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ΓΝΩΘΙ ΣΑΥΤΟΝ-購書&購盤日記-

本やCDを買う日々の記録です。ツイッター:http://twitter.com/sr_azev

《読書》林家たい平『たいのおすそ分け-ちょっと、いい噺-』主婦と生活社

2010-04-28 05:33:20 | 読書
●〔128〕林家たい平『たいのおすそ分け-ちょっと、いい噺-』主婦と生活社 2006(2009.12.28読了)

○内容紹介
素敵な出会い、言葉の数々、見逃していませんか?たくさんの感謝とあふれる笑いを、みなさんにおすそわけ。「笑点」の元気印、林家たい平さんが全国各地を歩いて集めた、とびっきりのいい噺。
 毒にも薬にもならないエッセイでした。

○お歳暮
 お中元、お歳暮って、何を贈ったら喜ばれるか難しいですよね。(中略)
 大師匠のおかみさんは、すごく合理的に対処してくだきって、私たち弟子には、欲しいもの、必要なものを言ってくれるので、こっちも助かります。兄弟子は、お風呂洗剤二十本とか、電球六十ワット十個とか、ラップを二十本とか。(p.92)
 合理的といえば、合理的ですが。
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《読書》中川淳一郎『今ウェブは退化中ですが、何か?』講談社BIZ(その2)

2010-04-27 21:29:37 | 読書
●〔127〕中川淳一郎『今ウェブは退化中ですが、何か?-クリック無間地獄に落ちた人々-』講談社BIZ 2009(2009.12.27読了)〈2009133〉

(承前)

○絶対に実名と立場を明かさない人たち
 知り合いの雑誌編集者から誘われて行った別のオフ会には、ブログ界ではよく知られた人たちが多く来ていた。彼らはブログを書くことでアフィリエイトの収入を得たり、企業からのモニター謝礼で生活を成り立たせているといった、すごいレベルの人々である。名刺には自分のブログのタイトルを印刷し、「どうも~、○○です」とハンドルネームを名乗る。そこに書き込まれているのは、メールアドレスとURLとハンドルネームだけである。
 彼らは、自分のプライベートに関する話はしない。その一方で、いかにブログを作っているかという話は嬉々として教えてくれる。話している最中も、iPhoneを出しては自分のブログをチェックしたり、コメントに返答したりしている。(中略)
 中には、最初は無愛想だったのに、私がネット上の話題を紹介するニュースサイトの編集をやっていることが分かると、突然、「私、こんなブログやってます」と名刺を出してくる人もいた。PVが増えれば自分の稼ぎが増えるため、彼らはリンクを張る可能性のあるサイトの関係者を大切にするのだ。名刺を交換するからには、私も名刺を差し出すことになるが、相手が限定的な情報を出しているだけにもかかわらず、こちらは実名、住所、電話番号、メールアドレスまですべて知らせることになり、何だか不安だった。
 そして、彼らはなぜか分からないが、やたらとガツガツとメシを食う。この手のオフ会はチェーンの居酒屋でよく行われ、だいたい6人くらいで一席を囲む。出てくるコースの料理ははっきり言ってロクでもないものが多く、しなびた刺身が入っていたりする。その会で私たちのテーブルに出てきた刺身盛り合わせには、甘エビが人数に合わせて6匹入っていたのだが、甘エビが好きなのか、一人で5匹食べてしまった人がいた。その後、エビの天ぷらが12匹出てきたが、この人は7匹食べた。別に恨んでいるわけではないのだが、まあ常識的ではない。
 iPhoneを見続けてまったく会話に参入しない人もいるし、何を聞いても「まあ、それは答えないでいいでしょう…」と言う人もいる。じゃあ何のために来てるんだよ! と思うこともしばしばだ。とにかく、何かと自分本位の人が多いのだ。(pp.236~237)

○個人情報
現に、私はこれまでフリーランスでネットニュースの編集者をやってきた間、休んだ日数は以下の通りである。
2006年‥0日(サイトがオープンした8月以降)
2007年‥3日(婚約者の遺体を見つけた8月15日と年末休みの12月30、31日)
2008年‥9日(正月休みの1月1日~3日、サイト運営会社の人が研修旅行に行った6月6日~8日、旅行のため代役を立てた7月26日、年末休みの12月30、31日)
2009年‥6日(正月休みの1月1日~4日、旅行のため代役を立てた3月20日、11月28日)(pp.209~210)

