すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

心理学系の本を読むときの作法。

2015-04-10 20:34:18 | My メソッド
「ブレない人は成功する」
「他人の目を気にしない人は好かれる」
「自分中心の人はうまくいく」

こんな風に、「◯◯な人は◯◯」「◯◯するだけで絶対うまく行く」というタイトルのついた本をよく見かけます。

心理学系や自己啓発系の本に多いですよね。

紋切り型の、白と黒をはっきりさせた視点、言い回しが、迷いがちな心には、頼もしく、心地よい。困難な事態の突破口を開く特効薬になることもあります。

求心力を失ったチームに、「俺について来い!」タイプのオレ様リーダーがやってきて、チームの活力が吹き返す時の感じに似ているかもしれません。

私も、気持ちの揺れが小さくない人間なので、下がり気味の時や、ドン底から上向きになりそうな時に、こういうタイプの本を読みたくなります。そして、その都度、助けられたりもしました。

ただ、こうした本は、すぐに効果が無くなることもあるんですよね。熱してすぐ冷める、みたいな。恋愛もそうですが、即効性のあるもの、極端なものは得てしてそういう結果を背負うものかもしれません。

こうした本を読んで実践しようという時には、ある種の作法みたいなものが必要かな、と思います。

本の中に登場する、自分がこれまで選ばなかったやり方、知らなかった生き方は、新鮮で刺激的。実践してすぐに効果があると、当たり前ですが「ハマり」ます。

それで、例えば、周りの人を、ハマった本の内容に合わせて、あの人はブレない人だ、とか、あの人は周囲に嫌われるのが怖くない芯の強い人だ、とか、あの人は他人のことばかり気にしてる他者中心の人だ、なんてカテゴライズしてしまうことも少なくありません。

それで、多くの場合、ある地点に行くんですよ。私が、まさにそうなんですけどね。

この通りの人って本当にいる?


本に沿って自分が勝手にカテゴライズした人たちが、最初は本の通りの人として、自分が思い込んだ人物像として生きているように見えたのに、実際にはそうでない部分が見えてくる。

深く付き合えば、人にはいろんな面があることがわかるし、その都度、「あれ?」という疑問符が増えてきます。

仕事面ではブレないのに、家族の問題にはブレまくり。

嫌われても平気なタフな人だと思っていたのに、慎重な面があったりクヨクヨすることも。

被害妄想の強い人だと思っていたのに、ママ友付き合いは意外に無難にこなしている。

と、こんな感じ。

結果、本の効果を享受できなくなって、ハマった状態から、「ああいう類の本はやっぱりね」と十把一からげにして断罪するようにも。

ここまできたら仕切り直しが必要になります。

本に書かれている「ブレない人」の条件をすべて満たす人はいない。

他人を気にしない人というのも、程度の問題。

◯◯な人なんていない。◯◯の傾向の強い人がいるだけ。

◯◯するだけではうまく行く、というのは「当面は」という前提なのかもしれない。

この考え方を自分に根付かせるためにはやっぱり「じっくり」取り組むことが大切。

「絶対」とか「うまくいく」「こんな人は」といった断定調は差し引いて捉えよう。


こんな風にハマっていた本から距離が取れると、その本を客観的に評価できて、自分に合った取り入れ方ができるようになります。

「即効性」と「断定調」の2つは、心理学系や自己啓発系の本の専売特許です。

最初は、この魅力的な2つのパワーを十分に浴びて、効果が薄れたら、この2つは忘れて自分に必要な本質だけ抽出する。

これがこの手の本を読む時の作法かな、って思います。




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