしないで下さい。暗闇はシャイターンが好むものです。

ズィクルの方法は様々ですが、これはブラザー・アハマドから教えていただいたひとつの方法です。参考までに。ひとつひとつのフレーズを何回も言います。(5分弱ぐらいでしょうか。)

اعوذ بالله من الشيطان الرجيم
(ア‘ウーズ ビ=ッラーヒ=ミナ=ッ=シャイターニ=ッ=ラジーム)
بسم الله الرحمان الرحيم
(ビスミ=ッラーヒ=ッ=ラフマーニ=ッ=ラヒーム)
و ما توفيقي الا بالله العلي العظيم
(ワ マー タウフィーキー イッラー ビ=ッラーヒ=ル=‘アリーイ=ル=’アズィーム)
استغفر الله العظيم

(アスタグフィル=ッ=ラーハ=ル=アズィーム)
اللهم صلى على سيدنا محمد النور و اله
(アッラーフンマ サッリ アラー サイイディナー ムハンマディ=ニル=ヌーリ ワ アーリ(ヒ))
لا اله الا الله

(ラー イラーハ イッラ=ッラー)
يا ذا الجلال والاكرام

(ヤー ザ=ル=ジャラーリ ワ=ル=イクラーム)
يا رحيم

(ヤー ラヒーム)

純正章を三回、

開端章を一回唱える。


アッラーのご加護と祝福がありますように
و السلام

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