 1995年、オーストラリアに住んでいた恋人に、大学のPCルームで必死でメールを書き、直後に「すごい偶然ね! 私も今ネットに繋がっているのよ!」と返事が戻ってきた時の 感動は思い出になっている。そこからチャットをした。だが、これは「彼女」が向こう側にい たから感動したわけで、どこの誰だか分からない人とコミュニケーションを取ったとしたら、そこまでの思い出にはなっていないだろう。(中略)
恋人と一緒に蚊に刺されながら捕獲したザリガニとドジョウ。同棲を始めた日、引っ越しが終 わって皆が帰った後、「これからよろしくね!」と抱き合ったこと。「で、どうするの?」と彼 女に聞かれて「結婚しよう」と答え、またまた抱き合った寒い冬の朝-。(pp.251~252)
 なぜか個人情報を。「婚約者の遺体」とはいったい何があったのでしょう?

※画像は中川淳一郎
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《読書》中川淳一郎『今ウェブは退化中ですが、何か?』講談社BIZ(その1)

2010-04-26 21:27:11 | 読書
●〔127〕中川淳一郎『今ウェブは退化中ですが、何か?-クリック無間地獄に落ちた人々-』講談社BIZ 2009(2009.12.27読了)〈2009133〉

○内容紹介
ブログもSNSも何もあなたを変えない。ブロガーイベントも企業の業績を上げない。ウェブの集合知なんて、一部の頭の良い人たちだけの話だ。もうネットへの「期待」と「夢」を語るのはやめよう。もっと現実とリアルな世界を見ようぜ!炎上上等!かかってこい。
ツイッターなんて「駄文を垂れ流す暇つぶしツール」じゃん! ネットで夢を見る前に目の前の仕事をやれ! ネットによる「人のオンリーワン化」も「社会の進歩」もありえない! デジタルネイティブが増える中、退化していく人と世間の現状を辛辣かつユーモラスに紹介。

 前作に引き続き、面白く読むことができました。フムフムと頷くところ多数。

○2ちゃんねるを怖がり過ぎる大企業
 このように、世間や企業では割と健全だと思われているSNSやブログでも、問題は発生しまくっているのだ。それは、会員数が1741万人(2009年6月末時点)もいるミクシィのようなサイトでは、当然のことである。ところが企業の人々や、ネットにそこまで慣れていないユーザーは、「SNS=健全・安心」「2ちゃんねる=怖い・危険」と思い込んでいる。
 私はよく企業の人たちから、ネットプロモーションに関して、「ネット上でクチコミを起こしてほしいですなあ、ガハハ」などと依頼される。それに対して、「つてことは、ヤフートピックスに出ることがまず狙いですね」
 と答えると、そこまでは納得されるのだが、私が次のように続けると彼らの顔は曇る。
「その内容が2ちゃんねるにも行き、スレッドが伸びて、さらには2ちゃんねるの 『まとめサイト』に行くとなおいいですよ。そしてはてなブックマークに行き、個人ブログまで波及すれば完壁ですね」
 それを聞くと、企業の人たちはだいたい驚いてこう言う。
「中川さん、2ちゃんねるなんかに出たら、マズいに決まってるじゃないですか。あなた、大丈夫ですか? 私たちは、個人のブログとかミクシィの日記みたいな、まともで安心な場所で我が社の商品のことを書いてもらいたいんです。2ちゃんねるみたいなひどい場所に、ウチのネタは一切出てほしくない!」
 大企業の人の多くは、この程度の認識である。彼らは「個人ブロガーとミクシィユーザーはまともな人々で、2ちゃんねるユーザーは悪意に満ちた悪魔のような人間だ」と思っている。だが、断言してしまうが、もし「波及」を求めるのであれば、2ちゃんねるの方が優れている。それは、2ちゃんねるの方が検索に引っかかりやすく、話題が世間に波及しやすいし、ネットに慣れた人々が見ていることが多いため、PVの多いブロガーがそこからネタを拾って紹介してくれる可能性が高くなるからである。(pp.198~199)


