Mooの雑記帳

日々の感想などを書いていきます。

12月28日(水) 「戦争ではなく平和の準備を」

2022-12-28 13:43:21 | 日記

時事通信社が27日に配信したニュースに、防衛省が来年度予算に与那国島へのミサイル部隊配備のための土地取得、庁舎、火薬庫などの建設費を盛り込む方針であるとの記事があった。

下は2011年に与那国島を訪問した際の写真。このときにはまだ自衛隊の配備は行われていなかった。

YouTubeには、日本テレビ系のニュースがアップされており、その下には
「基地があってもなくても攻撃は起こる」「最前線には抑止力となる基地は必要」「攻められたらどうするか」「基地反対派を最前線に」などというコメントがズラズラと津習っている。批判的な意見はほとんど見られない。

それらを見ると、現在の中国の軍備増強と台湾情勢への覇権的・強権的な対応に対して、与那国島が攻められる危険は高まっており、自衛隊のミサイル部隊配備は緊急課題になっているという錯覚にとらわれるかもしれない。軍拡や他国への排外的な世論形成にはこうした無数の声が必要だということがよく分かる。

しかし、よくよく考えて見ると、「護憲勢力」に投げつけられる右からの「平和ボケ」という悪罵が、そのまま彼らにブーメランとなって戻っていることが分かる。要するに、戦争を誰がなぜどのように引き起こすのか、他国を侵略するということはどのようなことなのかを一切を無視し、しかも国民的な熟議を一切欠いたまま、目の前の「脅威」に軍備拡大をもって備えるという発想なのだ。つまり、80年近く前の日本の侵略戦争の経験、ロシアによるウクライナ侵略の経過や結末から何も学んでいないこと、つまり平和ボケ、ゲーム脳に陥っていることを問わず語りに示している。

第1。攻撃がなぜ起こるのか、その前提がすべて欠落している。
戦争は政治の延長、破局なのであって、何もない状態で突然ある国が他国に攻めてきたり占領することが起こるわけではない。中国の台湾に対する対応も「台湾独立」への方向が明確になった場合は座視しないということであって無条件ではない。

第2。ミサイル基地はどのような状況のために配備されるのかを見ていない。
明らかに台湾有事のためであり、米軍の行動と連動している。つまり、アメリカと関わりなく与那国島が攻撃されたり占領されたりすることはあり得ない。

第3。コメントに見る配備賛成の意見は、中国の脅威・攻撃・占領に対抗するためには軍備は必要であり、それ以外の選択肢はないというもので、極めて近視眼的、短絡的、ゲーム感覚的。
島民の安全を守るのは軍隊だという論理だから、簡単に果てしない軍拡につながっていく。当然、シェルターも必要になるし、ミサイル部隊も無数に必要になる。果ては、軍港、戦闘機の発着場なども求められる。

第4。他国へ侵攻し占領するには、とくに陸続きでない限りは、輸送、兵站などの手段が欠かせない。それだけの準備をあえて行うには、それに見合う利益がなければならない。
絶対国防圏を確保するとして南方の島々に兵士を送り込み、果ては無惨な死に追いやったかつての日本軍のように兵站を無視する愚を中国が行うだろうか。
むしろ、周辺事態法によって米軍と共同行動する自衛隊に反撃し、与那国島を攻撃するのであれば、「攻めてくる」などというよりも、ミサイルでの攻撃で基地を無力化し、制海、制空権を完全に取った上で少人数で確保するのは当然の成り行き。その際には、島民はすべて犠牲にされる。その責任はすべてそうした事態を招いた日本の政府にあることになるのではないのか。

第5。アメリカの極東戦略の動向とそれと一体化している自衛隊の現在を全く見ていない。このことは過去に繰り返し指摘してきたことで、危機が一般的に生じているわけではない。

第6。軍備を行わなくても島民の安全を守る方法があるという選択肢は、そもそもカヤの外に置かれてしまっている。下の平和構想提言会議の提言がその選択肢を示している。

結論として、このミサイル配備の論理は、果てしない軍拡と日本を戦争に巻き込む更なる一歩だということを、私は強調しておきたい。

参考:平和構想提言会議 戦争ではなく平和の準備をー”抑止力”で戦争は防げないー


12月28日(水) 相変わらず寒い

2022-12-28 10:34:56 | 日記

冬型の気圧配置が緩んだ今朝は深い霧。霧は晴天の前触れですから、時間が経てばきれいに晴れ上がってくるはず。と、思って時々外をのぞいていると、今日はまた景色がめまぐるしく変わってなかなか見応えがありました。

午前9時頃までは、西の北アルプス方面は全く見えなかったのですが、それから間もなく霧が晴れてきてぼんやりと山々の峰が浮かび上がり、ほどなくしてまたすべて霧の中に。10時過ぎには、昨日のようなすがすがしい山の全景が目の前に広がりました。

日の光が雪に反射してキラキラと美しい。都市部では車の排ガスや土で黒く汚くなりがちですが、こちらは全く違っていつまでも白いまま。どの方向から見てもキラキラが見えるので、その正体を探ってみると、3日前までに降った雪の表面が一度溶け、夜の余りに冷え込みに再結晶した氷が無数にできていて乱反射しているのだとわかった。自然の造形は何とも言えず美しいものですね。