●〔76〕日垣隆『知的ストレッチ入門-すいすい読める書けるアイデアが出る-』大和書房 2006 (2006.10.06読了)〈2006234〉
○内容紹介
1ケ月で100冊の本を読む、探し物は2秒以内、使えるメモの技術と資料の集め方、仕事を後回しにしないコツ、アウトプットを前提とする…。地道な努力にサヨウナラ。すぐに使える21世紀の知的生産の技術を紹介。
月間締め切り50本!驚異の知的生産量を誇る気鋭のジャーナリストが、その商売道具と手の内を大公開!
■1ヶ月で100冊の本が読める/探し物は2秒以内/締め切り効果/机廻りの優先順位/即決はなぜ得か
日垣隆版「知的生産の技術」ということで、いつものように軽口を挟みながら、スイスイと書かれていました。
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知的ストレッチをするうえで、頭に叩き込んでおいてほしい基本原則が3つあります。
1、インプットは必ずアウトプットを前提にする
2、うまくいった諸先輩の方法をどんどん採り入れる
3、おのれを知る
(p.17)
やっぱり、どのようなアウトプットをするかということが、アルファでオメガであると思います。特に素人の場合、これがはっきりしていないと、玩物喪志になってしまうのではないでしょうか。立花隆『知のソフトウェア』講談社現代新書(1984)でもそのことが述べてありました。
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さらに推測で断定しておきますと、ブログにハマっている人々は、はっきり言ってインテリ層ばかりです。
とりわけ、35歳以上でブログを始めて嬉々としている方々は、小遣いの多くを本代に費やしてしまい書物の置き場に困っている人々に違いありません。(p.143)
私自身、35歳以上で、ブログにハマっています。インテリ層かどうかは別にして、「小遣いの多くを本代に費やしてしまい書物の置き場に困っている」という点はあたっています。
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私が宅配新聞をとらなくなって2年以上が経ちました。さまざまな媒体でニュースの解説をしていますが、困った事態になったことは、ただの一度もありません。ネット上や、駅や店舗で販売されている新聞を買って目を通すことはもちろん日常的に行なっています。(p.188)
ジャーナリストが新聞をとっていないとは、ちょっと驚きです。
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(堀江貴文『100億稼ぐ仕事術』について)恥かしいタイトルですが、本文では、けっこう良質であたりまえな「仕事術」が紹介されています。良いことは、すぐに取り込みましょう。(p.212)
恥ずかしながら、私も堀江貴文『100億稼ぐ仕事術』ソフトバンクパブリッシング(2003)、同『100億稼ぐ超メール術-1日5000通メールを処理する私のデジタル仕事術-』東洋経済新報社(2004)は読みました。
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「おわりに」で、戦後日本の知的アウトプットに関するベストセラーを何冊かあげています。
・梅棹忠夫『知的生産の技術』岩波新書(1969)
・板坂元『考える技術・書く技術(続)』講談社現代新書(1977)
・渡部昇一『知的生活の方法(続)』講談社現代新書(1979)
・立花隆『「知」のソフトウェア』講談社現代新書(1984)
・山根一眞『スーパー書斎の仕事術』アスキー(1986)
・野口悠紀雄『パソコン「超」仕事法』講談社(1996)
ここに挙げたベストセラーは、それぞれの時期にあって、知的生活のための優れた教科書でありました。しかし改めて読むと、私たちを取り巻く前提条件のあまりの変化に、頭がくらくらしてきます。これらはもちろん慶賀すべきことです。諸先輩が直面してきた大課題のほとんどがクリアされ、夢がことごとく実現しているのですから。(p.220)
上記の本は私も全部読んできました。懐かしいとともに、いままで碌なアウトプットをしてこなかったことを考えると忸怩たる思いがあります。
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※日垣隆公式サイト ガッキィファイター