○炎上防止
 この手の話が出るたびに、「変なことを書かれたくなければ、そもそもコメント欄なんてつけなければいいじゃん」という意見が出る。確かにそうだ。どれだけ世間が善意に溢れていると思うんだ? 甘いんじゃないの? 都合の良いコメントだけが来ると思うなよ、と私も考える。厳しい言い方かもしれないが、宣伝目的や絶賛キャーキャーコメントが欲しいためにブログをやっているのに、甘えたこと言ってるんじゃないよ、とも思う。もちろん、炎上させる行為や匿名でネガティブコメントを書く人々を肯定するつもりはないけれども。(p.216)


○「お客様は神様です」
 さて、話は三波春夫の「お客様は神様です」に戻る。三波の公式サイトを見ると、この言葉は誤用されていると事務所スタッフが指摘している。
「三波春夫にとっての『お客様』とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズです。三波が言う『お客様』は、商店や飲食店などのお客様のことではないのです」
 という前提を説明し、さらに次のように続くのが興味深い。「(『お客様は神様です』は)俗に言う“クレーマー”の恰好の言いわけ、言い分になってしまっているようです。元の意味とかけ離れた使われ方ですから私が言う段ではありませんけれど、大体クレーマーたるや、『お客様』と『様』を付けて呼んで貰えるような人たちではないと思います。サービスする側を見下すような人たちには、様は付かないでしょう」(pp.216~217)

〈To be continued.〉
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《読書》日垣隆『学校がアホらしいキミへ』大和書房

2010-04-21 11:52:43 | 読書
●〔126〕日垣隆『学校がアホらしいキミへ』大和書房 2008(2009.12.24読了)

○内容紹介
いじめ、試験、進路。悩ましい問題の画期的解答がここに!学校をめぐる硬直化した常識に挑む著者最新作!
 まあまあ、面白く読むことができました。いつもながら斜に構えていました。

○モチベーションとインセンティブ
 日本語では両方とも「動機」と訳されることがあるけれど、モチベーションとインセンティブは実際には全然違う。いくつか例を挙げてみる。
 「愛社精神と根性で今月のノルマを達成しよう」がモチベーション系であり、「来月は発表会があるから、毎日3時間は練習する」がインセンティブ系である。
 「喫煙は健康に悪いから止めたい。専門医にも通い、禁煙中という張り紙もした」がモチ系の悪あがき、「たばこを止めたら彼女がキスしてもいいと言ったので、すぐ止めた」がインセ系の解決法だ。
 「あいつを殺したら鬱憤が晴れる」がモチ系、「あんなクズを殺しても懲役20年は間違いなく、自分の人生も被壊されるから我慢する」がインセ系。(p.57)

○勇気
教養は雑学のことでは全然ない。自分を客観的に見るための智恵を教養と呼ぶ。
「スピリッツ」のアンケート結果を見て、もう一つ俺が残念に思えたのは「勇気」が14位だったことだ。
《財貨を失うこと-また働いて取り戻せばよい。名誉を失うこと-また挽回すれば世の人々は見直してくれるだろう。勇気を失うこと-この世に生まれてこなかったほうがよかったであろう。》ゲーテの言葉である。恋人のわがままや、職場の幾多の悪い習慣や、世の中の不条理を変えるのは、いつも小さな勇気だと思う。(p.62)

○見合いと恋愛
 俺自身は、お見合いをしたことがない。しかし、お見合いというシステムは実によくできていると、小学生のころから思っていた。
 近所の大人たちを見ていると、仲が良いのはたいてい見合い結婚派だったからだ。もっと正確に言えば、起点(結婚を決めたころ)には恋愛派の熱はほとんどピークに達してしまい、今でもそのアツさを維持している熟年夫婦は少ない。見合い派は違う。起点での期待値がインフレを起こしていないから、30年経ってもあまり目減りすることがない。
 中学生のころ、俺は 「誰とでも結婚生活を維持できる」 と、諸観察の結果そう思うに至った。熱愛後に結婚するとロクなことがない、とまでは言わないが、最初の期待値が低ければ低いほど、そのあと 「意外にいいヤツじゃないか」 と思われる確率は高い。もちろん理想的には、最高の相手と出会ってピークで結婚し、生涯ピークのまま同時に老衰できたらいい。しかし残念ながら、そんなことはまずありえない。(pp.84~85)

