すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

徹底して失敗する自由。

2014-12-03 10:36:00 | 心理メソッド・生き方
大事件のさ中、二か月ぶりに美容院に出かけました。

朝方のいい気分と高揚感を引きずっていたせいもあってか、普段は担当のスタイリストさんとはあんまり話もしないんですが、いつになく会話が弾み、カラーリングの色もすすめられるまま明るめの色にしてしまうというお調子者ぶりを発揮。

まあでも、気分がいいというはいろんなことに挑戦したくなって、いいもんです。

そんなことはさておき、私はいわゆる女性雑誌を買って読むことはしないので、美容院に行くとスタイリストさんが選んでもってきてくれる雑誌をむさぼり読むのが常。この日はこれに釘付けに。

雑誌『LEE』11月号

前回も読んで、今回もたまたま持ってきてくれたのでまた読んで、うーっと感動してウルウルしてしまうという。

そう、「マリメッコにときめいて」の特集を読んでのことです。

マリメッコの代表的な柄、ユニッコが今年50周年なんだそうです。ケシの花をビビッドな色彩でデザインしたこの柄ですね。





ファブリックボードやカバン、マグカップなどで時々見かけますが、私は少し苦手な柄だったんです。「はっ、派手!」「この色無理」って感じで。でも、このデザインに込められた、デザイナー「マイヤ・イソラ」の哲学と逸話を読んで、見方が変わりました。

マリメッコの社長は、花をモチーフにしたデザインを採用しないという方針を長く貫いてきました。「花は実物が一番美しい」と。けれど、型にはまることを嫌い、何より自由を追求するマイヤ・イソラはそんなことはお構いなし、この作品を社長に提案するんです。

「こっ、これは」と、言ったかどうかわかりませんが、このデザインをひと目見てその美しさに魅了された社長の固定観念が一気に覆されます。「デザインされた花も美しい」と考えを改め、このデザインを採用し、やがてマリメッコを代表する伝説的なデザインになっていくのです。

マイヤ・イソラの天才性も、彼女が愛した「自由」と「ゆずらない自己信頼」がなかったら発揮されなかったかもしれません。

天才デザイナーと、目利きの社長のたぐいまれな邂逅が奇跡を生んだ、とも言えますが、こういうことって私たちの日常でも起こりうることですよね。

才能が先か、自己信頼が先か。自己信頼を先にやってみて、とんでもない奇跡が生まれる。とんでもないレベルじゃなくても、変わることってあるのかもって気にさせられます。

マイヤ・イソラの哲学は、「徹底して失敗する自由」なんだとか。

自分にも、きっと彼女に続くデザイナーたちにも注がれたこの哲学。こんな人の下で働きたい!って思いますよね。やる気でますよね。マイヤ・イソラだけでなく、北欧の国ってこういう哲学がベースにあるんでしょうね。「ユマニチュード」のフランスもそうか。ヨーロッパがそんな空気なのでしょうか。

この特集を読みながら「私は、息子に『徹底して失敗する自由』を担保できているか?」と自問自答して、反省しきり。やる気は、失敗を許されてこそ起きるもの。しかも「徹底して」。許す側の勇気も試されます。肝に銘じよう。


この号の「LEE」は他にも、女優の杏さんのインタビュー記事もあって面白かったです。彼女の精神のたたずまいも美しい。好きな音楽が、「浜田真理子さん」だそうで、そこにも惹かれてしまいました。

バックナンバーが欲しくなりましたが、紙版は売り切れみたいです。残念!前回見た時に買えばよかった(^_^;)