すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

脱力系の「有名」指導者。

2014-12-18 08:10:49 | 育児・母稼業
脱力系指導者の続編です。

宮本哲也さんって、ご存知ですか?

宮本算数教室という小学生を対象にした塾を主宰している方で、いわゆる超名門校に多数の塾生を送りこんでいるカリスマ塾講師です。

でも、その塾、受験に特化した、いわゆるバリバリ進学塾という感じではなさそう。

入塾希望者は引きも切らず殺到するそうなんですが、入塾テストはなく、抽選だか早いもの順だかで入塾が決まるらしいです。どんな子もこの先生にかかったらグングン伸びていく証ですね。

フジテレビで以前「全力教室」という番組があって、それに出演されてるのを見て知りました。今では自分の番組を持つほどの、あの林修先生みたいな派手なパフォーマンスはないけれど、宮本先生のその哲学に惚れました。

脱力ってお顔ではないけれど(失礼(^_^;)、この方もまさに脱力系指導者です。

宮本先生の秘策は、ずばり「教えない」。これまた逆説ですねー。いや、この逆説は、「子どもは本能で学習したい、成長したい生き物」という絶対的信頼を礎にしたもの。

たとえば受験にまだ遠い三、四年生は、ただひたすらこんなパズルを解いてるだけなんですって。

『賢くなるパズル・たし算初級』

(↑わが家も購入しましたが、さすがに4歳には少々早いかも?!)

子どもの本能を信じて、ただ教壇に立っている、教えない指導者。その人を前に、子どもたちはフロー状態に置かれ、ひたすら考え、何度も失敗し、最後には自分なりのやり方で答えに到達するそうです。


読売新聞のこの記事を読んでみてください。

「やりたいことはとことんやる。やりたくないことは一切やらない」


そういう状態に持っていくことが、子どもの学習で1番大事な事!と豪語する宮本先生。

あれれ、このフレーズって、どっかで聞いたような。

そうですね。あの方とかあの方とかがおっしゃってることと同じです。

親の立場からすると、

「イヤイヤ、苦手教科もやらなきゃダメでしょ」とか、「そんなことしたら受験で不利でしょ」

とかなるわけですが、でも宮本先生はそう断言して、さらに結果も出しちゃってますからね。

信じるしかないです、もう。


「全力教室」で印象的だったのは、こんな話。

初対面で丁寧すぎる挨拶をする子に違和感を覚えるという先生。「よくできたお子さんですね」と言われたい親に仕込まれた不自然さを感じるのだとか。小さな子は、初めて会う大人に親しみを感じられないのが当たり前です。

とまあ、なんと本質を見ていることか。

「挨拶が上手にできる子」って、子どもが大人に評価される一般的なモノサシですよね。で、このモノサシを共有する親が子どもに挨拶を仕込む。でも、このモノサシの反対側を見ている大人もいるわけです。こういう大人もちゃんといるって事、子どもには救いでしょうね。

私も幼稚園のバスの先生に朝お会いする時など、結構必死に「おはようございますは?」なんて息子に言ってた時期がありますが、宮本先生のエピソードを聞いてこれもやめました。

あえて言うなら、私自身が挨拶するだけです。そしたら、いつしか息子も自分からやるように。もちろんやらない時もありますけどね。

「親は余計なことするな」
「親は子どもの邪魔をしない」

宮本先生の哲学は、こうも言ってます。

なんか、親の立場というより、私自身の後学のために塾に潜入して授業を観察したい。そんな心境にさせられる、宮本先生です。