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《読書》今野敏『同期』講談社

2010-04-20 18:31:02 | 読書
●〔125〕今野敏『同期』講談社 2009(2009.12.23読了)

○内容紹介
懲戒免職になった同期の公安刑事が、連続殺人の容疑者に。「教えてくれ。おまえはいったい何者なんだ」男たちの前に立ちはだかる最も高い壁―組織の論理。その壁を突破するのは、刑事たちの誇りと絆。現時点での集大成ともいえる最新警察小説、登場。刑事、公安、組対……。それぞれの思惑が交錯する大きな事案を追いつつ、願いはただ同期を救うことだけ。圧倒的なスピード感で、あっと驚く展開の連続を駆け抜ける大興奮の700枚。

 面白く読むことができました。
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《読書》西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』よりみちパン!セ(理論社)

2010-04-19 12:17:36 | 読書
●〔124〕西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』よりみちパン!セ(理論社) 2008(2009.12.23読了)

○内容紹介
どん底だった、あのころのこと。「貧乏」は、札束ほどにリアルだった。「働く」はもっと、「しあわせ」につながっていい。だから、歩いていこう。自分の根っこを忘れないために。大切な人が、心から笑ってくれるように。切れば血が出る、読めば肉となるサイバラの物語へ、ようこそ。
人生に不可欠なものなのに、教育の場でも家庭でも語ることのむずかしいお金の話。西原理恵子が身をもって体験したお金にまつわるすべてを語ります。貧しさ、稼いで得たもの、ギャンブル、アジアからみた日本・・・。「お金」について考えることは、人間関係、仕事関係、つまり、自分と世界との関わりにつながっていくのです。西原流お金道はココロとカラダにぴりっと効きます。西原理恵子が漫画ではなく活字のみで勝負してきた画期的な一冊です。

 たいそう人気がある本で市の図書館で予約してから半年ぐらい待たされました。
 西原理恵子がいつも言っている「金が無いのは首が無いのと一緒や」ということですね。
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《読書》永江朗『本の現場-本はどう生まれ、だれに読まれているか-』ポット出版

2010-04-18 08:23:45 | 読書
●〔123〕永江朗『本の現場-本はどう生まれ、だれに読まれているか-』ポット出版 2009(2009.12.21読了)

○内容紹介
30数年で新刊が約4倍に増えた。この「新刊洪水」のからくりを知りたい―そんな動機から取材がはじまった。自費出版事情、ケータイ小説、フリーライターのいま。日本人の読書率。ベストセラーの読み手は…「本の現場」でいまなにが起こっているのか。

 「本の現場」について、いろいろなことがわかり、面白く、興味深く読むことができました。

○酷評
 それにしても、クソみたいな新書が多すぎる!
 新書を紹介するコラムを連載しているので(『エスクァイア』と『週刊SPA!』)、毎月、できるだけ多くの新刊に目を通すようにしている。ブームで新書が増え、取り上げる本を選ぶのが楽になるかと思いきや、実際は逆だ。出る新書、出る新書、みんなクズばかり。(中略)05年のベストセラー1位は『頭がいい人、悪い人の話し方』(樋口裕一著、PHP新書)だった。06年の1位は『国家の品格』(藤原正彦著、新潮新書)だった。07年の1位は『女性の品格』(坂東眞理子著、PHP新書)である。なんと3年連続で新書が首位だ。しかもこの3冊がそろいもそろってクズみたいな内容である。もともとベストセラーはクズばかりだが、ちょっとこれはひどい現象だと思う。(「新書ブーム」pp.136~137)

○ネット離れ
永江 半径3メートル以内だけの印象かもしれませんが、自分も含めて最近急速にネットに対する関心が薄れてきているんですよ。この前会った雑誌の編集者は、メールはチェックするけど、情報の収集ににネットを使うのはもうやめた、と言っていました。彼は新聞を丹念に読んで雑誌のコンテンツを考えるそうで、ネタ集めにはネットはほとんど使えないと実感したそうです。(「インタビュー 再販制度はもういらない」p.218)

