Mooの雑記帳

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7月7日(日) 池田町の人口減少問題 その2

2024-07-06 11:46:13 | 日記

団塊の世代を中心とする高齢者が出生者数をはるかに上回って死んでいくわけだから、急速な人口減少は避けられない。財政力のある自治体が工夫を凝らして移住者を集め出生率を上げたとしても、大体は人の奪い合いに陥るのが関の山です。

また、出生率の低下には、先にも書いたように一家で農業や事業を支える多世代型生活スタイルがとっくの昔に消滅し、核家族化がすすみ生活スタイルが都会化してきている以上、結婚観や子育ての考えも根本的に変わってきている。

では、結婚した二人は子どもが欲しくないのかといえば、決してそんなことはありません。出来れば2人、あるいは3人の子どもが欲しいと考える人も多い。だが、そこに大きな壁が立ちはだかる。
大学を卒業して社会に巣立った若者たちを待っているのは、非正規雇用と低賃金、物価高。正規雇用された場合でも、定時に帰宅し社会的な活動や趣味などに時間を使える人はそれほど多くない。
結婚したくてもできない。しても子どもにかかる費用を考えれば躊躇してしまう。そして、孤立した環境の中では出会いの機会さえ奪われている。特に東京で生活を始めた若い世代は、モロにそうした流れに放り込まれる。

この国の人口問題とくに少子化対策の第1の柱は、正規雇用があたりまえの安定した労働環境と生活が十分保障される賃金水準の社会にすること。
第2の柱は、子育てに関連する国の財源、地方の財源を大幅に増額し、制度的に保障すること。
第3の柱は、それぞれの自治体を、若い世代にとって生活しやすく子育てしやすい場所にすること。

第1、第2は主として国政レベルの問題だから、第3と関連はあるとしてもとりあえず脇において、自治体政策に焦点を当てて考えていくことにしたい。ただし、第1、第2については、私たち自身が問題意識を強く持って解決策にアプローチしていくことは当然として、この点に本気で取り組む政権を生み出せない限り、限りなく未来は暗いのではないか。

私としては、当面は国政レベルや地方レベルの政策を考えることより、まず自治体の実態を正確につかみ、問題がどこにあるのかを知り、そこから課題をえぐり出す手法を採ろうとしている。
従って、ここで提示しているものは、人口減少問題とはなにか、少子化の原因はどこにあるのかを探ることにまず焦点を当てているのだとお断りしておきたい。

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(池田町の人口減少の実態)
1.崩れ始めた、池田町の利点=転入、転出のバランス
池田町は従来、北アルプスの景観とその麓の素朴な田園風景に惹かれ、多くの移住者が見られた。私もその一人だ。退職した高齢世帯の移住もそれなりにはあるが、次の資料を見ても、決して多くはない。圧倒的に多いのは20代、30代なのであって、あとはなだらかな曲線になっている。

これだけ転入者がありながら、転出者が20代で突出していることが第1の問題点だ。これについては、前回指摘した。

2.3重苦の池田町の実態
下の資料を見ると、長い間、池田町の転入・転出(社会増減)のバランスは他市町村の比べても遜色はなく推移してきた。しかし、2015年あたりからの出生者数の極端な減少と高齢者の死亡者数の増加で自然減が増大し、人口減少に拍車がかかっていることがわかる。これに社会減が加わって3重苦に陥っているわけだ。

3.直線的に下降する池田町の人口
国際アルプス学院の誘致の際に、この話を町に持ち込んだ県議も町の理事者も、「人口増加に寄与する」と説明していた。しかし、新型コロナの影響はあるにしても、それから数年経って生徒はおらず全くの事業失敗であることは明白。しかし、町はこの問題については依然として口を閉ざしたまま。

下の図を見てみよう。これはかつても何度か示したものだが、最近の人口増減も示している。

特徴的なことは、減少の下降率はほぼ一定であり、年140人~150人減り続けている。果たしてこれがいつまで続くのか。
ところが、お隣の松川村は、この一年半、ほとんど人口を減らしていない。比較的若い村であることは考慮しても、減少傾向に入った後、その傾向が続くのではなく、ここ2,3年一定数を維持することに成功していることに注目したい。

県外他市町村の政策に目が奪われがちだが、隣村の経験から何を学ぶのか、もっと真剣に実態を知る必要があるのではないか。行政でも議会でも、隣の松川村の担当者や住民から意見や経験を聞こうという話は一度も聞いたことがない。せめて退職された平林前村長を招いてお話を聞くくらいはしてもよいと私は思うのだが。

以上、3つの表を見ながら、池田町の実態から何をつかみ取り、どのような課題があると考えられるのか。議論はそこから始めなければならないのだろうと私は思う。

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