 余談ですが、永江朗は4月から早稲田の教授になったということで、小谷野敦がツイッターでしつこくカラんでました。
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《読書》竹内一正『グーグルが本を殺す』飛鳥新社

2010-04-17 22:00:43 | 読書
●〔122〕竹内一正『グーグルが本を殺す』飛鳥新社 2009(2009.12.20読了)

○内容紹介
グーグルは、出版界の救世主か?それとも破壊者か!“ブック検索”の真実。

 「打倒!アメリカ帝国主義」という感じの本でした。
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《読書》日経BP社出版局(編)『Twitterの衝撃』日経BP社

2010-04-16 05:53:46 | 読書
●〔121〕日経BP社出版局(編)『Twitterの衝撃-140文字がビジネスからメディアまで変える-』日経BP社 2009(2009.12.19読了)

○内容紹介
Twitterがネットの中心になる!「消費者の反応がすぐわかる」「グーグルよりほしい情報が見つかる」「細切れ時間で仕事ができる」「個人がメディアに先駆ける」―Twitterが変える世界とシステムの裏側、将来展望まで全貌を解説。

 ツイッター勉強本の第2弾。でも、やっぱり喧伝されているツイッターの凄さはよくわかりませんでした。


○メールすら使わない
私は「絶対に電子メールがコミュニケーションの本流だ」という固定観念にとらわれていたが、実はそうではなくなっている。暗号ソフトウエアの「PGP」を開発したシステムエンジニアのフィル・ジマーマンは二〇〇六年頃にすでに、「若い子はメールなんか使わない」と話していた。当時は信じていなかったが、二〇〇八年頃から私の周囲でもメールを使わない若い人が増えてきた。実際、米国の若い人たちはもう電子メールを使っていない。ラジオのDJでさえ、メールアドレスの代わりに、Twitterのアカウントを教えて、「俺のアドレスはこれだからフォローしてくれよな」と言うほどだ。(高須賀宣「Twitterが未来の会社を象徴する」pp.124~125)

○合理性
たとえば、洗剤や化粧品など一般消費財の大手メーカーである米P&GのCIO(最高情報責任者)に二〇〇八年に会ったときに、社内の画像共有にオンラインのアルバムサービスの「Flickr」を利用していると話していた。社内のコミュニケーションにも、SNSのFacebookを使っているそうだ。情報漏洩の問題を気にしないのかと尋ねると、「FlickrやFacebook以上のものをP&G社内ではつくれないし、有効性という意味ではこれらを上回るものは世界に存在しない。情報漏洩はモラルの問題だ」と言い切った。結局、投資対効果と、問題が起こる確率とその重大さとを天秤にかけて、こうしたオンラインサービスを使ったということだ。合理的に考えていくと、いまの時代に社内でシステムをつくるということは、いかにばかげているかが見えてくる。(高須賀宣「Twitterが未来の会社を象徴する」pp.129~130)

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《読書》高倉美恵『書店員タカクラの、本と本屋の日々。-…ときどき育児-』書肆侃侃房

2010-04-15 05:56:05 | 読書
●〔120〕高倉美恵『書店員タカクラの、本と本屋の日々。-…ときどき育児-』書肆侃侃房 2006(2009.12.17読了)

○内容紹介
年間165日ほども遅刻する高校生であった著者タカクラは、就職するにあたり「ぜったい好きな所で働くのでなければ遅刻常習者のままだ、すぐクビだ、どうしよう、好きなところはどこだ?本屋さんだ!」と目標を定めた。しかし時は就職氷河期、どこも新卒の採用なんてありゃしねえ、実家のある京都を出て、産まれ故郷の小倉で働きたい一心で戻って来て、街を歩いて本屋をまわりアルバイト募集の張り紙に飛びついた。それが福家書店北九州店で、その年「コミックカタログ」を創刊し、コミックエキスポなるイベントを準備している最中のなんとも刺激的な店で、この店の人々のレベルに達したい!という思いで突っ走ってきた本屋さん人生24年。途中、出産育児などもし、脱力マンガなどついてます。

 図書館で何気なく手にとって読んでみましたが、大変面白く読むことができました。掘り出し物でした。
 やっぱり本屋物は楽しいですね。

※たかくら&みえぞう製作所日誌
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